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act15:報告前祭「ネズミトリ」

お待たせしました。それとこれから、色々と修正に入ります。サブタイとか。

それはともかく、今日も楽しい読書の時間を!


前回までのあらすじ

ペルリア:モフモフ、幸せ」「エルゼス:いい妹代わりがいて助かる」

セルア:なでさせてー」「ペルリア:絶対やだ」

ベル・アル:オレ☆参上!!」「エルゼス:商業都市のいい中年共が~」

セルア:メインヒロインないがしろの」「エルゼス:ツケが来たってのか…」

モルドス&セヴァル:消えろよ、ザコが」


本日のサブタイトル追加:「央都帰還、せまりくる時、暗殺開幕」


注意!:今回も一部15才未満の方々お断りな残酷な表現が文内にあります。

14才以下の方や上記の内容に嫌悪・抵抗のある方はページを閉じるのを強く

すすめさせて頂きます。


元よりセヴァルは消されるどころか消すつもりでいた。彼には冒険者として

乱世を旅した経験を有している。彼らが生まれた世は文字通りの乱世だった。

帝国は設立しておらず、


生きるために何でもした。殺し、殺されかける羽目に会い、殺し殺し殺し続け

殺し付くした果てに手にしたのは病床の思い人だった。自身の立場を安定させ

一度命を狙われた刺客と平穏に過ごそうと戦い続けた結末の先にいたのが―

帝国を生んだ魔姫、エアリシドだった。そして、それがセヴァルにとっての

天運だった。


彼女に仕え、人事や―政:まつりごと―を尽くすのを自らに課す一方で妻を

病から救うべく奔走した彼自身も、魂が魔力でさび付いたあわれな男だ。


が、戦いに身を置いても結局その記憶を皮肉にも思い出す事も無く。動くまま

セヴァルはモルドスに接近し目にもとまらぬ速さで首と頭をわしづかむ。


ギョキィ


にぶい音を立てて老人の顔が400度程回転する。余りにたやすい。その

違和感さえ切り捨て、ただ淡々とあらゆる所を曲げていく。念には念を入れ

始末するのは本能的にネジ曲げているそれが生きていた場合を考えてか。


ゴキメキョメキャメキャメキャ


まるで何かとち狂った芸術家が作ったオブジェみたいに、老人の体が歪む。

ここまで反応がないと、逆に恐ろしいだろうがセヴァルは気にせず、そのまま

折り曲げを継続し、それこそ体の形が球状にでもにでもなろうとした時。


「ホ。連れませんなあ、高々人殺しをした程度の攻撃で終わるのですかな」


セヴァルがネジ曲げた状態のまま、モルドスが言葉を発した。手を止めた

セヴァルは再度続けながら淡々と言う。意味があるはずもない事実をただ

確認するだけのようだった。


ゴキゴキメキョメキョゴキャメキョボキョモギョ


「肉体が意味を失くしているのか」

「理解してなおも繰り返す、度し難い程の人形のようですなぁ。ホホ」

「ならば死を認識するまで壊しつくす」

「ホホ。それは無理ですよ」


次の瞬間モルドスだったものはふくれ上がる。文字通りまるで空気を入れた

風船のごとくふくれ上がったモルドスから軽い身のこなしで飛び、城のの外へ

向かう窓を破りながらセヴァルは距離をとり―


そのセヴァルとモルドスがいた一室を黒い爆発がおおい尽くした。



キロメに留守を頼み、私はカゴをもって歪んだ囲いの門を開けます。すると

見知った顔を見かけました。


「あら、アエルードさん。どちらに行かれますの?」

「おお、エノリークのオカミさんや。オレ様ぁちょっち北の方いってくるぜ」

いつもと変わらず、汚れたツナギを着こなしたアエルードさんですが、今日は

ペンチではなく自分の体と同じくらい大きい斧を背に持っています。私は首を

かしげながらたずね返しました。

「北の方ですか?」

「おう、最近トンデモねえじひびきがあったろ。伝って来た方角ぐれーなら

オレ様とかでも分かるんで、何があったか軽く様子を見てこようと思ってよ」

「そう言えば、昨晩はおどろきモノでしたね…一昔ほど前はそんなのは日常の

1つでしかありませんでしたが…」

ガハハと笑いながらアエルードさんも私の話に乗ってこう口にします。


「時の流れってなとらえ難いもんだよなあ。オレ様だって、今日と言う日まで

生きてるかも分からなかった時代だものな。それはこの町の大半も、同じ事が

言えるんだろうけどよ」

「エルゼスがそれこそ出てきて暴れる度に、街はまるで革命が起きたみたいに

さわぎだす日もありましたけど、あの日さえ本当に可愛いものですものね」


今でも、エルゼスが中学生くらいの体になってから2度目に家を出た日の事を

鮮明に思い出せます。あの子はその日から本当に無茶をする子でしたもの。

キロメが来る前から色々と目を付けられる子でしたけど、誰にもさげすまれず

あの子が思う通りに成長した事にはホッとしています。少しばかり―奔放:

ほんぽう―に育てすぎた気もしますが、素直に育ったのはいい事でしょう。

学校に行くと自分から言ったように目的も持って―フォルデロッサ:街―を

出ていくあたり、勇ましさもあの人から受け継いだようです。


やはりエルゼスを変えたきっかけは赤い髪をしたあの家族でしょうか。まだ

フォルデロッサが村と呼ばれていたこのような辺境を訪ねに来た彼らは、あの

人の話を、数日の間だけ語ってはいい食物を言えにまかなって下さいました。

あの頃は私も家にこもる事しかできなかったので、大変助かりました。あの

方々が出ていってどうなったかは分かりませんが…あの時から、様々な何かが

動き始めた気がします。と、思い出しはそれ位にして。


「あいつは今頃何やってるかなあ…って言っても学業に……あいつが普通に

んな事に勤しんでるはずがねえと思っちまうのは理不尽か?」

「それはどうなのでしょうか~?エルゼスは私達をアッとビックリさせる位

凄い事をしているかもしれませんよ…?」

そこまで言ってふと首をかしげます。私の家にはあるモノが央都と呼ばれる

エルゼスが移り住んだ場所から届いていた気がしましたが…それをまるで

私に思い出させるかのようにアエルードさんがこう口にしました。


「そういや、何かオレ様んところにも何か用があるとか言ってなかったか?

この前よ」

その言葉にしばし私は考えこみ、ハッとして声を上げます。

「ああ、うっかりそちらへある物を渡すのを忘れていましたわ。後で届けに

家の方へうかがいますね。本当にすみませんわ。楽しみにしていて下さいな」

「おう、楽しみにしてらぁ!」


最近のほほんとし過ぎている気がします。キロメはああ見えて【ある一点】を

除けばまともに育ってはいますし、エルゼスが出ていってからほとんど毎日

変わらない日々に気が抜けていたようです。ある意味十数年前が私達が一番

慌ただしく感じた、しかし実りのある日々だったのかもしれません。


「少し…慣れすぎたのかもしれないわね」


私の初めてをうばったのは―誰かさえも分からない時代に生まれたのに。


エルゼスにとって女とはどう考えてもよく分からない生き物だった。


元々、人の存在をありのまま映すのがエルゼスやネーペルリアの中にある

タチだがそれは子供のころからの疑問でもあり、今もなお首をかしげるのが

大抵で似た者は本当にそれこそ…少ない。最近になって見つけたモノがある。

ヒビキとアスカレナは体型こそ全く正反対と言っていい程違っているが、

まじめな性根はまるでまる写しのように似ているようだったり。それこそ

別々の体つきなのに似たような性格の人がいたりと。


ある意味、エルゼスは女そのものと言うより命がどう言ったものなのかと

みてしまう時があった。「しまう」と言ったのはエルゼス自身の年相応に

物事を考えればいいのに無理に視野を広げようとしているからでもある。


彼自身が振り返れば思うようにエルゼスは様々な人間を見て来た。


母と娘そろいもそろってクソが口ぐせな女性

暗さをどこかひめた自分の母親や幼い日の思い出

軽く性格の違いはあっても心根は優しいドワーフの兄弟

故郷でし返しを成功させ、その報いを妹が引き継いだ同年代の奴ら

陰口を叩く事しかしなかった故郷の大人達

結局何の接点も無かった数ヶ月程度のの付き合いしかなかったクラスメート


異国から着て学校では委員長、軍内では隊長となったセンパイ


同じ目的のために動く女性とお付きの少女となった獣


再会していい顔がまえになっていた同年代の男女達


友人となったエルフ

機械のような面をしながら内面が実際は分からない男

それこそ存在そのものが希少で我がままな魔の姫


生まれた時には重傷で言葉をあまり交わさなかった父親


復しゅう相手



これから会う十人十色な上官や普通に働いている軍人達


それこそ、様々な人に会う。これから、どんな人と会いどんな人生を歩くか

全く予測しようがない。


そして目の前にいる、恐らく今まで会っていない中で一番予測できない女性―

セルアをエルゼスは見る。


夕刻。誰かが心が優しくなる時間だと言っていた。夕陽とその反射できらめく

川や岩場はまだ、残っていた。


カンカンカン…


近くまで工事の手が行きとどこうとしているらしくその音が近くの小川から

こぼれる神秘の音をかき消しつつあるのが残念だった。


初めに口を開いたのはセルアだった。


「こうして、2人で話できる事少ないよね。あたし達」

「何か関係があるってわけでもないけどな…初めて会った時以外も時々は

あったが」

「誰かしらいたもの。この前だってエド君がそばにいたし」

「それじゃあ初めて会った時も違ってきちまうぜ」

「え?あ…」

「見つめ合ってただけじゃん、オレ等2人だけの時は」

そうカラカラとからかうようにエルゼスは笑う。それにつられてセルアも

丘に座りながら「あはははははっ」と笑い転げるように笑った。セルアが

腰かけたのを見てエルゼスも適当な所に腰を下ろす。雑草が柔らかい緩衝物と

して2人を受け止めた。セルアは続ける。


「あのね」

「おう」

「ゼス君、押し倒しちゃう」

「は?なんだそりゃ?」

「多分、あたしがあれに会うと言ったらヒビキちゃんもゼス君も間違い無く

止めるでしょ?多分…ね、その時あたしは2人の事を押し倒してでも向かい

合わなきゃいけないと思うんだ。それがどんな―」

「ああ、そりゃねえよ」

「はへ?」

エルゼスのきっぱりとした否定に今度は目を丸くしてセルアが見返す。そんな

セルアにエルゼスはこう答えた。


「壊すしかない作業だったら、お前がやる必要もねえだろ。セルア自身が

やらなきゃ気が済まないとか言うならともかくとして、アホらしい作業だけに

お前の手をわずらわせたくなかった。…それが本当にただの作業ならな」

「それって?」

「セルアは絶対、あの無表情決め込んでるヤロウと相対しなきゃいけねえとは

俺も考えてた。何か…何かあればあの間抜けそうな無表情ヅラがバッサリと

壊せちまえそうな予感がしてな」


確証はエルゼスにも無い。しかし、それをあるだけのものはエルゼスと彼女と

人生の半分を過ごしたヒビキが持っている。だからこそ、とエルゼスはこう

続ける。


「それだけは間違いねえ。そこで裏切るくれぇ手の込んだ悪戯だったら余りに

悪質な軍へのあて付けになっちまうだろうしな」


街ぐるみで軍人に偽の情報を与えるとかはないし、何よりエルゼスがその話を

聞いたのは街でセヴァルの事を一番よく知っているセルアの小父だ。そんな

子供だましで益を得られるとは思えなかった。


「それで、話は変わるんだけど」

「あん?」

「ゼス君って結構抜けてる所あるよね。あたしに限らず」

「あ゛あ゛?」

「怖い顔しないのーしても事実は変わんないもん。あたしに何か用があったの

すっぽかしたんだから」

「このヤロォ…」

「ヤロウじゃないもーん、まだ20いってないお嬢様だもーん」

「ヤベェ、すげぇ否定したい。それ…」


しかしそれ以上エルゼスは言葉にならなかった。恐らく初めて言い負かされた

エルゼス頭をワシワシとしながらなおもこう口にする。


「あーったく、コンチクショウ。…渡すか迷うだろ、これは」

「アハハハハッ、ホントそんなふんいきじゃ無くなっちゃったね」

「誰のせいだよ…ほれ」


そういってエルゼスは何かをセルアへ投げ寄こした。


受け取ったセルアの手の中にあるのは首に付ける形の何かだった。留め場所の

横には何か丸い装置が付いている。


「これは?」

「これからもどうかよろしく、って言う意味も込めてかね。どっちか言うと

俺等の方がお前に付き合わされることになるんだとは思うんだけどよ」

「それって?」

「オレは最後までセルアの復しゅうに付き合う。その意味も込めて、だ」

「どう言えばいいんだろう、それ…」

「お前みたいなアーパーは最後まで笑っていて貰った方が色々幸せだろ?」

「もう、何それ」


(こいつの笑顔だけは絶対に守る)


「ねぇ…ゼスく―」


セルアが何か言いかけたその時。


フラ…ズシャ!


物音が聞こえた方へ2人は振り向く。そして


「「…!?」」


エルゼスとセルアは2人して硬直した。その相手は、そうなるとは全く

思わない当人だったからだ。しかし、事実その人物の体中にできた傷から

流れる血が彼が傷ついたという事実を示していた。そんな小柄な体を更に

ヒザを尽く事で小さくした男は息も絶え絶えにこう言う。


「よぉ、お嬢にボウズ…逃げた方がいいぞ、今…―央都:ここ―からな」



「…見つかるのは時間の問題か」


血を流しすぎたとセヴァル自身でも分かった。感情が無くなったからと言って

息が上がらない体になったわけではなかった。セヴァルは息を無理に殺し、

【排除対象】の気配をうかがう。


爆発の後、誘い込みや囲いなど様々に利用できるモノが沢山あるこの場で

即興の罠を幾つも編みだした。網の格子で作った茨道や、ドラムの水や

それごとを投げ飛ばして追いつめよう頭ともした。


そのあらゆる手を【排除対象】は【質量を無視した強大な何か】で簡単に

叩きつぶした。何かと言うのは何かと言うしかない。体の一部を何か巨大な

気体のように振りかざしたそれはやりたいように振りまわしたのだ。


しかもそのことごとくがまるで意味を持っていないかのようにただ悠々と

【排除対象】は破壊した場所すらも何の警戒も無くゆらめくように通過する。

仮に罠があってもそれごと取り込むかのような余裕すらうかがえた。


そして今セヴァル内の万策が尽き、それでも淡々と小手先の罠を張ってでも

【排除対象】を少しでも止めるべく動いているが。


「…ルー…!…かやー!」


聞き覚えのある、しかしどこか違和感がある声にセヴァルはハッとする。


(姫様…?)


声を上げようとしたその時それは視界の中に飛び込んできた。火と煙に加え

騒ぎまで吹き荒れているこの軍備工築区に。


「イクナ!イクナ!」

「アレハチガウ!アレハチガウ!」


口口にさえずっているのは2羽の鳥だ。どうやら煙や火の手が立ち込める中で

セヴァルを見つけて降りて来たようだった。


「なんだ…?」


そんなセヴァルの様子を気にすることなく小鳥たちは声?を発する。

「ハシレハシレ!」「ニゲロニゲロ!!」


結論から言うなら。最早セヴァルは自分が何をしているかすら忘れた。


「ソコヲミギダ!ソコヲミギダ!」「ソノナカニニゲコメ!ニゲコメ!」


「うるさい黙れ…!!!」


セヴァルは混乱していた。実の娘に壁に叩きつけられ圧死しそうになった時も

まゆ一つ動かさない、何も感じない機械のようになったセヴァルが声を荒げ

意味をもつかも分からない鳥のやかましい鳴き声?に振り回されている。

そして入った一室で、セヴァルは見つける。


「…」


【それ】は組み合わさった状態で悠々と立たされていた。セヴァルはそれを

ただ見ながら下半身から崩れ落ちる。体が、もはや限界を訴えていた。


多頭のように見える鳥頭の両わきに付いた角獣と毛牙獣は、武器でありながら

口を閉ざしている。3重に張られた鳥と蝶・角虫の羽にはアカナチにおける

変則軌道へ迫るとも劣らない機動力を有するよう付けられた飛行推進装置が

取り付けられている。そして


「―」


キィと音が発つ。セヴァルが入ってきた場所とは反対方向。【排除対象】と

思ったセヴァルはただ淡々とその扉を見上げ―


炎渦巻く軍備工築区の中で、親と子は再会した。


―act16に続く―



次回投稿は7月の3日を予定させて頂きます。お楽しみに


それと最早おまけのようなものですどうぞ!!


挿絵(By みてみん)


うん、ツヒオリメもリメイクか描写変更どうするか迷い中なのですわ…

精進します


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