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「本日オマエに渡す武器は、これだ」

 黒スーツ姿のミカドはどこにでもいる社会人のようだ。しかしその実質はまったく違う。

 俺の立場を戦闘員とするならば、彼女は、主任とか、班長といった所だろうか。そういう意味では社会人っぽいのだが、その仕事内容は、非常に浮世離れしている。

 一言でいってしまうと、悪霊退治。

 その仕事のために必要なものは二つある。

 一つは……簡単なことだ、武器である。悪霊と戦うためのウェポンである。といっても、悪霊を攻撃するためというよりは、自らの護身のために使用するのである。毎回違う種類の武器がミカドから支給される。武器は使い捨てで、これはこれで開発研究が日夜行われているそうなのだが……。武器を使い捨てるという点はなかなか業界内では変わらないらしい。

 今日ミカドから支給された武器はドライヤーだ。こんなもので大丈夫か?カミソリだった時もあったから、大丈夫なのかもしれないが……。

 そして仕事の成功のために必要なこと、もう一つは……これが難しいのだが。

 俺はちらりと浜辺の様子をうかがった。特に怯えている様子もない。

 悪霊退治にはどうしても常人は怯えてしまう部分がある。浜辺も表には出さないだけで、本当は怖いのかもしれないが……、しかし、仕事の成功のためには彼女の力が必要だ。

 なぜならば、悪霊を退治するための一番の手段は、それは、心に響く声、だからだ。

 悪霊の心に響く外部からの声。

 これがもっとも重要だ。

 このケースの場合、家族で唯一生き残っている真坂 浜辺が、真坂家に根付いた問題を解決するために必要なのだ。

 心からの声を、彼女が、二人に届けなくてはならない。

 どうか、成仏してください、と、いうわけだ。

「心の準備はできてる?」

 俺は浜辺に尋ねる。彼女はうなずいてから、すぐに首をぶんぶんと横に振った。

「準備とか、よくわかんないよ」

「お父さんとお母さんに話しかけるんだ。そのためにちょっと怖い思いをするかもしれない。でも大丈夫だ。俺と、もう一人この黒スーツの女の人が、君を守る」

「私は言いたいことを言って、それでいいの?」

「言いたいことが思いつく?」

「うん、いや、ううん、わからない」

「わかるまでは、入るのはやめておこう」

「うん、ありがとう」

 そんな会話をしてから数分後、彼女は首を縦に振った。

「もう、大丈夫だと思う」

「そうか。少し怖い思いをすると思うが、大丈夫か」

「う、うん」

 俺は門を開けた。

「じゃあ、行ってみよう」


なんでもいいので感想くださいぃぃぃ…………

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