表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/64

act14:帰還「そして暗雲は立ちこめる」

前に引き続き投稿遅れて申し訳ありませんでした…後は心配ごともある通り、

最近そう言った子供やら女性やら狙う事件が多発してます。

文で表現したモノと言う事を忘れてはならないと常々思います。


読み物は読みもの、現実の犯罪は犯罪、ダメ絶対。と言う気持ちを忘れずに

今回も楽しんでいただけたらと思います。


さあ、今回はエルゼスの復しゅう第2ラウンドのスタート!特務隊が手にした

調査報告、そして央都の動向やいかに


前回までのあらすじ


アスカレナ:無理難題送るよ(^^」「軍官:ヤロウオカシタロカァー!」

軍官:残念!」「ヒビキ:君の冒険はすぐに終わってしまった」

エルゼス:ヒャッハァー!…言う気にならねえ」「エクスド:グル…」

レイア・ペルリア:邪魔なの消して幼女とシッポリ」「ピア:汚された…」

レイア:これで信用…」「エルゼス:得られるわきゃねーだろおお!」


本日のサブタイトル追加:「央都帰還、せまりくる時、暗殺開幕」


「エルゼス」


要塞・砲撃型試験機の内部。後は央都へ調査結果を持ち帰るだけとなった

特務隊の3人に監視役・引率の2人、そして客人の2人が各々に過ごす中で、

エルゼスにペルリアが話しかけた。


「どうしたー?ペルリア…」


エルゼスは気の抜けた返事で彼女に答える。ベルクの機龍に戻ってからは

ネーペルリアの肩車からは解放されたものの、今度は席の方でヒザを枕に

使わせて貰うようねだられたのだ。未だに怒っている様子のネーペルリアに

エルゼスは答えてから、数分後。何度か読み返したフレミルからの本を軽く

開きながら、エルゼスはネーペルリアの話に答えたのが先程だった。


「あの子…最後の、都市に、いる子。会わなかった?」

「いや…誰の事だ?」

「ん…ええと…あたし、エルゼスの…見たから。去年の、冬…あった子」

「お姫さんに懐いてたあいつか」

ポンと手を合わせてエルゼスは言った。エルゼスはあの都市に彼女が半ば

幽閉されていた事を知らなかった。そして、あの少女の事も周りにいる皆と

比べてしまうなら、心配していたわけではなかった。


「あの嬢ちゃんなら、元気にやるだろ。…その点では嘘はつかねーだろ?

あの人も」

「…ん」

それにネーペルリアはうなずいて、改めてエルゼスを呼ぶ。今度は枕にした

エルゼスのヒザから軽く身を起して言った。

「エルゼス」

「今度はどうした?」

「悲しかった、かも、だけど。昨晩…あった事、悔やみ、すぎないで?」

「…」

エルゼスは前の席に立てかけ読んでいた本から視線を外し、ネーペルリアの

顔をまじまじと見つめる。せつない顔だった。ネーペルリアもエルゼスが

昨晩やった事への感情を感じたのだとすぐにエルゼスは察する。


ポン


エルゼスはネーペルリアの頭に手を置きながら礼を言った。

「ありがとな、ペルリア」

「えへ」

すりすりすり

なでなでなで


いつも通りと言っていい2人となる。ある意味、血のつながった兄妹より

エルゼスとネーペルリアは家族に近い関係だった。お互いの中にある生まれた

心の形。偶然にも共鳴した2人の心はどんな時でも心のはしで、思い合う

ある種歪んでいるとも言える、想い合いだった。それでも2人は今こうして

2人とも穏やかな時を過ごしている今が幸福だった。


ただ、その2人の状態を故意では無くとも変えてしまおうと思う影が1つ。


そ~


ネーペルリアがエルゼスのなでられ、気がゆるんでいるのを狙っただろう、

セルアの手がネーペルリアの背後から忍び寄る。しかし、それに気付かない

ネーペルリアではなかった。


ガブ!!!


ネーペルリアは セルアのだきつこうとした手に かみついた!

つうこんの いちげき!


「ニャァ―――――――――――――――――――――――――――ッ!」


セルアは ねこのような ひめいをあげた!!


「…平和ダナ」

「…オッシャル通リノヨウデ」

(オイコラ神様このあちしがからめないじゃない、どないすんのこれ!!)


それぞれがそれぞれの過ごし方をしながら日が一番頭上に差し掛かる頃。

彼らの帰還場所である門砦に囲まれた―央都:ヴァルガナウフ―が数日前と

変わらない様子で見えてくる。帰り道も特務隊の道行きは平和だった。



「ベルちゅわぁ~ん」

「ニフアル大佐ぁ~」


読み物にある生き別れの兄妹が再会したかのようにファーニフアルとベルクは


「シャイニング丸投げええええええええええ!」

「踏ん張りきれなかったかああああああああああ!?」


抱きつこうとしたファーニフアルをベルクが何かの受け流しじみた技で空中へ

放り投げた。が、「シャキーン!」と声を出しながら体勢を立て直すどころか

空中歩行でベルクのすぐ近くへ着地すると


「「アルベル見参!!:そろって妙なポーズ」」


「「マッタクモッテワケガワカラナイ」」

「ほへ~(なぜか拍手した後)でも、何か人数足りない気がするんだけど」

「「ゲハァア!!!!!:2人して血を吐く」」

「チヲハイター」

「ハヤクアヤマッテー」

「ええと…血を吐いた大佐や軍曹よりも、心ここにあらずなヒビキちゃんや

中佐の方が重症な気がするのは気のせい…?」


いつも通りなら灰色に燃え尽きているようなアスカレナとヒビキにフォローを

入れるのがエルゼスの日常となりつつあるわけだが、


「…やべぇ」


今のエルゼスにそんな余裕は実はなかった。央都の門砦をぼう然と遠い目で

見上げながらエルゼスは内心で汗を流していた。思わず誰にも聞こえないよう

つぶやいたのは、ある意味まだ心に余裕がある証拠か。


―央都:ヴァルガナウフ―を発つ前買った贈り物を、セルアに渡しそびれた。


このままでは再会した友人―フレミルに笑われてしまうだろう。それ以前に

このまま軍部の方で寝泊まりしていたら、更に渡す機会を失うのではないか。

エルゼスがそう考えこんでいると、横から声がかかる。


「エルゼス」


アスカレナとヒビキが彼を呼んだようだった。2人の下に歩み寄り訪ねる。

「どうしました?隊長」


先程の門砦前であった、妙な空気から逃れて来たのかアスカレナもヒビキも

本調子ではないが何とか我に返ったようだった。2人はこうエルゼスへ口に

する。


「セルア達との話だ。もしかすると軍部の報告で、彼と会う可能性は無いと

否定しきれないからな。事実、セヴァルは王城から出た様子がないそうだ」

「めずらしい話も聞いたがな。何でも、機械のようなあの男が眠っているのを

何人か見かけたらしい」

(眠った…?普段は寝てねえってのかあいつ。大体やった本人は察するが)


「まあ、そこは置いておくとして…本来の任務は果たせそうだが、私達が」

「それなら、あんまり問題は無いと思いやす。俺も―セルア:あいつ―に

付いているつもりだし。あっちの男の方は…何考えているか分からない所が

あるみたいなんスけど」

エルゼスはあえて楽観した意見を返した。セルアをつまらない事で―自棄:

じき―になるような状態に追い込まないためにもブレーキ役として他でもない

エルゼス自身がそばにいた方がいいと考えた結果だった。


「ずい分…自信ありげだな?」

ヒビキの言葉にエルゼスは確かにうなずく。その後に昔からセルアとセヴァル、

そして2人をつなぐ母親の話を商業都市テルラスクにいた年配の大人達から

聞いていた話を2人に語った。


『7,8年くれえ前だったかな、ダンナがおれ達の都市へ内政しに戻って来た

時は、別の誰かが変装でもしてるもんだと思っちまったぜ。それぐれえには

別人に見えたしよ。同じ顔をした、な』

『嫁さんの病気、結局どうにもならなかったそうなんだよ。しかも娘である

セルアの方まで厄介な病弱体質だったのは知ってるか?もう、家族から目を

背けるしかなかったのかと思うとなあ…』

『って言っても、そこはそれ…と言うべきだと思うんだよ。だってな…あの

鉄面皮状態で親バカな部分は残ってるみたいなんだぜ?どうしてかって?何、

央都に戻りゃあわかるさ』

『何があったのか大体察しはつくが…それでも、捨てられないものってのは

あるもんさ。それが人である限りは、な』


「セルアにも2人で村落の方へ向かった時には、」


「そうすぐには信じられん…君が言った事には間違いないとは思うのだが…」

アスカレナは未だ何か思う所があるのか、手を当て頭を横に振った後も首を

ひねっていた。エルゼスが嘘をついているとは思っていないようだが、彼女が

彼を見て思った事が未だ忘れられないのだろうか。ヒビキの方も、エルゼスが

言った言葉を覚えておこうと小さく反すうしながら何か考え続け―顔を上げ

エルゼスの方を見上げる。


「こちらでも何か考えておく、報告ありがとう。それはそれとして、だ」

「―?」

ヒビキの方へ不可解な目を向けたエルゼスに、ヒビキはこう言う。


「先程、君らしくない声が聞こえたのだが。気のせいかな?」

からかうヒビキの言葉に、エルゼスはすねたようにそっぽを向いた。何気に

可愛かったのが面白くなかった。ヒビキはエルゼスを髪いじりで可愛がった。

もし、彼女に今感じた事をありまま伝えたらどんな反応をするか、エルゼスは

少し考えてしまった。



「身だしなみ、よーし!:服を整え、各々の服…と言うより胸を指差す」

「書類、よし!:書類内容確認までやって、ヤケクソ気味にかばんを掲げる」

「これなら相手が千人いても!:高く上がっている日を指差すようにポーズ」

「夢にも負けられん…と言った所か?それと大佐、どう見てもセクハラだぞ

:呆れながらも苦笑している」

商業区と軍備工築区を隔てる壁の前、要塞網道が走る近くで、各々が軍部へ

行く光景を半ば他人事のようにエルゼスは見ながら考えていた。


(あっという間に軍部が見えてきちまってら…マジでわたす機会を誤ったな

…と?)


「ねえ、ゼス君。何と言うか言いにくいんだけど…」

「あ?」

「あたし、何かしちゃった?何か、すごく普段のゼス君らしくないみたいで

そわそわしちゃってるようだけど…」

そんな言い分にエルゼスはみるみる顔が引きつり最後には


「げぇ!?」


「うわぁ…ゼス君、相当焦ってたんだ?」

思わずセルアもジト目で苦笑いしてしまう程に、がらにもない悲鳴を上げた。


誰もが分かっていた筈だった。エルゼスは必要最低限の事はする。だから、

今の何をやるにも上の空みたいに何もしないと言うのはエルゼスを知る者達に

挙動不審に見えただろう。その後のエルゼスも、本人も振り返れば珍しい

慌てようだった。


「あー、その。何と言うか、だな…」

「もう、何考えてるかなんてあたしには分からないけど、そういった雰囲気を

気付かないわけじゃないんだからね?」

「「「えっ」」」「「神は言っている…その理屈は通らないと…」」

「あーー!?ヒビキちゃんどころかお姉さんまで何でそんな?!それどころか

大佐や軍曹まで!?」

セルアの言葉に誰もが反応した事で色々と振り出しに戻ったが


(まあ当然の返しだよな。てか、本当にどうするか…)


そう皆がしている語りつくせない十人十色の表情を見ながら頭の後ろで両手を

組んだエルゼスを


グイ


と引っ張るセルアだった。子供のようなすねた顔が普段の幼そうな彼女を、

より幼く見えるようにふくらましセルアは言う。


「もう怒った!中佐、あたし達に―暇:時間―はありますか?」

「は?…そそうだな…分かった、今日帰還した事は伝えねばならないし…」

「その報告だけなら私と中佐や軍曹だけで出来る。2人で何かしたのなら、

今の内にいってくるといい。隊長」

珍しくおどろいていたアスカレナの言葉を引き継ぐようにヒビキが言う。


「やたっ」と言いながらエルゼスが制止の声を発する事すらセルアは待たずに

商業区の道を駆け足で引き返していく。


「行く場所は決めてあるのか」

「うん、あたし達の思い出の場所!」

「どっちだよ?」

そう聞いたエルゼスにセルアは振り返り手を伸ばしつつ、こう言った。


「川の方。工事は進んでるから、かいくぐらなきゃだけど…まだキレイなとこ

いっぱい残ってるから」



「動向を報告せよ…分かった、ご苦労だな。引き続き任に当たり願いたい。

資金は場所を指定してくれ。現段階での報酬も用意してある」

王城のあてがわられた執務室で、セヴァルは魔導通信機を用い、ある者達と

連絡を取っていた。気が失う前よりも体の調子は

その効率のよさに何の違和感すら感じないセヴァルのそばに


スゥ…


【それ】は出現した。文字通り霧が凝り固まったかのように、そんな存在に

動じることなくセヴァルは職務を全うしている。だから、声がかかった所で

ようやくセヴァルは【その存在】に目を向ける


「あなたからはどこか懐かしい香りがいたしますな、ホホ。思えば中々長く

―ここ:帝国―にもぐり込んでいたものです」

「貴様がネズミか」

突如現れた老人、モルドスに全く誰もと同じようにセヴァルは淡々と言う。

立ち上がったのは間違いなく優先順位を確認したからで、


「ホホ、ネズミはどちらでしょうなあ。あなた様の主でさえ、この帝国には

相応しくないと思う者もおるようですが―」

「関係無い」


セヴァルにとってはどうでもいい事だった。彼にとっては相手が言う全てが

どうでもいいと言う事でもあったからだ。そんな何の感情のこもっていない

機械としているような会話に、一体何を感じたのか笑みを浮かべる目を更に

喜色で細め、モルドスは言う。

「さてはて、消えて頂きましょう」


あらゆる負の感情を閉じこめたような気配を漂わせる老人からセヴァルは

死刑宣告を受けたのだった。


―act15に続く―


次回は1週間後の6月26日に投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ