全ての始まり
私立青薔薇学園。
入学して正門をくぐった時に辺りを見渡した。そのときに1人の女の子が桜の木の下に立っていた。
僕は一目見た時に驚いた。感服したのだ。
彼女は美しい黒髪を風にたなびかせていた。
そこに桜の花びらが舞い踊る。
とても幻想的な彼女の美しさに僕は何も言えずにただ何も口から言葉が出せなかった。
なぜなら、その幻想的な美しい光景を表すような単語を僕は持ち合わせてはいなかったのだ。
おそらく、下手に単語をもちいて話せば、その光景が薄っぺらな物になってしまうような気がしたからだ。
どうやら、最初は乗り気ではなかったが、この学校では良いことも少しはありそうだ。
あの人と話が出来たらどんなに幸せだろうか。
でも、そのあとは恋愛関係になることは、まず無いだろう。
何故なら僕はこの学園では男としてではなく女として生活をしなければならないからだ。
「僕に私立の女子高に通えだったて!」
志望校に落ちて、更に滑り止めの学校にも落ちた僕の元にやって来た二人のスーツを着た男達は僕に驚きの提案をしてきたのだ。
「えっ、いや。女子高に男子が通えるんですか?」
「いいえ、それは無理です。あなたには3年間女子生徒として我が校で学園生活を送ってもらいます」
「いやいや、ちょっと待ってくださいよ!それって僕に女装して3年間通えってことですか!」
「そうですよ、それに何か問題でも?」
「問題ありまくりですよ!大体、両親が許可を出すかどうか」
「それは問題ありません。何故ならご両親にはもう許可をとっています」
「えっ、本当ですか!」
僕はさっきから話に入ってこない両親の方を見ると、両親はそこそこの量の服を旅行カバンに積めていた。
「何してるの父さん達」
「えっ、何ってお前の荷物を準備してやってるんだよ。ほら、ちゃんと女物の服も買っておいたぞ」
どうやら、両親は乗り気のようだ。しかし、何でこんな事を?
「すみません、何でそちらの高校は僕を入学させたいんですか?」
「そうですね、では簡単に説明しましょう。我が校、青薔薇学園は由緒正しい女子高で大企業のご令嬢なども多数入学されています。しかし、最近になって我が校のOGは女だけしかいない学園で過ごしたために無防備過ぎるとの苦情を受けまして、そこで我々が考えた手は男子生徒の力を借りること。しかし、長年女子高であり、ご令嬢を入学さている保護者からは共学化は反対されました。そんなときに我が校の系列校である進学校としても有名な赤薔薇学園に受験した貴方を見て私達は思い付きました。どう見ても女の子にしか見えない男子生徒を入学させればいいのだと。そこで我々はあらゆる手段を使いって貴方を手にいれようとしたのです」
「あらゆる手段って……、まさか、僕が滑り止めに全て落ちたのは」
「はい、我々がやりました」
「はぁ、つまり、そんなに僕が欲しかったんですか?」
「はい、我々には必要な人材です!」
「あの、おたくの学園を卒業しても貰えるのはおたくの卒業証書ですよね。」
「いいえ、違いますよ。あなただけは赤薔薇学園の卒業証書が貰えます。それくらいは考慮しますよ。流石に女子高の卒業証書をもらっても貴方が困りますからね。まぁ、他の大学に提出する書類何かにも赤薔薇学園の名前を出していいですよ。どうですか?」
まぁ、必要とされているのに悪い気はしない。
しかも、卒業証書は名前を出すだけで国立大学に受かると言われている赤薔薇学園の物ということはかなり嬉しい。
まぁ、こんな学園生活も面白いかな。
「分かりました。青薔薇学園に入学します」
そんな訳で僕は女子高に通う事になった。
僕はかなり後悔している。
まぁ、考えかたにを変えれば、ハーレムじゃんヒャホーなどと思えるだろう。手は出せないけどね。
しかも、そんな事は思えない。
僕はそんな事を入学初日に考えていた。
また、あの人にあった。
今度は前で演説をしていた。
その姿は凛としていて美しかった。
「皆様、ご入学おめでとうございます。我が校で清く正しく美しい学園生活を送ってくださいね」
体育館に入るとすぐに入学式が行われた。
そこで生徒会長として、挨拶をしていたのは今朝の黒髪の女の人。
名前は華凰院 咲というらしい。
よく考えれば、この出会いが後の生活を左右したのだと僕はあとになって思った。
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