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狼が守護神になった  作者: 塩味
狼は守り神
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狼と鬼神

やっぱ鬼って酒と喧嘩ですよね

「それじゃこれとこれを樽で」

「はいよー、奉納かい?」

「捧げるのはあってますね」


苦笑して酒屋の主人に答えた

あいつらは酒さえ渡せば9割満足する種族だから…

術式を展開し今買った樽酒をしまう

こういう時術式を勉強しといてよかったと本当に思う

見た目手ぶらだけど術式の中には既に10を超える樽酒を所持している

はぁ…金がとぶなぁ…持ってないわけではないけどさすがに一気に出費してすぐ無くなる酒を見てるのは少し切ない…

ついでに秘蔵の一本を自分用に買って

山に向かう


「あー山登りやだなぁ…、どうせあいつらの歓迎があるし…」


ー鬼山山頂ー


「頭ー、麓に馬鹿でかい力の塊が来ましたぜー」

「あいよー、ようやく来たか…お前ら!!!祭の準備だ!!!」

「「「「おう!!!!!」」」」


ー鬼山山道ー


「あー…聞こえたよ雄叫びが…」

「お、1年振りかな?なにやってんの」

「ん?あぁ…鞍馬かお前まだこの山にいたのか」

「頭が強いから雑魚妖もめんどくさい退治屋も来ないからここは居心地がいいんだよ」

「相変わらずだな…」

「面倒は避けて通りたいだろ?」

「わかるけどな」


こいつは鞍馬

元は山に登って修行するのが好きな物好きな人間だった。

天狗族と交流をしていて様々な山に放浪しに行っている

昔死にかけの天狗を救おうとしたら力を託されてそのまま妖に。

元々実力はあっただけに天狗社会でも上の位置に立つことになっている、しかし仕事はしない。


「なー頭に会うってことは持ってるんだろ?恵んでくれよ〜」

「やだね」

「ケチ」

「お前も来ればいいじゃないか」

「絶対一戦交えないとダメだろ」

「そうだな」

「断る!!」

「こいつ…」


馬鹿天狗と別れ山頂への道を歩くと漂う匂い

すでに宴会の準備ははじまってるようだ…

あいつ…宴会の前に会談あるの忘れてないよな…?


ー鬼山山頂ー


「ようやく来たな!!さぁ飲むぞ!!!」

「馬鹿たれまずはお話だ」

「よっしゃ喧嘩だ!」

「物理じゃねーよ!!言葉の交わし合いだよ!!!」

「えー…やだーお酒のーみーたーいー」

「終わってからな」


渋々と頭こと鬼神が納得する

ほんと腕力だけなんだからよ…

部下が苦労する…や、同類ばかりか


ー鬼山頭祠ー


「で、各山に散ってる鬼族はどうだ?」

「特に問題はないかな、山に無断で入って来たやつの制裁っていう喧嘩をしてるくらいだね」

「殺してるのか?」

「1度目は半殺しだよ、懲りずに来たら殺してる山の掟を破るやつに人も妖も関係ないね」

「退治屋なんかは来たか?」

「麓にいる部下の報告では退治屋も掟を破ったやつからは仕事を受けてないね、掟を守ってるやつの護衛で山に一緒に入ったりはしてる」

「相変わらずお前の能力は便利だな…」

「あたしはもっと物理的な能力が欲しかったよ」

「(これ以上脳筋になってどうする)」

「ん?なんか言ったか?」


各山に散っている鬼族の頭こと鬼神

神がついてるが神様とかではないそうだ。

こいつの能力は離れても通じる事ができる力、通信関係だな。

信頼できる直属の部下を各地に遣わし部下からの報告を受けるという流れだ。


「なーもういいだろー限界だよー」

「はぁ…まぁいいだろ、行くぞ」


祠を出て広場に出る

そこは既に出来上がった鬼が居た


「かぁしらー話終わりましたかー!」

バゴォン!!!

「あたしより先に飲むたぁいい度胸だ!!!」


我慢なんてできませんよ!!

などの声が広場に響くなか宴会は仕切り直される

見覚えのある天狗は無視しよ…

いや後で鬼神に差し出すか


「狼も飲もうぜ、あたしの酒が…略」

「わかったわかった」

「かっーーー!ただ酒は美味ぇ!!」

「鬼神、あそこに天狗居るから」

「お!天狗居るのか!!グヘヘ焼き鳥にしてやる!!」


天狗を差し出し喧嘩に巻き込まれつつ

月が宴会場を照らしていく


ー鬼山山頂ー


「はぁ…酒が水のように無くなった…」


しんみりと秘蔵の一本をちびちび飲みつつ下の様子を見る

鬼は持ってきた樽酒が足りなかったようで自分らの酒も出して飲んでいく

鬼神は自分の樽酒を傾け直接飲んでいた傍には焦げた天狗が寝そべっている


この騒ぎがとても心地いい

でも巻き込まれたくはない

遠目で見て楽しみたいんだがな…

明日は二日酔いが何人…いや全員だろうな

月見酒を傾けながら騒ぎの余韻に浸っていく


うるぁぁぁ天狗ぅ!!

テメーだれの酒を勝手に飲んでやがる!!!

はははは!!

狼様が買ってきたやつだよ!!

タダ酒は美味ぇなぁ!

こんの鳥頭!!

それはあたしの自前だよ!

覚悟できてんだろぅな…?

え、ちょま…ッアァーーーーー!!!!!


「……騒がしいのも考えものだ」

登場人物

鬼神

今代の鬼の頭領

前の名前は鬼神を襲名した時に名乗らなくなる

今代といってももう千年は続いてる

「やっぱ物理じゃね?」

脳筋娘である。

腕力だけなら主人公に負けない

主人公が放浪中に出会い長い付き合いをしている

強い婿を探している

候補に主人公がしれっといるがそういう感情では見ていない

お気に入りは天狗


天狗は次回紹介しますね


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