5話 ダガーナイフお願いできます?
5話目デスよ
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作:リーダー&ガリア公国隊長
しばらく歩くと商店街のようにいろんな店が並んでいるところに出た。
「肉屋、八百屋、魚屋にレストラン。
ここら辺は元居た世界と変わらないなぁ……。」
それぞれの店の商品を確認しながら歩いていると
「早く!松茸!」
道の先でサラが呼ぶ声が聞こえた。
サラが待つところまで行くと道の先を指し
「あそこが武器屋よ。」
指された先には多くの刀が立て掛けられている建物があった。
おお、武器屋っぽい。
俺が使える武器なんかもあるのかな?
そう考えていると
「早く!」
と腕を引っ張られた。
武器屋の中はRPGでよく見るような作りになっていて、カウンターの奥には多くの武器が並んでいた。
小さいものは飛びナイフのようなものから大きいものはかるく2mはありそうな大剣まで。どうやって持つんだ?あんなの。
「で、なんだっけ?ダガーナイフ?を買えば良いのか?」
「そうよ、でもそんじょそこらのものじゃダメよ。私が持っていたのは名の高いエルフの作った芸術的一品よ。それ相応のものを買ってもらうからね。」
はいはい、と俺はポケットを弄り財布を取り出す。
あれ?そういえばこの世界って日本円って通用するのかな?
財布の中身を確認する。
3700円
我ながら恥ずかしい金額だ。
3700って、何が買えるんだ?
普通の包丁だって怪しいぞ。
恐る恐るダガーナイフの値段を見てみる。
7500G
ほらな、全然足りねぇじゃん。
ん?G?ゴキブリか?いや、値段のところに書かれているならゴールドとかの方が合致するか。
しばらく考えていると
「どうしたの?早く買わないの?」
サラが声をかけてきた。
「いや、あの…円しか持ってないんだけど……。」
「円?………あっ、元の世界のお金のことね。」
「それなら両替商に行きましょ。きっと変えてくれるわ。」
そういうとサラはすぐに店を出た。
「だからちょっと待てって!」
店からでると周りが少し騒ついていた。
「行くわよ。」
サラは気にせずに歩いていくが人の波とは反対に歩いていく形なのでだいぶ歩き辛い。
「万引きだーー!!!!」
と後ろの方で叫び声が聞こえた。
周りが道を開けるように避けるので列がうねりを成していた。
そのうねりが俺のところまで来たところで気配に気づき後ろを振り向いた。
だが
遅かった。
「邪魔だぁ!硬化!」
俺は今までの人生でいちばんの痛みを痛感した。
いや、もしかしたら車に撥ねられた時の方が痛かったかもしれない。
ってかハードボディってなに?ダサっ……。
次第に視界はブラックアウトしていった。
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目が覚めると辺りが真っ暗な空間にいた。
白い空間にいたこともあれば今度は黒い空間かよ。
そんなことを思っていると何処からか声が聞こえてきた。
「やっと見つけた。救世主様。」
声はするが姿は見えない。
「いきなりですまないけど、他の人からこの世界のことや君の使命についてはもう聞いていると思うから端折らせてもらうね。」
使命?なんのことだ?
そういえばこっちの世界に来るときに黄色い玉みたいなやつが濁らせている部分があったな。
そこが救世主なのか?
それなら隠さなくても良いのに。
異世界からの救世主?すっごく良い役回りじゃないか!こりゃ楽しいことになりそうだ!
「そういえば君をこの世界に転生させた奴は姿を見せなかったけど、僕はあいつらみたいに薄情じゃないから姿を見せてあげるよ。」
そういうと目の前に大きな白い炎が立ち上がり中学生ぐらいの男の子が出てきた。
「どうも初めまして。僕はアギトと言います。この世界に存在する絶対神と地上の民とを結ぶ天使のような役回りをしています。
まあ、僕の仕事は主に君のような転生者を導くことですけどね。」
俺のような?
他にも転生者いるってことか!
そういえばサラを見たときに相手のプロフィールが分かったな…
こいつのも分かるのかな?
俺はアギトを凝視した。
「うん?僕の顔に何か付いているのかい?」
「あ、いや!なにも?」
なにも表示されないだと?
サラの時には見えたのに……
天使のような役回りとか言っていたし特に何か能力があるわけでもないのかな?
いや、それにしても種族も表示されないなんておかしいんじゃないのか?
「話を元に戻すけど、君や他の転生者たちは皆絶対神ゴッド・マリアによってこの世に呼び出されたんだ。」
「呼び出される人間はゴッド・マリアと火、水、風、土、聖、邪、この六つの力を司る神達の会議によって決められる。
それに君は選ばれたってわけ。」
「だからこんなところで死んじゃダメだ。僕が君を生き返らせてあげよう。
あ、それと何かの役にたつかもしれないからこれをあげよう。」
そう言うとアギトは小銭のようなものを渡してきた。
「それはこの世界の通貨だ。両替商でも両替できるけどあいつらはケチだからぼったくられる可能性がある。
その点僕は優しいから少しオマケしておいた。」
「そのお金が役に立つと嬉しいなぁ。じゃあ、世界を救ってね。」
アギトは俺のデコに指を当てて押した。
俺はなにも抵抗できずに後ろに倒れてしまった。
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「……たけ!松茸!」
聞いたことがある声で目が覚めた。
見るとサラが目を赤くしてボロボロと泣いている。
ウサギって元々目赤いよな……。
品種によるか。
そんなことを考えながら辺りを見渡すと人集りが出来ている。
これ確実に俺が死んだみたいな感じで集まってきたんだろうな……。
ふと隣を見るとガタイのいい男が倒れている。
こいつか…俺にぶつかってきたのは。
「おーい!」
先ほど叫んでいた声と同じ声が聞こえ、その声はだんだんと近づいてきた。
その声の主は俺の隣で倒れている男を見ると
「あんたがやったのかい?助かったよ!ありがとうな!」
と、強く手を握ってきた。
「そうか、何かお礼をしたいのだが何か欲しいものなどはあるか?私が用意できる範囲であればなんでも用意しよう!」
なんでも?
「もちろんタダでだ!あんたはうちの店の救世主だからな!」
救世主て、世界を救えって言われたばっかりで店の危機を救うなんて……。
このペースだといつになるんだろうな。世界を救うのなんて…。
「なんでもタダで……。」
一瞬サラの方を覗いてみた。
サラは涙を拭いながら「よかった、よかったよぉ…。」と言っていた。
「じゃあ、ダガーナイフお願いできます?」
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-武史が居なくなった後の真っ黒な空間-
「『世界を救ってね。』だってさ、まったく決まり文句を言うのが嫌になる。
一体何人にこの言葉を言ったことか……。」
「ま、彼の才能が本物で本当に世界を救うのか。それとも、魔王軍に落ちてくるのか。楽しみだなぁ。」
そう言うと中学生ぐらいの男の子は後ろに振り返り歩きはじめた。
「まあ、世界を救うと(失敗)したら」
「殺せ(リセットすれ)ば良い。」
「さて、前に召喚した奴は無事に魔王軍に落ちてくれたかな?」
男の子は闇の中に消えていった。
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「あいつ死んだかと思ったぜ。悪運の強い奴だな。」
と紫の光の玉が黄色の光の玉に話しかける。
「ゴッド・マリアが言っているんだ。彼こそ世界を救うって。」
「ほんとかねぇ、現に一般人に殺されかけてんじゃん。」
「『ホウ酸団子食べたい』の結果は絶対。さっきも言っただろ。」
青の光の玉が割って入ってきた。
「それで今まで何人見てきたよ。何人賭けに負けた?」
「賭けに勝とうが負けようが、我々は信じることしかできないのだ。」
「不便だねぇこの体。」
紫の光の玉と青の光の玉が言い合っていたところ
「皆、よく聞け!緊急事態が発生した恐れがある。」
赤の光の玉が声を荒げた。
「なんだ?」「どうした?」「なんかあった?」「なんかありました?」
各色の玉が別々に答える。
「邪の神が、動き始めた。」
「なに?それは確かなのか?」
青の光の玉が聞く。
「まだ確証はないがヤツが倒れた時、妙な気が流れた。おそらくあれは邪の神のオーラ。」
「するってーとあれか?先越されちゃったってわけか?」
「おそらくな。」
「それは、魔王が動き始めたってことで良いの?」
緑の光の玉が話に加わる。
「とにかく!事態が急変した!我々も早々にヤツに接触、導かなければいけない!」
「これ以上、ゴッド・マリアに恥をかかせるわけにはいかない。」
リーダー「なんか匂うだけ匂わせておいて、回収してないものが多いですねみんな。
まあまだ始まって間もないっていうのもあるんでしょうけど。
今回の話は風呂入りながら考えたにしては文章量がすごいことになっていると思うんですよ。自分的には。
リレー小説って事もあって前の人が書いたセリフの言い回しがあまり変わらないように気をつけながら書きました。
他の人が1500字とかなのに3600は多いなとちょっと叩かれましたね((
自分で出したキャラクターに関しては自分なりのイメージがあるのであまり崩してほしくないなーって気持ちがあるんですよね。(だったら一人で書け)
まあ、物語はまだまだ始まったばかりなので他の人がどう展開していくのか楽しみですね!(あんまりにもぶっ飛んだのが来ると無理だけど……。)」
「「「「「一人称とか登場人物まとめないと把握できん」」」」」
次話2日以内に出します!