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act21:決行「オワリへのハジマリ」

お待たせしました。8月末までに投稿で来てよかった…

次の話からいよいよ帝国内の何かが動き始めます。

皆の思惑をきちんと描写できていたらいいなあ…と思いつつ


今回も楽しい読書の時間である事を!


前回までのあらすじ

ベゼグ:そりゃ知り合いに止められますわ」

マイクス:久しぶりの出番があれだけとは…」

アエルード:どこもかしこも」レフィーア達:妖怪幼女BBAのせいで…」

ニアテルス:君達に任務を言う事になる」

ヒビキ・エルゼス:セルアには後で伝えないと」


本日のサブタイトル追加:指令、そして反逆は開始される

ニアテルスはヒビキとエルゼスに向けてこう続けた。


「エッチェンバルグ中佐殿から聞いているだろうが、再び巨大魔獣が央都の

真西―エピラフの森で発見された。巨大魔獣の正体を軍は把握していたが、

民間にも被害が出ているようで、早急な対処が望ましいとのことだ。悪いが

君達にはこの化け物の対応をお願いしたい」


エルゼスとヒビキは目配せし―向きなおった後にヒビキが口を開く。


「その方向は前にも巨大魔獣と呼ばれる魔物が出現したそうですが、今回の

対応についての詳細はおありですか?私達は軍の中でも極少数の部隊なので

他の体と同じようにはいかないと思われますが」

「その通りだね、それに不測の事態もあっては困ると言う事もあるだろうから

次のような特例が下った。未だ軍としては一部不本意だそうだが…君達が

各々持つ専用機龍の使用許可が下っている。それならば例え巨大なバケモノや

スミス少佐を相手取るような不足な事態にも対応できると、閣下どのの保証が

ある。それに、後だしで言うようだが私の方も再び央都から発たねばならない

から、援軍は期待しないでくれ」

「―?前にも出たのですか?」

ヒビキの問いにニアテルスはうなずき言う。


「スミス少佐が手こずっていた魔物が出ていたとの報告があったのだ。君達も

憶えがあるだろう。アスカレナ中佐の特務隊調査任務の同行を一時外した

あの用事だ。私とて央都での仕事だけをしているわけではないが…」

「覚えがあります、テルラスクの量産機龍で西方面へ援軍に向かったと」

「それだ。すまないね、私と少佐、そして軍が不甲斐ないばかりに中佐どのの

力が必要になるかと予めに手を打っておいた結果だったのだ。…だが、今回は

上層部全員で行かなければならない事例が発生している。…若年層の君達には

申し訳ないが、特務隊として本当に失敗が許されない任務も経験できるだろう

機会となったのだ」


そこまで言ってニアテルスはエルゼス達が受ける任務の詳細が記された書類を

渡し、改めて2人の目を交互に髪で隠れていない片目で見ながら言う。


「最後になるが…我ら帝国の力、とくとその不届きな魔物に知らしめてくれ。

準備が整ったら、未だいるエッチェンバルグ中佐かエルシェリッド大佐の元へ

出頭後に出撃するといい。今ならまだ話や援軍も寄こして貰えるだろう」

「了解」


ヒビキはニアテルスの言葉に誠意を感じたからか、敬礼し立ち去ろうとする。

しかし、立ち去らないもう1人はこう続けた。

「すみません、こちらも最後に質問いいですかい?」

エルゼスの視線を嫌そうな目つきでニアテルスはにらみ、正面から受け止める。


「上層部全員が出払うような真似して一体何が起きてるんですか?」

「…2度は言わんぞ。…あの帝国最強が援軍を要請した。書類が今、この私の

手にある」


2人がニアテルスの発言で言葉を失ったのを確認し、こう続けた。


「事態が急ですまないが貴行の力も借りるしかない現状を理解して貰おう。

最後が優雅ではないが、期待させて貰うよ」


エルゼスはまゆをひそめながらもヒビキときびすを返し退室した。そこで

ニアテルスはようやく笑みを浮かべたのだった。



ヒビキとエルゼスが退室し、目の前にいたのはアスカレナだった。思わず

エルゼスはアスカレナの顔―正確には髪形を見てしまう。そんなエルゼスへ

いぶかしげにアスカレナは訪ねた。


「どうした、人の顔をしげしげと見て?」

「…」

エルゼスは無言で腕を組み考えるように足元を見る。いきなり頭をひねり

考え出した。エルゼスが


「どうした?本当に君がそんな考えるような事が―」

「ふと思ったんスけど、なんでその髪型なのかなって」

「!?…ああ、いや、これは、だな…」

今度は意表を突かれて驚いた後、アスカレナの視線が泳ぐ。エルゼスは今度は

正面からアスカレナを軽く見る。しばらく考えたアスカレナは、少しばかり

つたないようにも、こう言い始めた。


「昔…そう、本当に昔だ…お母さ…母上が初めて…私に教えてくれた魔法で…

そのだな…朝1に調子を見る使い方の1つなんだ」

「…」

「た…頼むからそんなにじろじろ見るな!!業務執行妨害で訴えるぞ!!」

「「す、すみません」」


赤面したアスカレナに対してエルゼスヒビキは見つめていたわけではなく

ただただ絶句していたと言うだけだったのだが、アスカレナの剣幕に思わず

身を引いた。因みにヒビキはアスカレナがなぜそこまで強く反応したのか

知らなかったのだが、アスカレナはそういうのをお構いなしにしたと言う事を

失念しながらも目的である2人が出て来た扉に手をかけ

「あ、そういえば」

「まだ何かあったか!?」

エルゼスの言葉に声を裏返しながらアスカレナはエルゼス達へ振り返った。

そんなアスカレナにエルゼスは首を振り今みたいな内容ではない事を示し、

こう続ける。


「俺らまた任務で…準備でき次第、またヴァルガナウフを発つ事になるんで。

後、この奥の…准将に中佐からも指示を仰いだ方がいいと」

「成程な。…出発はいつだ?」

「今日の内にも。セルアにもこの事伝えて、大佐の所にも顔を出してからに

なりやすけどね」

「そうか、後でセルアの部屋に向かう事にしよう。では、その時に」


そう言いながらニアテルスのいる執務室へ入っていくアスカレナを2人は

見送った。ヒビキが口を開く。


「どうして中佐は君が言った髪の話題にあんなに過剰に反応したんだ?」

「ええと…俺、髪があんな風になってない中佐の寝姿を見ちまったんスよ」

「エルゼス、淑女の秘密を知った代償は―」

「カンベンして下せえ、てかそれは無限にくり返されそうじゃねーですか」


何かに付けて自分のとんがった髪に執着を持ってしまった隊長にエルゼスは

死者もかくやという顔で目を合わせた後、セルアの部屋へ向かうのだった。



話は少し前にさかのぼるよ。葬式で姫様やゼス君、少将のおじいさんに

マイクス先生が去った後のこと。私は一人お父さんの墓を前に、待ち続けて

「やあ、テルラスク卿」

「ヴォーゲ准将…」

その人はようやく現れました。あたしはこの人をずっと待っていたのです。

ニアテルス准将さ…ん。どうせ頭の中だけならいいでしょっ!!面倒だし!

それはともかく、1つだけ考えていた事があって。


私が准将さんの方へむいたのを皮切りに頭を下げてこの人は語り出します。

「今回の1件は対処がおくれたせいでこんな事になってしまい、すまない」

「…はい」

「耳にタコかもしれないがこの国の貴重な人材の1人がこの様な不始末で

失われてしまったのだ。悔やんでも悔やみきれないもの達は多かったろう…

実際、私もこうして遅れながら1人でしかと彼の無念を供養しようと来た

次第なのだが…」

「…はい」

そう少しだけ人形のように大人しくしながら、あたしは内心で首をひねる。


何で?


何でこんなにもこの人の言い分があたしの心に入ってこないの?


この人の言葉が何か空虚な―全く意味のないモノのように聞こえるのは何故?


そう考えているあたしの不審を知らずか、准将さんは続けます。


「彼はそれこそ機械のようだったが、家族想いといった面もあったのだろう

それこそ普段は執務機械の様に寝ずで何年も作業を続けていたと言う私さえ

真偽を疑ってしまいかねない内容をやってのけるような正に道具のごとく

この帝国の礎にその命途切れるまで最後までなったと言える。君がそれを

知っていたかは知らないが…」

「お父さんは…帝国で骨を文字通り埋める事になったんですね」

「そうだ、な。ああ、そうだとも。彼の眠りが安らかである事を後はもう

祈る事しかできないと思うと、な。私は彼と憎み口を言い合う立場でこそ

あったが……すまないが、昔話はそろそろいいかね」

「雰囲気が変わったようには見えるけど…本当に何だろう)他に、何か?」

「察しが良いようで助かるよ」と前置きし、真剣な雰囲気であたしへ向けて

手を差し出し、准将さんは言いました。


「君を一つ私達上層部に取り立てたい。帝国を刷新する私達の計画にどうか

君の手を貸してほしい」

「―?ええと…?すみません、話が大きすぎて…」

「今現在、政体が不安定なこの帝国を本当に憂うのならば…明日からある

その作戦に、私達と共に来てくれないか」


やっぱり。今のこの言い分もやっぱり空虚に聞こえちゃう。これ程までに

この人は軽い動作ながらも体全体で自分の理想やらを熱く語っているのに

その全てが空っぽのように思えてしまうのはなぜ?


「ごめんなさい、時間は―」

「あまりない。彼の死で私はある事の決起を急ぐ事を決意したのだ」

あ、これ嘘だ。

「君の従姉である中佐も私に付いてきてくれる。決めるなら今日、明日の

内なのだ。…良ければいい返事を期待したい」


そういって准将は去って行きました。それが昨日のこと。


そして今日。遅めにおきたあたしはあたしがゼス君からもらった首留めを

見つめていた。多分、ゼス君かヒビキちゃんがすぐに来てくれる。それを

待っていればいい。


まず結論から言うなら。あたしはあの人―准将さんを止めなきゃならないと

思ったんだ。


何故なら、あたしは昨晩―そこまで考えて、あたしとヒビキちゃんの部屋を

叩く音がします。開けたら目の前にいたのはヒビキちゃんとゼス君でした。

どうにも寝こけてしまったあたしに代わってヒビキちゃんが恐らく上層部の

人達から指示を受けに行ったのかも。


「ああ、セルア―」

「おかえりー。ごめんね、ヒビキちゃん。朝、少し遅くなって」

「やかましくこっち(男性宿泊側)へ、こねーでホッとしたぜ」

「何それー。学生の頃とは勝って違うんだよ?もう」

そう言いながら2人をあたしは部屋の中へ通します。密かにゼス君は今度

風呂でトンガリいじりの刑と心の中で考えながら。


「また指令、聞いてくる事になったのかな?」

「非常事態だとよ。上層部も別の用事で出払うとかで、な」

「私達もそれとは別の方へ対処するよう指令を受ける事になってしまった。

(周囲を1度見回し)エアリシド姫から何も言われてない現状、軍の命令は

厳守しなければな。惨状が現在進行形で作られているともあるらしい」


「中佐や大佐とかも別の用事でどこかへ出張るんだー…分かったよ。所で―


2人とも、もうあたしに隠してる事無いよね?」


そのあたしの言葉で2人は互いの顔を見合せます。少なくとも北東の方へ

向かっている間、あたしをカヤの外に2人で何か考えごとと言うか悩み事を

どうにかしようとしていたのをあたしは知ってた。それがエアリシド姫様の

命令方の見事かは知らなかったけど、あえてあたしはここから切り出す事に

したんだ。


「セルア、それは…」

「言い訳、ダメだよ?ヒビキちゃん」

「おう、セルア。一体何を言い出すかと思ったら、それだが―」

「ゼス君も。理屈で言わないでゼス君自身の言葉でいってね?」

普段強く出ないからか、ヒビキちゃんもゼス君も口をつぐみます。ここは

我を通させて貰いたいから。


「やだよ。もう絶対2人だけ、とかそういうの。例え姫様からのものでも」

「やだって…セルア」「セルア、お前よ…」

「3人で一緒。あたしだけのけ者扱いなんてずるい。あたし達1人1人の

考えならまだいいけど、2人だけとか。お互いに沢山でしょ?」

結局北東の件では強く当たった時もあったからね。それがたとえお父さんと

あたしの問題で、エアリシド姫様が無視できない話であったとしても。


あえて言うなら、それとは別の問題であたしだけ


「1人だけカヤの外はそんな酷いかよ?」

「それは私達が引き起こした結果で…」

「うん、2人とも酷い。だから今の内に言っとくね、ヒビキちゃん」


「あたしのゼス君一人でいいようにしてたツケ、いずれ返してもらうから」


そういってあたしは二人にいたずらが成功した子供みたいに笑って見せた。



「そしてあちしのタ「我が世の出番が来たああああああああ!」あちしの

時代は終わったクマー!?」

その部屋は始まりからして混沌としていた。セルアと話をし合流した特務隊は

出発の準備に大佐が率いる隊の宿舎を訪れた結果、眼前で展開された惨状に

言葉を失った。通信機やら書類の山やら計算機が散乱しており、部屋内の

どの辺りがどのように区分けされているのか全く判別できない。そしてその

多忙業務をほっぽって2人が特務隊をカオスに出迎えた事で恐らくもう色々と

手遅れなのが察せれた。


辛うじて初めに動いたのは部屋の隅っこでヒザを抱えうずくまっている影―

アスカレナを見つけたセルアだった。


「ちょ、ちゅ、中佐!?一体何があったと言うんですか!?」

「私もう疲れたよ…もう…ゴールしても「させるかぁああああああ!」…

今のは少尉か?」

「アンタが終わっちまったら貴重な良識人減っちまうんだよ!考えろや!」

「……生かされた奴隷か……」


少し立ち直ったアスカレナをセルアは確認し、今度はベルクへ向き直った後

こう言う。

「もしもーし、ぐんそーさん」

「おおう!何ぞルアっち!?」

「その一本毛生えないよう体の中いじくろ「わかった、わかりましたから!

中佐にしっかり謝るからアチシの命だけはカンベン!?」ん、今なら許すから

中佐の弱みになってるんだろうモノをこっちに寄こして」

「おおう、やはり来たか。しかしそう簡単に「そう、ならぐんそーの魂は―」

いえすいまえん、調子ぶっこき過ぎた結果ですhai」

「ベルっち転身早っ!?!?だがしかし、このオレっちという砦が「大佐。

俺と少し【遊ぶ】かい?」待て待て、話だけでも聞いておくんなまし!」


ここまでペースを全く乱す事無く相当なハイテンションでファーニフアルと

ベルクはまくしたてる。ただ、ベルはセルアにあるものを寄こす。それは

何と…

「こんなのいつ描いたの!?」

セルアがそれを見て声を上げるのもうなずけた。そこにあったのは朝方に

眠気なまこで起きたアスカレナの姿を絵にしたものだった。しかもその髪は

エルゼスが見た通りらせん状になっていない状態だったのである。その時の

痴態とも言える姿をものの見事に絵にしたものをよりにもよってこの2人が

手にしていたのは、アスカレナにとって腹さえ切りかねない思いをしたと

推測できる。


そしてファーニフアルのダダにも似た言い分がひびく。

「だってオレら何か最近まで空気だったじゃーん、少佐共々って言うかー?

「大佐ぁ!」おっとどうしたいベルちゃん!!何か虫みたいな姿勢にまで

なっちゃって!」

「あちしに発言権を!そして、他の大佐の部下の出番を!!」

「だってねぇ皆警備及び商業区巡回に行っちゃってるし、オレっち達は

出発ギリギリまで調停部のしわ寄せとかの始末までしなきゃあかんし!」


「「とりあえずどっちもどっちでいいですか(い)?これ以上何言ってても

全くもってらちが明かないし」」

「「突っ込み、どうもありがとうございました」」

ようやくやかましい執務室がおさまった中で


「もし、中佐。少しだけお耳をいいですか?」

セルアは部屋の隅でアスカレナに話しかけた。

「?一体どうした、テルラスク伍ちょ―」

「【お姉ちゃん】、いけない真似は…メ、だよ?するようなら…」

そう言いながらセルアは

ぐっ

音を立てながら握りこぶしを作り、がく然とした顔の従姉の前でこう続ける。

「【ちょうどいいの】が、余ってるから」


アスカレナは何も言わなかった。何も言えなかった。そして従姉妹同士が

会話している間に、情報の共有と話し合いも終わる。その結果、ベルクが

再度特務隊の支援をする事となった。物資などは近場の出撃なので最小限に

各都市からの支援を指令した書類もヒビキが鞄に入れる事となった。有事の

際は北西にある都市へと離脱する事も考えた結果だった。


そうして準備は整い、最終的な持ち物の点検に集合した中でベルクが言う。


「近場だからねん、私の機龍はお休みなのよん!あちしの剣技に惚れな!

みたいなー?…と言うのが本日の私のアイディン・ティ・ティ!…まあ、

今日の所はエクスド君と姫様の機龍に、えーと…「アロルーです」その子は

連れてける場所じゃないものねえ、央都真西に広がってる樹海だし」

「聞く所によると暴れているのは1体だけだと言う話だそうだ。どうやら

被害は幸いと、討伐に向かっている者だけが大きいらしいが…」

「何にせよ、暴れてんなら力づくでも大人しくなって貰うだけだろ。詳しのや

細けぇのは後で考えりゃいい」

「もう少し言い方と言うのが欲しい所だが…まあ、兵装や準備も整ったし、

油断せず行くぞ。樹海内で起きる事は学生時代の課外授業で習ったな?」

「俺でも忘れてねーですって。セルアはどうだか分かんねーですが」

そういってからかうエルゼスの下に何か言おうと向かおうとするセルアを

複雑な表情で見ていたアスカレナは迷った末彼女を呼んだ。


「セルア!…伍長」


ベルク・エルゼス・セルアがアスカレナに視線を寄こした。その誰もの目が

アスカレナに集まる中で、


「その…気を付けてな」


そのぶっきらぼうにそっぽを向いた従姉へセルアはニヘラと笑顔を作って

腕を振りながら北西側の門砦をヒビキやエルゼス、ベルクの元へと危なげなく

駆けていった。アスカレナは最後まで目の端だけで見送った。



「行ったみたいじゃの。監視役も付けたそうじゃが?」

「どうなるかは分かんないですよ、少将のダンナぁ。オレっちは別に軍曹の

行動を命令したわけじゃないし、ね~。身の上は分かってるとは思うけど」

「ずい分と部下を好きにやらせているようだが、大佐。それは君の人望が

成しているものかな?」

「褒められても何に持出ないよ准将のダンナ~(くねくね」

「うれしいのは分かるがその動作は止めてくれたまえ…」


「スミス少佐は?」

「枷を外してきたよ。恐慌状態だったけど乗ったら一発で飛んでったね~」

「彼もまた一つの大役を担わせた。…まあ、そういう使い方しかできないとも

いえるが、1度世界をスッキリさせるためにもな…」


「んじゃ、行きますかいダンナ」

「後はしかるべくして成すまでじゃの」

「では行くとしよう…支配に相応しき者たちの未来のために!」

「…はい」


(そう考えてるのはレナちゅわん?とあんただけかもねー)

(かの。かく言うワシらは興味本位半分でもある事じゃし)



彼―ドールモート・ファルチザンはただ、悠々と崖と森の境に立っていた。

何か思う所があるのか空をにらみ上げている。普段感情が抜けているような

無表情の男が苛立ちもあらわに空を見上げているのは珍しいとも言えた。


そんな彼の足もとには、先程まで生き物だったらしい巨大ななきがらが

何分割かされ転がっている。最早ドールモートにこの巨大な魔獣は眼中にさえ

無いようだった。その【化け物達の残がい】を見ればニアテルスやニアテオ、

上層部の者達がどれ程彼に及ばないかが良く分かる惨状だった。


彼―ドールモートに【数】と言う言葉は関係なかった。必要なのは【強さ】。

そして何よりも―


そんなドールモートのいる場所に、【彼ら】が現れた。


ザッ


足音にドールモートは視線だけ軽く寄こした。そこにいたのは


アスカレナ、ベゼグ、ファーニフアルを率いて先頭に立つニアテルスだった。

完全に武装し、切っ先を今にもドールモートへ向けている。


それをただの風景でも見るかのようにぼんやりと見上げたドールモートとは

対照的に


フフフフフハハハハハハハハハハハハハハハハハ…!!!


その渓谷にニアテルスの勝ち誇る笑い声がこだました。


―act21に続く―


ちなみにまだ途中ですが文面改稿は投稿と並行して、引き続き行います。


次の投稿は9月8日を予定します。出来ればそれより早くは出したいと

思いつつ、期待してお待ち下さい!

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