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act14:たけだけしき咆哮と共に「ハジマリの教え」

今年の内にStage1エピローグまでかく、とここに宣誓します!

ようやく、完成しました!失敗した事もありますがこれが今の自分の腕前と

しかと受け止めながら精進していこうと思います。

ではでは、今回も楽しい読書の一時を持って貰えたらいいなと願いつつ


「あぶねえあぶねえ。あんな所でボクがいた組みに入ってきたイタンジ君と

会うとは思わなかったぜぇ」

央都ヴァルガナウフが遠くに見えるどこか木の上で影はそういう。その

片手には通信機が握られていた。

「ヤフー♪ノアきゅん元気してたー?おねーさん、あなたの肌が恋しくて

まいっちゃう~ん」


通信機から聞こえてきた色っぽい声に「もうすぐ会えるっしょー?」と

言いながら影―ノアシムは内心でつぶやく。

(ふざけんなよ、あばずれクソババアが。何もかもを利用して見下ろす事を

至上とする、どうしようもないこの世で最悪のクズに)


そう思いながらも影は通信機ごしに同じ目的を持つの仲間へ伝える。

「一応使えそうな人員を持ってこれたよ。ただ、もう央都の方にはあまり

顔が出せそうにないなあ。妙なやつに目をつけられると厄介そうだし」

影が肩に背負っているのはリルリラだった。腕の無い方からは無理やりに

医療器具を取ったのか、包帯がほどけ、血がポタポタとしたたっている。

木の枝に付きながらも更に伝い落ちていく血をしかしてノアシムは気にも

留めない。


「んー、そう。じゃあ今度は私がそのヴァルガナウフ近辺担当になって

紛れ込んでみようかみたいなー?いい男の肌や壊しがいある女がいる匂いが

するしぃー?ま、それはともかく例の場所で待ってるねー、あの影コンビ

クソッタレちゃんズやクソ博士っちもまとめてそこで落ち合う予定だから

よろしくーん」

そんな軽い言い分に「あいよ」と言った後、通信機でお互いに自分達で

決めた欲望であり誓いでもある言葉を口にする。

「全ては我らが手にするために…この世をあるままとするために」


そして通信を切った後、ノアシムは―あらん限りのの笑い声を上げた。

「フヒヒヒャ、フヒャハハ…フヒヒヒャハハハハハハハハハハハハ!!!」

森から鳥がおどろき飛び立つがノアシムの笑いは止まらなかった。その日も

央都は全く変わらない1日を送るかと思われた。



その光景はこの世界にもある裏社会でドスを利かせた人間が世間の有名人に

モノを言うような形に似ていた。片や見下ろすように背筋を伸ばし、片や

にらみ上げるようにポケットに手を突っ込んだ猫背で首をかしげたように

見上げている。ノレットと、エルゼス。今度はエルゼスがノレットへと

話しかける番だった。


「俺は話しかけ方なんざ知らないから用件だけ言う。お前つぶすわ」


はたから思えば不良が優等生に対してケンカを売った言い方だが。それと

これを同じように見るものがこのクラスの中で今どれほどいるだろうか。

放課後の機龍軍高ティスフィーブル、2年特別待遇組。


「フフ!本当に品性というものも知らないようだなお前は。当然だが、命の

安全保障くらいはしてやらなくもないぞ?」


余裕ぶっている口調はそのままにノレットの目はかつて無いほどに冷たく

エルゼスを見下ろしている。元より今回の相手が仕掛けてきた挑戦は

初めからおかしかった。


実力行使ならすでに圧倒的な差を付けたはずだ。もしくはこの男があの時

壁にぶつけられない程度にしか力を入れられなかったとでも考えたのか。

その疑問を更に深めたのがノレットの続いて言った言葉だ。


「文字通り、アルクの使用までそこでは認められる。お前が持っているだろう

奇怪なおもちゃも使わせてやろう。それでもこのオレに敵う事は

ないだろうが、な」


ますます言ってることがただの寝言にしか聞こえなかった。仮にこの前

戦闘不能同然に医療院送りにした者達を全快させたノレットの仲間総出で

来ても、注視するのはレイア・シャーシルという考えの読めない女だろうし

ペルリアにいたっては元よりエルゼスを害するつもりは無いはずだ。それを

ノレットは分かっているのだろうか?この男に何か切り札が?とエルゼスは

考えるが―


答えの出る疑問では無かったし、どうでもいいという結論もあった。この

目の前の現実も見えていそうにない男に策がどうあろうともエルゼスが

できる事は1つだけだろうから。


(ぶちのめす。どう来ようが力づくでも。それに―)


もしこいつが何かまぬけをして先走っただけならこの挑戦で何事も無く昨日

目にした機械の竜―ワイヴァーンに乗れる。子供の頃彼女と思い出を作った

あの遺跡と飾られた竜を思うエルゼス。あの兵器に乗ることを期待しない程

男の夢を失くした人間ではなかった。だからこそ―


「テメェには何あっても負けねぇよ。何度やろうがそれは同じだ」

「フフフ!ただ力任せなだけのお前がひざをつく未来しかないとしてもか」

「ぶちのめす。お前のそのちっぽけな自信に虚飾されたブツ…テッテーテキに

俺が叩く」


それが教室でクラスメイトのきいた2人がした会話の最後だった。



得待組を出たエルゼスとセルアをむかえたのはヒビキだけではなくレイアや

ネーペルリア、ジャクシールにレフィーアとノレットの仲間であるはずの

彼女達もいた。

「来たかい。まったく、ピンピンしてられるのも今の内だよ…」

「…」


その少女達の顔も何故か影があるようにエルゼスは感じる。レイアの方へ

目を向けると何のことは無しに首をかしげた。ネーペルリアはレイアに

すり寄っている。大人しく見える彼女はエルゼスを見た時に軽くうなずく。

どうやらノレットの周りも精神的な面でエルゼスが預かり知らない間に

打ちのめされているようだった。


「先輩、一応聞くけど無事かよ?」

「これから行われるのは数こそ違えど、一応実力的に互角条件になるよう

設定された模擬戦です。ヒビキ様には戦い前と言う事で母国の飲み物で

落ち着いていただきました」

「後で種明かしにもなるが毒などは私や家族には余程でもない限り全く

効かない体質なのだ。それよりも戦力的に互角とは―」

「あたしもやるよ」


言ったのはセルアだった。エルゼスもセルアの方を見る。教室に置かれた

模擬戦術器ならいざしらず、彼女が他人に危害を加えるのを見るのは

エルゼス達は城以来となる。それですら、彼女の中にあった何かが半ば

敵を見て暴走したようなものであるのだし、今度行う事とはわけが違う。

それでもセルアはこう言った。

「あたしだって他人ごとじゃない。アルクはチェトフさんに出せるよう

昼時に言っといたよ。ヒビキちゃん…」

「止めるつもりはないが、廊下を走ったことは後でしかる事にしよう」


ヒビキはセルアと手を合わせた。そうしている間にも一同は軍高を出た後

軍備工築区へ移動し、兵器格納庫に何事も無くつく。入口を開けたセルアと

エルゼスが目にしたのは彼らの聖遺物らしいものが置かれた作業台と―


「そうだ!あちしよ!逃がしはしないよ…」

「…」

「痛い!止めて!私の魂である一本毛を無言で引っ張らないでえええええ!

どうか!どうかご慈悲を!」


人の字に近い腕を組んだ姿勢で待っていた、前にあった時と変わりない城の

衛兵にエルゼスは心の中で安心しつつあきれた様子で彼女―ベルクに言う。

「アンタ、今日非番か何かなのか?ええと…ベルさんよ?」

「名前覚えててくれたのだね、感激であります!なんだけど…悪いけど私は

今回部外者だから」

「俺の吹っ掛けたケンカだよ。軍人さんがしていいもんでもねーさ」


それにベルクはうなずくとこの茶番の説明を始めた。


「今回行われるのは、クラス得待組で特定の集団を持つ2人を中心にした

模擬演習戦です。数はノレット・イアシェ側が有利と思いますが、魔法を

あつかう許可をエルゼス・クォーレ側のみに解禁する事とします。また、

この演習では、魔法結界が装置により張られた広場を戦闘場所とするので

外へ体の8割が出た場合、戦闘不能となったと見なします。戦闘区域の

高度限界は200メートル。例外などはワイヴァーンでもありません。

…それでは、後ろに控えてあります各々が使用申請されてあるアルクを

どうぞお取り下さい」

「…一応聞くけど、俺のは?」

「エル君のはまたロッカーやら屋根壊されるのがこわいからだって」


元より持っている者もいたがそれぞれが自分の得物を手にする。エルゼスは

ソル・ヴォルグを右腕に付け、ネーペルリアはぬいぐるみを抱きしめる。

ジャクシールは黒くぬった砲盾を構え、ノレットは槍を手にくるりと回す。

セルアは小さな緑色の輪っかを左手に持ち―レイアとヒビキは何か考えが

あるのか、何も持たなかった。それを確認したベルクは、一同を軍備格納庫の

奥、模擬戦空間へ通じるその部屋を空ける。そしてその全員の目に飛び込んで

きたのは―


「「―…」」

「「「「「「!?」」」」」」


目の前で見たその光景に2,3人を除き誰もが絶句していた。目にしたのは

2機の軍高量産機である機龍―ワイヴァーン…のはずだった。一方は確かに

見かけは何の異常も見当たらない。


もう一方が徹底的とも言えるほどとんでもない壊れ方をしていた。しいて

言うならワイヴァーンが発射態勢と同じ状態で落下し、化石になったと

言えばいいだろうか。


関節、首や角、尻尾にかけて全てが1つ1つのパーツにされそれぞれの

位置へ並べられている。巨大な純魔玉が使われているワイヴァーンをこうも

バラバラに、しかしてそれこそ各パーツごとになるよう正確に分解するのは

もはや神業だろう。それを昨日の晩の内に?


「お前は、あれを一体どうやって…」

何も異常が見られないワイヴァーン側にいるノレットがレイアにたずねる。

レイアは「簡単なことですわ~」と言った後こう続ける。


「もとより、それ1つでは動かないものなのですから~魔法でただ【元に

戻れ】と願えばいいだけですもの~。やろうと思えばただの金属ではなく

鉱物にまで戻すことも可能ですし~」


説明にならない説明をした後にやり過ぎたかな?とでも思っていたのか、

レイアの返答は小さかった。しかし、それをやった事に対するおどろきより

ある感情が次第にノレットの内から首をもたげてくる。


(本当に読めない、あなどれない女だ。だが今は…!)


こちらには1機のワイヴァーンがあつかえる。しかし相手にはそれがない。

制空権という安全場所を取れるだけでもこちらには攻めるも守るも自在、

自分達の思うがままになるのだ。これならば―


―こいつに…この2色髪の異端児に 勝てる!―


片やエルゼス達の方はというと誰が見ても分かる通り空気が重かった。


「どうして…何で…こんな」

元気が取り得のセルアも肩を落としている。流石に目の前の機龍がどうにも

ならなすぎる事態にへなへなとひざを折る。意味も無く、ばらばらとなった

部品のかけらなどを拾い始めようとし、エルゼスに止められた。


「久しぶりにシナミリが血に飢えるな…」

ヒビキも何か思う所があったのか、うつむいた表情でノレット達の方を

にらみ上げている。ワイヴァーンを破壊されたことに対して彼女も何かしら

怒りを覚えているようだった。


そんな中で冷静なのが流石と言うべきかベルクだった。しかし、エルゼスに

言う口調はやはりすまなそうだった。

「報告書が増えるよー…ていう寝言を言ってられる現状じゃないねこれは。

こんな事体はすぐにでも軍の上層部に報告が必要だとして…エル君はこんな

状態でもやるの?相手はあの兵器を扱えるという有利点があるけどこれは

どう考えたって…」

「心配してもらっても困る。少し残念でもあるが、さっきも言った通り俺が

売ったケンカだ。二言があってもカッコつかねーだけだし、たとえ先輩や

セルアがいない1人でも―」


ベルクの言い分にエルゼスが返答をしかけたその時


ポーン


「―ん?」「うん?」

エルゼスとベルクは何かの音と共にエルゼスが右腕に付けた聖遺物の画面に

何かが映し出されたのを確認する。


―Blood inport device…―

―Discovery!―


「まさか…」「おろろ?」


エルゼスとベルクをよそに画面の表示はコロコロと変わる。


―Parts broken…Repair?―


「できるのか?」


―Yes!―


遠隔操作の武器がソル・ヴォルグより分離しエルゼスにに向けられる。

「ちょ、おま…!?」「エル君!?」

驚いたエルゼスの首元をかすめるように通る。その武器が切ったのは

エルゼスの首飾りだった。長年ただ付けていただけだからか、ひもは簡単に

切れ、竜の残がいへと投げられように回転しながら吹っ飛んでいく。そして

その首飾りと残がいがふれ


フィイィイイイインッ……!


「あ!?」

「え?」

「は?」

「およ?」

「な?」

「あら」

「…」

「はい?」

「何さね…!?」


残がいがまばゆい光に包まれた。その光はまるで何かを中で作るかのように

2足歩行の翼が生えた何かを次第に形作り―


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


ガァァアアアアアァァァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!


まるで生物のようにそれは天をあおぎほえた。翼は背の方から横の方へ

平たいX字に2対、そして尾の方へ1対と全部で3対の翼が生えている。

基本的にうす紫の体には緑色のうでやひざ、関節などがつき、元が4足で

立っていたからか前かがみの姿で辺りを見回し始めた。


「こいつは…!?(エイキドゥ…!?いや…違う…!?)」

「え、ええと…これ……マジで報告書…あは…あはは…」

「わぁ…」

エルゼスとヒビキは半ばぼう然と、セルアは目を輝かせながら、最後に

ベルクは笑いを引きつらせそれを見上げる。そんな4人に気付いたのか、

産声を先ほどあげた残がいからよみがえったと言えるワイヴァーンは


ルゥウウウウ…ガアァァアアアア…!!!


なおもうめくように3人を―そしてエルゼスを見るに顔を寄せ見下ろした

それは顔をエルゼスの首を自分のあごでこすり始めた。


「お前…まさか」

目を見開きそれを見たエルゼスは顔をなでる。遠くの方で誰かが口を尖らせた

気がしたが今は気にできない。当然それは甘えるように手にすりよる。それの

頭部をなでながらエルゼスは言う。


「力を貸してくれないか」

グルゥ?

耳を傾けるように角を寄せて来たそれから視線をずらし、今だ絶句しながら

握りこぶしを震わせているノレット指差しながら言う。


「あいつをつぶす。これまで散々やられたんで、そのツケを払わせたい」

そんなエルゼスの言い分に


ルギィィアァアッ!


それは肯定の意のようにほえ、ノレットの方をにらむように見たのだった。



『え、えー!シーキューシーキュー!本日は晴天なり!両サイドともしかと

聞こえていますか!』


互いのチームをシャッターで分断し、模擬戦場にレール移動させているさ中、

部屋の放送機ごしにベルクの声がひびく。


『勝負は、どれ程戦術点を稼いだかにより決定します。地上点・空中点と

2つでしっかり評価することができそうです。その2つを合計し、大きい方が

勝利となります。点数はダメージがフィールド内で受けると痛みの代わりに

ポイントが相手チーム側に加算される仕組みとなっています。また、陽動や

かく乱など、戦術的な行動を取った際に行動したチームの点数は増加します』


ガチャン!


地上と空中、全部で4つの部屋が指定の場所にはまったのか、レール移動の

音が止まった。ベルクの説明も終わり、いよいよ―


「ケンカの始まりだ」


『長らく、お待たせしました!機龍に乗ったお2人もどうぞ!!』


エルゼスはそれの首から魔力で手綱が発生したのを確認しそれを片手で持つ。

エイキドゥはそれを把握したのか光がさした前方へ体を屈め疾走し―


ドンッッッ!!!


穴から抜けてエルゼスの乗った機龍が飛び立つ。目の前に広がったのは一面の

青空。その先に、黒い影が対岸の穴から出て来た。ノレットの乗っている

軍高演習機龍。空中で浮かんだまま留まり、エルゼスを見下ろしている。

エルゼスは一直線に向かった。


一方、人の身長の半分はある凹凸がいくつもできた地上の方では。


レフィーアとジャクシールは慎重に凹凸で身を隠しながら敵であるセルアと

ヒビキの動向を探っていた。


実質レイアは魔法が無ければ役に立たない上に、あれだけの事をさせた後で

再び頼るようでは余りにも問題があり過ぎた。ノレットの家がもみ消せる

内容も限界はある。ネーペルリアはレイアが行かないという時点であてに

できなかった。せめてかく乱してもらうために戦場をかけてもらえているが

戦力と考えるわけにはいかず―そう沈んだ思い出考えながらも相手の出方を

待ちながら、彼女達の動きをレフィーアは確認しようとし―


「!」


ふと少し頭上を見ると、空中に水を集めたカッター状の何かがこちらに

接近してくるのをレフィーアは見つけた。


(これはオトリでしょうか…?使用者はどちらでどこに…)


そう考えながらよけようと足を走らせるも


「なっ!?」


レフィーアは言葉を失った。足が動かない。見るといつの間にか足元がまるで

初めから凍りついていたかのように凍らされていた。

そこに


パン!


頭上で何かがはじける音がする。何かと上を見上げると…無数の植物のツルが

上からレフィーアとジャクシールの2人へおそいかかり―しばり上げた。

「こいつ、は…!」

「ほどけ…ませんね」


手足のどちらも動けなくなり


タスッ


「それで、降参します?先輩さん達は」


セルアがジャクシール達を見下ろし突き出すよう構えたアルク―緑色の輪には

何か植物の種が付いていた。他の窪みに種がついてない所から考えるとこの

妙な輪が空中で種をツルになるようにしたアルクだったのだろうか。


「ロードルの子である魔法道具を使う前にやられてしまいましたか…」

「ならばジャクシールお姉様の砲撃位置を早い内に見つけられなかったのが

問題だよ、レフィーアさん。あなたは早い内に彼女と別れて行動していれば

まだ戦いの行方は分からなかったかもしれないが」


そう言いながら、ヒビキが凹凸の横から出てくる。ジャクシールをお姉様と

呼ばせてもらえるよう条件を出したのは、結局ジャクシールが折れて放課後

同行を申し出たからだった。


魔法道具は魔法を使えない状態でも使用できる道具であり、道具にこもった

魔力以上の効果は引き出せないが、中にはものすごい魔法を封じてある


ノレットが手に強いるものだから推して知るべしではあるが…使えなければ

意味は無い。ヒビキはレフィーアからその魔法道具をうばい取る。


「何にしても、これは勝負ありましたか…」

完全に気落ちしたレフィーアにヒビキは「そうかもしれないな」と言い

「あとはすぐに終わるだろうが…」

と続けた後に空を―ノレットとエルゼスの戦いへ目を向けた。



空中。エルゼスとノレットの戦いはヒビキの言った通りの結果となった。

ノレットは信じられなかった。忌子が持つ妙なアルクから出ている光の刃が

自分の首元に乗っているのを。そんなノレットにエルゼスの声がひびく。


「今のがまずはじめに俺を足げにしようとした分だ」


そう言って通過していった。


「な…」


絶句しかけたノレットにエルゼスの機龍が横に伸びている翼の一対から

複数の爆弾頭を撃ちだす。ノレットの機龍を壊そうと向かいおそうそれを

ノレットは機龍を操縦してかわし―再び首元に熱線。見ると再びエルゼスの

ソル・ヴォルグから伸びた刃がノレットの首にそえられていた。


「今のはテメエが妙な茶番で裁くだ何だとのたまいやがった分だ」


「貴様に何の権利が―」


「関係ねえよ。お前がした事の分、全部ここで払わせると俺は決めてんだ。

テメェの都合なんざ、言い分なんざ何も関係んぇえし知らねえ」


なおもノレットは「自分はこいつに何回も殺されている」という現実を

付きつけられる。


「ふざけ―!」

ノレットの怒号は誰にも届かない。幾度となく、ノレットにとってこの上が

ないだろう最悪なそれが繰り返される。ノレットは本当に恵まれていた。

エルゼスがヴァルガナウフ―そしてティスフィーブルに来るまでは。


ここまでコケにされて、こんな、こんな奴に―!!


そう思いながらノレットが突き出した槍は虚空を舞い。ノレットが乗った

機龍のすぐ下すれすれを横合からエルゼス達が通過する。そして


バカッ


まるであっけないおもちゃのように、ノレットの乗った機龍がバラバラな

残がいとなった。それを確認する事も無くエルゼスは言う。言おうと思って

いた事だ。それは本当に遠く遠い日にエルゼスの父が幼いエルゼスに向けて

言った言葉だった。


<<いいか、エルゼス。男ってもんはなあ、やられたことを返す時はよ。

必ずそうするもんだ。じゃねえと男がすたる。覚えろよ―>>


「これで一応―【倍返しだ】」


Stage1最終actへ続く


長らくお待たせしました。ただ、次回も遅めの12月下旬となりそうです。

今回使った【あの言葉】はやはり大ヒットした某ドラマから

影響を限りなく受けた、この話を飾る要素の1つです。


次回はついに学園編最後のおはなし。次回のStageも

お楽しみいただけるとうれしく思います!


―次回予告―


「認められねえ認められねえ認められねえ認められるわけがねえ!!!」

それは最早黒から白へと反転した妄執

「ノレット様…そんな…」

余りの事に空をがく然と見上げた少女

「そこを狙えってのか…」

そしてひと筋のあざやかな光は放たれる


それはある隷属少女がした恋の終わり。そして彼らの戦いは次の戦場へ


次回Stage1-最終act15:決着「ハジメ・ハジマリ」


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