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act28:戦線「ガッセン コエ ビョウヨミ」

大変お待たせして申し訳ありませんでした(土下座

今回は街に待ったあの子の登場です…うん、お察し下さい(苦笑

それでは、良い読書の時間を



前回のあらすじ

アスカレナ:主力武器封じが敗北フラグだと」ベルク:いつ錯覚していた!!」

セルア:私一人でもできるもん!」ゲニトルフ湖上の砦と一同:うわらば!」

ニアテルス:たどり着いたぞ…始まりの地へ!!」


「ふぅ、すっきりしました~…」

(ビクンビクン…ビクンビクン…)

「まあ…このような事をしてれば魔女と呼ばれても違いはないですものね…

恨む魂すら抜き取ってしまいましたから~」

「(ぴくぴく)―むきゅ」

「あら、リアちゃん?【人としての耳を動かすなんて】、何かありました?」

「レイア、ここから、西方面。その後、北。行かせて」

「そこから急がないとまずい事になりそうですか…まあ、貸し借りは多い方が

良いでしょう~いいですよ、リアちゃ~ん」

「むきゅ、レイア、太っ腹…(すりすり」


「無理…止血が…手いっぱい。私ハ魔法でもいやす真似は無理だもの…よくて

火で血の出所を何とかする程度しか…」

「助かりそうにない…か…」

「本当に…どこから間違えたんだろう、私達。国を追われて…捕虜にもならず

奴隷として売られる事もなく、さまよってたどり着いたのが冒険者と言う風の

噂で聞いた一団で…私達は小規模ながらも遺跡探索に魔物退治や薬草探しまで

どんな仕事も受けて…」

「おれ達3人なら大概の事はできる。そう考えてたんだな…。そのツケなのか

どうか…」


「2人は…アローナとアルメドは関係ないよ…」


「レヴリー!」

「意識が戻ったの!?」

「ボクが…ボクが悪いんだ…数年前…この大陸の南東へ…あの依頼を2人へ

隠しながら行かなければ…」

「そんな!ずっと3人あんなに一緒だったじゃない。生まれた場所も学んだ

場所も夢を語った日さえ…ずっと一緒にいるって…」

「そうだ…こんな所で1人落ちる所なら―!」

ザッ…ザザガサッ…タンッ…スト…


「見つけましたよ~、冒険者の皆さま~」

「…!?だ、誰だ…!」

(気を付けて…ただものじゃない…この子…あたし達より若いのに…)

「あらあら~、余りしゃべると寿命が縮んでしまいますよ~。私の手でさえも

そう言ったものは治せませ~ん。自業自得みたいなものですので~」

「言い方からすると助けてくれるかのようだが…何が目的だ?」

「少なくとも、今は救いの手としてここに参りました~」

「…だから、どう言うつもりなの?」

「その人を直せばいいのでしょう~?と言っても…これは確かに急がなければ

骨が折れそうですね。ただ、止血が上手いのが幸いですか(サクサクサク…」


「エイドス・ソマ・プロヴィデプシ・アルヴァナ・パラゴリ・セリノ」


「エピコール…」


パロン!!


ボキョ、メキメキモボコ…

「ぐ、げ…!」

「レヴリー!しっかりして!あなた、約束が…!」

「お前まさか…!?」

「申し訳ありませんが、月日を必要としますわ。今彼にかけたのは再度体を

作るよう、小さな体の組織に命令を発信したと言うだけです。そして、それを

加速しているので…」

「「…(絶句」」

「聡明なあなた方ならお分かりかもしれませんが…治った際も彼の心が無事か

どうかまでは…」

「もういい。すまなかった…借り1つのようだな」

「後で返して頂ければ十条でございます。では…近くまたうかがいましょう。

これにて」

「待って。どうして?」

「それほど深い意味はありませんよ。言うなら、利用価値があると判断したと

そう言っておきましょう。では…」


タン…タンッ…タ…


「…おれ達はどこか隠れるか」

「そうね、レヴリーが何とかなるまでは…」




「…ぐっ!!!」

ズブシッ!!!

「…ッ!…ッ!(この程度で…もう2度と後悔するわけには…例え私の精神が

壊れても…!)」

ポタ…ポタ…


「…(もう幻影は…いえ…ジャクシール様やペール様が問題です。ロット様の

おかげで私の傷はクナイと砲弾を受けた右足だけで済んでますが)どちらに

おいでですか」


―クヒヒヒヒヒ…クヒヒヒヒヒ…


「…(聴覚がおかしくなったのではないですね。魔法で声を反射させている?

とは言え、恐らくあちらからは私を手に取る様に把握しているのでしょうか…

万事休すなのに変わりはありませんが…)」


クォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


パァアアアアアアンッ!!


「「!?」」

「?んだ?」

「は?」


「え」

「「「…」」」チキチキチキ


「ちっ!とっととぶっ放しておしまい!!」


ビシュビシュビシュ!


「万事休すには変わりな―「んだあああああああああああああ!」―!?」


ザクザクザク!


「んだ、待たせたというかすまんだ」

「まあ仕方がないでしょう…ロット様の治療は「必要、ない」その声は…」

ザッ


「むきゅ(すっ」

「んだ!!(こん」


ドン!:wアッパー

ドゴシ!:w両手合せで叩き伏せ

ドゴドゴドドドドドドド!!!:wラッシュ

ブン:ペールが刺客の体を捕まえ、真上へ投げる

ピョン:ペールの肩を足場に飛ぶ

ズバアアアン!!:腕から生えた異形の刃でたたき落とす

パス:盾を前面に構えたペールの方に着地

「んだ」

「むきゅー!(GO!」

ズドドドドドドドドドド…:3人まとめてひき殺し


「…(パチパチ)ミゴトナオテマエデ?」

「むっきゅん!(びしっ)…(きょろきょろ)」

「あ、先程の子は…」


「むきゅ…逃げた」



「何さ…何さ何さ何さ何さ何さね…!!!」



ヒンヒン!パァアアアン


ゴォオオオゥウッ


ドバドバドバゴウゴウゴウゥウウン…!


ブゥアァアアアアアアアアアアアアア…ッ


弾頭の作る爆撃と氷、大気の刃が入り乱れる。ニアテオの戦いとは違い風の

刃は規則正しく、しかして気分のように繊細な強弱のけん制や隙を刺し貫く

厳しさを持ち合わせ強かにヒビキをおそう。ヒビキはそのファーニフアルが

聖遺物―アルクから繰り出した【魔法】の上位互換―魔術の域にまで達する

風の魔法に対し、氷の防壁を複数はり、たえようとする。しかし


「くう…!」


ファーニフアルの風は容赦なくヒビキをうちすえ、ツヒオリメの動きを一切の

容赦なく止める。


見ればツヒオリメではなく、ヒビキがボロボロだった。肩口やわき腹などは

勿論として、ひじやへそ周りに加え足首まで伸びていたはき物がひざ丈まで

切り刻まれている。損傷具合が下半身に集中しているのはファーニフアルの

趣味なのかどうかは置いておくが、ヒビキもやられてばかりではいられない。


バァアアアアアッ シイイイイイイインッ


音を立てて繰り出されたのは弾頭に加え、海で発生する筈の竜巻。

「あ、そこまでもう解読されてる?」

「小賢しい真似で相当貰ったがな」

操竜者―ドラグーンの本体による戦いは基本的に魔術式による知的な戦いと

なる。相手に魔法・もしくは魔術の式を作り、それの仕組みを敵に悟られず

幾重も虚空にはったその上で敵の意識の外も読み発動場所を考える。計算と

知覚、そして反射と理解。どれが欠けてもワイヴァーンに乗る資格はない。

セルアやエルゼスと言った例外こそあるが、ヒビキはそれをよく知っている。


そんなヒビキでも圧倒されているファーニフアルは恐らく誰が見ても腕が立つ

ドラグーンだと言える彼に対し、ツヒオリメの腰部垂直推進機と直結した

弾頭格納場所から無数の弾頭とヒビキの魔術により大気の水分から形成された

竜巻がファーニフアルに向かう。難なく避ける事は余程の操縦技能がなければ

不可能だった。意地でもう回を強いる一手―ヒビキが出した攻撃は早い所が

足止め、時間稼ぎだった。ここでのヒビキの攻撃は悪手だと分かっていながら

ヒビキはそろそろ攻め手がツヒオリメに頼らざるを得ないのが現状だった。

そして、それはファーニフアルにとってヒビキの背面へと回り込む好機にしか

ならなかった。声に冷たさが宿る。


「おそい―「そちらがだ!」!」


パァアアンッ!


何かがわれたような音と共にファーニフアルが周囲に転嫁していた魔術式の

一部が弾け飛ぶ。それと同時に、ヒビキは自身の持つアルク―霊刀シナミリの

刀身をサヤより抜き放ち虚空にはしらせた。


ピイイイイイイイァ…ッ!


シナミリから繰り出された空色の斬撃はふるえていた大気すら凍りつきながら

ファーニフアルの機龍にせまる。風の刃に含まれた微弱な魔術式すら凍らせ

突き進んだ斬撃は狙いを外さず上層部専用機龍を直撃した。失速し落ちる所を

風の魔法で体勢を整え、ファーニフアルはやられたという顔をする。


「おっかないのね。流石にあの人の娘であるにしても…天性の強さに対しては

嫉妬してしまうかな、これは」

「たわけた事を!術式を読む事に苦労させてくれたな…!わざとらしくも

【読みにくくするような余分な式に魔力まで】当てて!!」

「あえてそうしたの分かるでしょう?姫様が「それだけに余計タチが悪い!」

…やれやれ、流石に余裕を失くしてるかねこれは…と!」

次いでシナミリから繰り出された竜巻と凍りつく斬撃の連携攻撃、それに加え

ツヒオリメの周囲大気氷結まで加えファーニフアルを追いつめていく。正に

今までのお返しとも言える攻撃だった。それを鋭い笑顔を浮かべながら、

ファーニフアルは上層部専用機龍と彼の十字を形度ったアルクから発した

風の魔法で応戦し、声を上げる。ようやく戦闘は拮抗した。


「その調子その調子ぃ、でも息切れしかねないんじゃないの!?どれだけ

オレの刃がお姫様の障壁とぶつかったか覚えてらっしゃる?」

「それをほざくか!ツヒオリメは【私の魔力で操作している】んだぞ!!

それとは別に帝国では―量産された機龍は上層部専用などに限らず補給を

必要としている筈だ」

ヒビキが言う通りファーニフアルの駆る上層部専用機龍は魔玉が美しい紫の

光を失いつつあった。


「…流石に覚られていましたか。姫様なだけはある。政だけの妹とは大違い…

何て言ったら怒られますかね?」

「私がミオリだったらな!!それに、戦士でなければ気付かないだろうが、

先程私が言った話はテスフィーブルで特別待遇組の生徒ならば知らない者が

いてはいけない程だぞ」


セルアがくしゃみをしかねない冗談を言う程度にはヒビキも答え、次の攻撃に

入ろうとする。次で決着と2人して察していた。しかし


思ったよりも早く、決着の時は来た。


ガクン


急にファーニフアルの専用機龍が姿勢を崩した。

「―ん?」

「どうした!?」

「あー…あーうん、姫様」

突然遠い目をしだしたファーニフアルを見たヒビキはまゆをひそめたずねる。

「……何が言いたい?」

「燃料切れちった、てへぺろ☆【ヒュオォッ】イヤイヤ、マジなんですって!

それとも今の流石に気持ち悪かった!?」

「三十路過ぎがやる行動ではないぞ…(ため息」


ヴフォオオオォン… パキ…パキ…


「当然、ここらでおいとましますよ?調べるものは調べられたし、央都が今

どうなってるかも含めてスタコラサッサと忍びこんできま―」

「流石に聞き捨てならないぞ…」

「そうするしかないのですよ、あの場所から離れてるわけでも無し。それに

中佐達の方もほっとけないし、ね」

「となると、やはり…飛び下りるわけか」

「それしかないのも道理」

何のためらいもなく、ファーニフアルは有言実行する。上層部専用機龍から

自ら飛び下りた。


「またお会いする事になるでしょう」

落下しながらそれだけ言い残し手を振りながらファーニフアルは風となった。

少なくとも風が吹いた瞬間に見えていた場所から消えたのだから、そうとしか

言いようがない。ヒビキはただ見送りながら

「…父様、母様…ミオリ」

ヒビキは海を隔てた家族の名を呟く。父はもう1人生まれた娘をもう1人の

ヒビキとしてそしてアカナチ内での【たった1人の身内】として世話を焼き、

その一方で王としての責務を全うしている筈だと思案しながら。



「レギット少将、無事だったか」

央都ヴァルガナウフの商業区。アスカレナはその一角でベゼグが石だたみに

腰かけているのを見つけた。


「うむ、情けない限りだがの」

「この状況ではやむを得ない。私の上層部専用機龍も魔力切れで、近い場所に

着陸させてきた」

央都ヴァルガナウフでは最早蛇足とも言わんばかりに魔物達がノンビリと

まるで自分達のモノとでも言うようにたむろっていた。下手にさわぎを起こす

者がいない今では、彼らは勝手に都内の住民とも交流をしようとするものまで

出てきている。特に子供達はいきなり現れた彼らに初めおびえて家に隠れた

ものの、今では1人、また1人と好奇心で言えから出てはしゃぎ回ってる

姿が見えた。アスカレナはため息をつく。


「のん気なものだ。普通の民達にお前達の言葉が分かるわけがないだろうに」

「―?よもや…」

「そこまで当てにしなくても、顔を見ればだいたいはさっせれるでしょう」

ベゼグのいぶかしげな視線にアスカレナは首を振った。そんなアスカレナに

近寄ってくる影がある。

「ウホッホ」

「…ああ、久しぶりだな。覚えていたのか」

「ウホウッホ!」

近寄ってきた影、ヨブムーはアスカレナを前にするなり、腕がら垂れた膜から

ヒョウタンのような果実を取り出し、アスカレナに差し出す。


「…それを、私達に?」

うなずいてアスカレナの手の平にヨブムーは同じものを腕からたれた膜から

もう1つ取り出し、手本とばかりにムシャッと食べる。

「ああ…(むしゃ…)うむ、おいしい。ありが…ん?」


アスカレナの目立つ髪型が珍しいのか、それともヨブムーを追ってきたのか。

アスカレナを見上げる少女がいた。「じー」と可愛らしく言いながらこちらを

見上げてくる少女に、アスカレナは体を少女と同じ高さまで屈むと少女の口へ

果実を持ってくる。

「はい、あーん」

「あー(カプ…モキュモキュ)にぱー」

「よしよし、好きなだけお食べ…良いかな?」

アスカレナは最後の言葉をヨブムーに向ける。ヨブムーは両の手を頭の上で

叩きながら


「ウホッホ!ウホ!」

アスカレナに向けてもう1つ差し出した。

「まだあったのか。頂けるのはうれしいが…」

「ウホッ」

遠慮すんなとヨブムーが差し出したまま妙な姿勢を取り始めた。苦笑した

アスカレナは軽く額をパチンと指で叩く。それを見て少女がからからと笑い、

ベゼグもカカカと笑う。そんな所へさらに、少女の手にも乗りそうな小さな

小動物が訪れた。

「チチチチ…チチチチ…」

「エネちゃ~ん、おいで~」

「チチチ!チチチ…」

小動物の魔物は軽い身のこなしで少女の首にまとわりつく。

「かわいいな」

「チチ…チチチチ…」

エネはしばらくアスカレナとヨブムーを交互に見た後、少女とヨブムーに

自分に付いてくるよう腕を回す動作をした後トテトテと向かっていく。

少女がアスカレナとエネを交互に見比べ始めた。それに対しアスカレナが

「行ってらっしゃい」言うと少女はエネと共に元気に駆けていく。ベゼグと

アスカレナは彼女達を見送った。ヨブムーも少女の後を追い飛んで行った。

ベゼグが呟く。


「意外じゃの…主がかわいいなどと言うとは」

「…ほっといて下さい」

「おお、すまんの。そこまで傷つくとは思わなんだ」

「レギット少将…私達は終わりかもしれないが、まだ終わるとは思えん」

「何…?」

「悪意の影がある。…先程聞こえたのだ。しかし、私も軍曹を止めるだけで

精一杯とはな。」

「ままならぬ事はいくらでもあろう。現状にもそうじゃがの」

「これはこれでもう諦めるしかないでしょう…って、頼む。やめてくれ!」

突然、頭に留まった虫の羽を生やした妖精たちがアスカレナの髪をいじくり

遊び始めた。アスカレナはたまらず、悲鳴を上げる。反射的にパリっと雷が

髪に流され妖精達がわっと飛び立ったが、未だアスカレナのらせんを作った

髪が珍しいのかどうか、距離を置いたままこちらをうかがっている。それを

見ているさ中、ひょうきんな声がそばから聞こえた。


「オレっちもよー、乗り捨ててきちゃいましたー」


カパッバチバチバチ…


気付いた時にはアスカレナはマルケウクを抜き放っていた。余りな神出鬼没に

アスカレナも体が突然反応してしまったのだった。

「アイェエエエエエエエ!ナンデ!?開幕全力攻撃用意ナンデ!?」

「頭痛い事を言ったからな…」

空を仰ぐアスカレナに、冷静な顔でファーニフアルはひょうきんに応えた。


「いやー、正直しかたないでしょう。ただでさえゲニトルフ湖から伸びている

川が下にある場所で、水の姫巫女様とバトルよ?終始圧倒できなければ、正直

こちらが詰んでるってバトルをした後なんだって。ダンナもどうにか目的の

地までむかえたみたいだし、競走の番回しとしては最善だったはずでしょう。

で、オレっちはまだ用があるんですぐにここを去らにゃならんのですわ。この

帝国にはまだ少しいるけど、決着は近そうだし」

「もう何聞いてもエッチェンバルク卿すらおどろかんぞ…主がネズミだったと

言うのも含めてな」

「あー、分かってらっしゃった?まあ仲間としてここに乱を起こせたまでは

それなりに楽しかったし、悪くも無かったと思うわ」

ベゼグの言い分にもいつもの調子で、少し明るく笑ったファーニフアルは次の

時には風しか残っていなかった。瞬く間もなく彼は姿を消す。アスカレナは

そんなファーニフアルがいた所を見た後、まゆをしかめる。ベゼグがふと見た

彼女の顔は―ベゼグは知らないが―レイアと出くわした時と同じ、青い色を

含んでいた。


「私が【彼女】に感づいていないとはな…隠ぺい能力を持つようになったのは

本格的に私や家族を狙ってきてるのか?」


「まあ、それはそれでね。私もあなたの事をそこまで害したいとか、そういう

わけじゃないんだよ?縁と時間があったら話しましょう、黒の巫女さん?」


【赤い魔術式文字でつづられた場所から流れた】小さな音声だったのに、深く

アスカレナは肩を落としたのだった。



「それで、あれでよかったの?」

「まあ、オレっちはお嬢ちゃんの依頼もあったからね。オレはお嬢ちゃんを

送り届けた後に、帰るつもりよ…流石に妻の顔が恋しい…へくし!」

「ごめんなさいね、こんなに良くしてくれて。久しぶりに来たこの大陸を

懐かしむ暇もない何て」

「で、ボウズ君達の事はどう考えてるわけ?」

「ゼスちゃんもルアちゃんも元気だといいなあ、とは思うけど。うん、私は

自力で他の所に飛びますね。ヒラメザさん、フォルデロッサまでよろしく」

「あいよ!」


ピーッ…ブワァサッ



ブゥワッ


優雅に後ろ脚から着地する。見事な操縦だった。足元に邪魔がいないからとも

いえるが、所々が坂となっているため場所を決めるのに難儀するのも関係なく

ニアテルスは機龍を着陸させた。フォルデロッサの目前、


「これはご機嫌うるわしゅうニアテルス・ヴォーゲ様。この度はあなた様の

悲願決起に、この街の長たるフォルデロッサめもまず喜ばせて頂きます…」


どこか青い顔に脂汗を流しながらその肉の塊としか言いようのない男は歩きも

苦しそうにニアテルスの元へドスドスと歩いてくるとうやうやしく頭を下げ

こびるようにそう言った。エルゼスの故郷を収めているシアムークという名と

ニアテルスは遠い記憶から言う。


「ああ、素晴らしいな。そのような状態でありながらしかと言葉を選び上げ

私への忠誠を誓う言葉。しかし、町長。私も多忙でね…君が街を持つように

なった祝いもなく、例のものを要求する事になってしまった」

「そ、それは…その」

ニアテルスの言葉に、更に青い顔が血色を悪くしていく。ニアテルスも焦りが

あったため、次の言葉がすぐに出てしまった。

「どうした。ここには【あの鎧】があるのだろう。かつてここに村が出来た

経緯はこのフォルデロッサの背後にある山が地下にとんでもない兵器の数々を

生みだす施設となっているからだったはずだ。何をためらっている…いや、

何かを隠しているのか?」

「それはですね…その…」

言いよどみ、要領を得ないシアムークにニアテルスはフォルデロッサへと足を

運ぼうとする。それをシアムークは見ている事しかできない。本心からは何か

ニアテルスに見せたくない事があるのだろうと言うのは明確だった。ならば

彼を無視してでもニアテルスは進むしかないわけだが。ここで更に小柄な影が

ニアテルスとシアムークの目前―フォルデロッサの外壁前に現れる。


「どうしたというのだ町長どの…いきなり外に出ていって。話はまだ終わりと

言っておらんのですが…」


アエルードだった。フォルデロッサに戻るまでに散々な事で彼自身も慌てたが

フォルデロッサの町に周辺の危機を知らせるために急いで戻ってきたのだ。


魔物達の央都への一斉進行

フォルデロッサこそ辺境の為少なかったが、暴徒の一斉暴動の決起

その暴徒達が扱う、この町でもあった花香の毒を用いる犯罪行為

そして、密かに央都から東の端へ建設されていた壁道の壊滅


それらを話す途中でニアテルスの演説があったためと、何を察したのか

アエルードを置いて町長が彼の家である館を出ていったため話の腰が折れた

アエルードもシアムークを追ってここへ来たのだった。


「貴様は?」

「へえ、しがない魔鉱工屋でごぜえますぜ。敬語の指摘はカンベンしてほしく

願いますぞ」

「フン、まあ仕方のない。いきなりぶしつけだが、街の案内を願おう」

「へえ。どちらへお行きで」

「この町長の館だ。最も、ここからでは一応見えるようだが…」

「向かう場所は同じようで…町長どの、行きましょうや」

「…くそっ!どいつもこいつも!」


フォルデロッサでもニアテルスの演説も届いていたのか、街と言う街が暴徒が

出歩いている以外閉まりに閉まっていた。その暴徒も少なく、一部非常に

そんなフォルデロッサで


「で、俺さ…自分も入っていいんで?」

「許しを出してやろう…これからいいものを目にする事になる筈だ」

「…」

青い顔で周囲に目をやっているシアムークをよそに3人は町長の館の中へと

入っていく。

ギシ、ギシと音を立てて階段を上り「ここだな」と2つの部屋の扉から見て

左上にある装飾を確認したニアテルスは、扉と扉の間の壁を押しながら、

奥の方の扉の上にある装飾を触れる。するとガガゴン…と言う音と共に

扉と扉の間に道が開かれた。「ほほう」と感嘆をもらすアエルードとは

対称にシアムークは目をつむり祈るように体を震わせる。


その道を迷わず進んだニアテルスは隠されたその部屋に足を踏み入れ―

「な…」

絶句した。そのニアテルスが当てにしていた聖遺物―アルクの鎧は大量の

【土気色をしたそれ】で汚れ錆びれ果てていたのだ。


「これはどう言うことだ!?」

「ひいいい!申し訳ありません!」

シアムークが言い訳するよりもまた予期せぬ事態が転がり込んでくる。


「オイコラぁ!クソォ!今日もクソしてやりに来てやったぞ!!」


館の外からまるで聞き覚えのある口調の、しかし音程が違う声が轟いた。


「今の声は…?」

「あー…あの嬢ちゃんか。よりにもよってこんな時に何をしに来た…」

ニアテルスが館から外へ出てくると、一人の少女がいた。目つきが鋭く

見るもの全てをそれこそ憎んでいるかのような目とニアテルスの視線が

一致する。


「あん?」

「フム?」


そして、彼らはであってしまった。


―act29へ続く―





ここからが本当の地獄だ…何をとは言いません(笑)


次回のact29は今週末に出せたら…良いなあと思いつつ。

あ、明日の11月10日9時までにここを見とくと幸せになれるよ!(何

ドヤ顔にイラッと来るのだけ注意!…ああ、やっぱり今回も駄作だったよ

そうだな次はこれを見てる他の人達が何とかしてくれないかな(遠い目

挿絵(By みてみん)

ついに最終激突!クライマックスまで秒読み開始!待ち受ける戦いの時

暴かれる真実、そして懐かしき影…少年少女達の物語はここで一旦幕引きと

します。どうか楽しみにお待ちください



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