act9:王城へ「黒の覚醒(めざめ)・帝国の心」
またヒロインが増えるよやったね!
楽しみにしていて下さいと、今回もいい読書時間を!
妾:わらわ
畏敬:いけい
廃墟:はいきょ
巷:ちまた
◎:今回も一部酷くグロテスクな表現が、含まれています。
上記の内容に抵抗のある方はページを閉じる事を今からすすめさせて
いただきます。
央都ヴァルガナウフの中央、ネズミ色を基本色とし土台共々城下町より空に
向かいそびえたつ城。闇夜と月明かりに照らされた廃墟のように、しかし
この都市で何よりも天に近くたつこの城のさらに頂上で。【たいていは誰も
いない】その場所で2つの人影が会話していた。
1つは直立した中年の男の影。オールバックにした髪を後ろの髪留めで
まとめている。細面に細身、どこにでもいそうな男は直立の姿勢を全く
ピクリともしないままもう1つの影へ話しかける。
「―と、明日の朝より、この城の1回にあります、会堂室にてそのような
もよおしものが行われる予定です」
「へえ、面白そうな。妾もたまにお前達のする事をのぞいてみたいとは
思うぞや?」
男の影が言ったていねいな言葉にそう答えたもう1つの影は大きな玉座には
釣り合わないほど小さなそれだった。ひびいた声も口調は年寄りのものだが
非常に幼い少女の声音だ。しかし、その影がまとう気配は老者のそれで
人に対し余計な重さを感じてしまう歪んだ何かを持っている。並みの
人間ならば気を失うのではないかと言うその空間を物ともしないかのように
男の影は言葉を返す。
「ハッ、あなた様の慈悲深いお心と陛下直々のお越しとなれば下々の者も
平伏し畏敬の念を憶えるでしょう」
「クフクククク…巷の者共は妾の存在すらトシデンセツなどと言い、噂に
しておるからの。何せ―」
何事かささやき小さな影がたちあがる。そして、背後の影がそれにならう
ように伸び―まとう空気が同調し収束したかのように影が大きくなる。
それは部屋全体をおおいつくすのではないかと言う程にふくれ―ある形を
とった。
その影は2足歩行で歩く人間に似ている。しかしその姿は背中から翼、
頭からは角を、そして異形といえる凹凸を体の様々な場所に生やすよう
形づくられていた。長く永い間娯楽が少なく、退屈していたからか
影のあご部分が笑うようにさけた。
男の影はそれすら全く何も感じないかのように、念のための確認を言う。
「…恐らく、すぐにあきるかと思われますが…よろしいので?」
「なぁに、かれこれン百年生きとれば、ささいな喜劇も笑える一時じゃけ。
お主も言った通り、下々の噂がより確かなものとなるような事になれば、
流しておる者も何がしか思うだろうよ」
それを最後に小さな影はまるで先程までなかったかのようにいつしかあった
霧へ溶けるように消えていく。
クククカカカカカカカカ…!!
最後に部屋内を哄笑が満たし、ひびきわたると同時に消えていく霧を見送った
後も。男の影は全く動かなかった。
*
央都ヴァルガナウフ朝の8時30分。エルゼスは寮の前にある噴水で
ヒビキとセルアの2人と会い、案内で王城入門口まで来る。どうやら
ノレット達は先に行っているようで、後に王城入門口の兵士たちに例の
封筒を確認された後、まるで犯罪者や奴隷のように魔物の皮から作られた
固い素材の縄でしばられる。
「痛い?」
不安げにエルゼスへ声をかけたセルアに対し、エルゼスは肩をすくめた。
やろうと思えば少し力を入れるだけで簡単に引きちぎれるようだった。
ヒビキもそれを察したのか、入城控え場所のイスに座り「今回私たちが
呼ばれた生徒裁判と言うのは…」とエルゼスへ説明を始めた。
「発端はこの国―カドラバの貴族達が作った一種の娯楽に近いもの
らしいが…それをティスフィーブルへ私の先々代であたる生徒会長が
組み込んだのがこれらしい。確か初めは生徒達のやることが当時過激化した
らしく、それをどうにかこの国の王や法の下で裁こうというのが
目的だった。仮にも子供の間でも力を持つものが現れた当初の考えから
出来たものが、何が悲しくて根本的に非が少ない相手を批判するだけに
なるだろう今回の話に使われるのか…今の内にエルゼス、君がしたことを
一応ここヴァルガナウフに来た時から一通り確認しておきたいのだが…」
そう言い、エルゼスの方をヒビキは水筒のふたを開けながら向く。
エルゼスは指折りで数えながら央都で暴れた内容を言っていく。
「冒険者足砕き、拳が早くてうるさい女の腕を肩からぶち抜き、野郎を投げ、
先輩の知り合い?を挑発、後は…」
エルゼスはセルアの方を見る。それに対してセルアは首を横に振る。
エルゼスが気にかけたのはセルアに何かよからぬ話が来ないかと言う
心配だろう。それを察した上でセルアは「私の事は気にしなくていい」と
行動で示した。しかし、エルゼスはヒビキの方へ話をふる。
「一応聞くけど。…先輩はさ、何でこんな所に来たわけ?」
「正直、私自身のつごうや打算で虫のいい話ではあるのだが…学校での行動も
目に余るノレットをこれ以上放っておくことは、生徒会長の私も問題があると
思っていた。君が来たのはいい機会だし、何より…君はセルアをどのように
思っている?」
「少なくともヤロウに渡したらこの世終わり過ぎだろうと思う」
エルゼスの即答に「ならば私は私の親友を守ってくれる君を守りたい」と
言った後に
「私が君を弁護しよう。何、君は自分から手を上げた事はないだろう?
少なくとも初めのものは完全に見て見ぬふりをした周囲市民の責任と
なるだろうし、な。被害者が負ける裁判があってたまるか。少なくとも
私とて君とは同じ気持ちだ。あんなのの好きには簡単にさせんよ」
3人の思いは固まっていた。そして、王城入門口の兵士が3人の会話が
終わるのを待っていのか「時間だよ、ついてきてね」と言ってくる。
どうやら、裁判が開く場所まで誘導するようだった。橋を渡り、城の廊下と
階段をわたり3階の曲がり角を曲がった時、ちょうど対岸側の曲がり角で
2人の男が先に来て話をしていたようだった。それをセルアがのぞいた時に
【それ】は起こった。
*
あたしはゼス君が【誰か】から採ったんだろう皮でできた縄で縛られるのを
見ていることしかできなかった。分かっている、兵士さん達もこれが仕事。
その兵士さんも「ごめんね、ボクちゃん」と前置きなんて言った後に
しばっていた。だからこそ余計に思っちゃう。
そんな事をやるのにどれだけ意味があるの?
暴れださないように?ううん、違う。こんな事をした所で、ゼス君は何の
感情もわかないと思う。いつも通り、動く気になればこんな縄を力づくで
ちぎってやりたいようにやるはず。
罪人だから?じゃあゼス君より酷い事をやってる彼も同じことになってる
はずだよね?この理屈が通らないなら言葉づくでも言い伏せさせて貰うもの。
ヒビキちゃんがいる以上あんな男はゼス君を言うと思うけど、それ以上に
本人の身が危うくなるだけなんだから。そう考えた上であの男がそうする
人間でもないから、この理由も違う。
あの男に嫌われたから?あの男が今回のいさかいを起こした大元なのにその
対象をこんな状態にしたところであの男がした事は変わらないのに。あの男に
逆らえばこうなると見せつけにでもするつもりなの?
でも、そんなことをしてまでどうして大元であるあの男が正しいように
見せることにどれほどの意味があるの?
考えが同じ所に回ってきたけどゼス君がやったことを罪に問うのなら、
イアシェ君のした事が罪に問われないのは権力とかそういったもので
守られているとでも言うの?えらい人や大人はそういった言葉をよく何度も
使うけど、誰がそんなものを許したの?認めたの?あたしの大好きな
スウィーツにもならない、そんな目に見えないものに価値なんてあるの?
むしろそんなあって無いようなものがあるからこそ、あの男みたいな変に
汚いものが生まれるんじゃ?
…親友のこともあるし、そこまで悪く言うつもりは無いけど…その
ヒビキちゃんさえ「本来なら、そういったものを簡単に振るうものでは
ない」と言った、その通りだと思うのに。
人にそういう意味のない偉さとかそういうのを飾ることに一体全体何の意味が
あるの?そんなので人の価値なんて決まるものじゃない。あの人はどのように
ものや周りの人で飾ってもが汚いものでしかないのに…
いけない、考えが堂々巡しちゃってる。今日って言ってもあたし基本的に口を
出さないほうがいいのかもしれないけど…と角を曲がる時まではそんな風に
あたしは考えていた。
そして角をまがった時、目に留まったそれにあたしは思考していた内容の
何もかもがかき消された。
その面がこちらを見た時、あたしの中で感情と同時に【何か】がはじけた。
いるとは思わなかった。…いるとは思いたくなかった。ここはヴァルガナウフ。
ふとした出来事でいつ遭うことになってもおかしくないはずなのに。頭が
そう考えるのを何故かしていなかった。でも、もうそれさえも遅かった。
…ううん、もうどうでもよかった。
ポチャン
何かが落ちてくる。私の心に何か水のようなしずくが落とされた。体中の
隅々がいつに無く細かく感じる。
いつかと同じだ。初めて思いっきり走ろうとした時。あの子たちと目を
合わせた時。森に入った時。色んなものを見て色んなものを知って色んな
アレがゼス君をあんな風にしたあの男と一緒にいた。やっぱり、エルゼス君と
同じように縄でしばられてはいなかったけど―
ソンナノハ ドウデモイイ
その通り、どうでもよかった。
ナニカ ハナシヲ シテイル
うん どうでもいい
コチラヲ ミタ
だから 何でも どうでもいい
ツブヤキガ キコエル
「何だ、お前か」
どうでもいいと 本当に何もかも どうでもいい
アッタ アレト デアッタ
うん そう それだけの事実があれば十分 たくさん それだけでいい
あれは こわす ひとの かたちを している だけで おぞましいから
もとの かたちじゃ ないくらい ばらばらの ぐちゃぐちゃに こわす
フゥゥウェエエェェェエェエエェェ…
口から何かがもれたのを感じる。これはあたしの息?ううん、そんなの
どうでもいい。アレ以外他に何も見なくていい。他は全部邪魔だ。全てを
こわしてでもアレをぐちゃぐちゃのばらばらにするのをあたしは自分の
このりょうのめで見たい。だから
駆けだす。いきおいで何かまえにいたのをふみつぶした感じがしたけど
きにするひつようすら感じない。からだにはなんの痛みもなかった。たとえ
そのいたみをかんじた所でとまるつもりもないのだけど―今度はなにか
きたない感じをうけるなにかがアレの前にたつ。コレなんだっけ?
りょうてをひろげている。へんななかおで。なんだろう?ううん、なにも
しらない。とまるひつようもなにもかんじない。このままからだごとぶつかり
つぶしてもいいけどそのままコレをつぶすとアレがつぶれるのを、かくじつに
みとどけられない。だから
「じゃまだ、どいてろ」
ただなんのひねりもなくうでをよこにふった。
ゾゴォ!!!
じゃましていたソレがしかいからきえる。あとはなんのじゃまもなくなって
めのまえにいるコレをつかむだけ。そして
グア!!
あたしはそいつのあたまをようやくつかむ。ここからだ。ここからもうその
げんけいすらとどめないほどこわしてぐちゃぐちゃにしてばらばらの
ぼろぼろにまきちらしてつぶして―
「死ネ、死ンデオ前ガ見ステタ天ニイル母サンニジゴクカラ謝レ!!!」
あたしの いのちより たいせつな それだけは―
*
フゥゥウェエエェェェエェエエェェ…
人のそれからは発せられないだろうその声にエルゼスは反射的に後ろにいた
セルアを見―口を開いたまま固まる。ヒビキも同様だった。2人の間に
なにかを知る知らないの差は少しばかりあったものの、目にした光景を前に
結局は同じ固まるという反応しかできなかった。
セルアが前を、あの対岸側にいる【ノレット達】を見ていた。いや、それは
何も変わらなかった。
目をどす黒い液体で染め―正確には黒い液体で目全体をおおいつくすほどに
あふれている―セルアは黒いモヤをまとっていた。モヤとなっているのは
どうみても目から流れだしている液体で、セルアの体の中ほどで霧のように
散っているのが分かる。
エルゼスだけは分かった。分かってしまった。誰も―エルゼス自身さえ―
気づいていないがエルゼスが前髪に持つ赤い部分と首から光の粒が少しだけ
もれている。エルゼスの中に【彼女が入れた聖遺物】がこれが
どういった現象なのか分析された情報が頭の中に入ってくる。
(人間じゃなくなってきてる?前からこいつのそんな部分は目にしてきたが
これは一体…!?それに何でこんな急に…?いや、待て…何でおれは…
こんな…知っている…!?)
体の冷や汗と心のあせりをエルゼスは固まる事で自制させている中で。
ヒュンッ
ズンッ!!!
セルアは消えたと思ったら2人の内前にいる兵士を吹き飛ばし疾走した。
「え…」
「な…!?」
「何…!?」
エルゼスでさえ不意をうたれたそれを、普通の兵士が反応できるわけがない。
ヒビキが見た時には黒いもやが、宙に回転しながら浮いた兵士さえ追いぬいて
いったという光景だった。ヒビキはがく然とする。もし今ヒビキが先に
曲がっていたらセルアはあの突進をしなかったか―と考えた所でヒビキは
自分のおろかさを恥じながら首をふり、こう思う。
(いやそんな事を考えている暇はない!今は―)
「先輩、これどうするよ…」
助け船のように声を出したエルゼスに内心感謝しつつヒビキはエルゼスへ
目を向ける。エルゼスがぐうぜんにも―宙へ回転しながら浮いた兵士の体の
下に反射的に両腕と左足のひざを入れた―姫様だっこ見たいな形で兵士を
抱えていた。兜が取れた顔は女性だったようだ。どこかで見た事があると
思ったらおとといに行った軍備工築区の本部でアスカレナに何かおかし袋の
ような贈り物を渡そうとし、睨まれたせいで気を落とし本部を出ていった
娘とさえ言える幼さを持った女性だ。突然後ろから猛スピードで後ろから
突き飛ばされたからか気を失っている。問題は
「腹筋近くの内蔵が…やばいな」
現に、彼女の口から血がこぼれてきている。パクパクと口を動かすのは
体が勝手に酸素を欲しがっているからだろうか。どちらにせよ、危険な
状態。その事実をエルゼスがそう言ったその直後。
「――、―――――――――――――――――――――――――――
――――!!!」
「!?セルア…!?」
セルアの声にもならない声にエルゼスは自分達がいる対岸の方を見た。
そしてひびいた早い口にエルゼスはセルアの名前を呼んだ。セルアが叫んだ
あのバケモノが分かる呼び声。内容は今度はハッキリとエルゼスの頭に
入ってきた。
簡単にいえば、今セルアが顔をわし掴みに男―自分の父親らしい―を今から
正に公開処刑するようだった。
(あいつ…あんなにテメエの父親を…?いや、今は関係ねえ…!)
このまま誰も止めなければ、セルアが彼女自身の本能の許すまま仮にも血を
わけた己の父親を文字通り壊しかねない。そんな真似させるのはエルゼスも
余りに人ごとでは無かった。両手に加えて片足がふさがったこの状態では
何もできないが、ヒビキ先輩なら―と考えている内にヒビキはエルゼスの
横をすり抜け走る。が、セルアは何のためらいなくエルゼスが理解した
言い分の内容を行動に移そうとする。わし掴みにしたまま男の顔を一度引き
城の壁へと叩きつけようとし―
ブゥアワッ
向こうの曲がり角の方から風のように吹いた濃い魔力の気配にセルアが
そちらを向き…コテンと倒れる。誰もが再び固まる中で。
コツコツコツコツ…
その足音は対岸で2人が倒れているのも気にせず自然な動作で歩いてここへ
向かっているようだった。1人が不意に気を失ったようだとは言え、
もう一方の倒れている人物、ノレットは足を投げ出し座った状態で後頭部から
血が流れている。そして、城の壁には直径2レープ近い大きさの丸く穴が
空いた跡があるにもかかわらず。朗々とした、年寄りの口調をわざとしている
ような幼い少女の声がひびく。
「余興かえ?おまいが、そんな様を晒したとはいえ妾が止めに入ったのは
余計だったかの?」
「…いえ」
現れた【それ】が発したろう疑問に対し、首を横へふりながら男は否定し
「…アンタ、誰だ」
疑問を口にしたのは、エルゼスだった。現れたのは人型をした何かだった。
一目見たら幾重にも鮮やかに織られた服で相当な身分の人物だと想像が
つくだろう。しかし、その少女の耳の上と前髪の後ろからは正に悪魔と
言えるような角が生え、背中から粒子の様な光が3対程度の翼を形作って
いる。そして手は指が6本も生えている。人ではない。そう決定づける
並々ならない魔力と気配を霧としてまとっていた。彼女の言い分からも
分かるが、あのセルアを止めたのは他でもなくこの魔族の少女なのだ。
エルゼスは内心でふんばりを付けている。そうする必要があった。
何故なら。
(これで【3人目】だな。オレが央都へ来て―1回見てやばいと思った
相手は…しかも…)
それも、目の前の少女の形をした魔族はその中で一番危険すぎる気配を
魔力としてもまとっている。そんなエルゼスの内心を知らずか、少女は
エルゼスの先ほど発した問いにこう答えた。
「噂になっておるこの城の主やぞ。ほれ、何ら聞いたことはないかえ?」
「時々だが耳にする。…エアリシド、だっけか」
「大儀だよ、小童。ここカドラバを作ろうと言ったのが妾よ」
ククカカカカカカカカ…
そういう少女に見える魔族―エアリシドのそばに近づいたセルアの父―
らしき者―が傍らで静かに姿勢を正す。無言の忠臣と王妃カドラバの笑いは
城内で静かにもひびいていた。
とにもかくにも次回予告をして、1週間以内の次回投稿もお楽しみに
―次回予告―
―私の人生、どうなるんだろう?―
意識の底からひびく声はとどかない。
「なおせる、かもしれない…?」
止まる事のない力にほんろうされる少年少女たち
「あたし、何を…―!」
生をかつて望めなかった心は少年を前に崩れようとする
「うらんでる、うらんでるんだよ。私、こんな汚くて、みにくくて。
…酷いよ、酷すぎるよ」
「だからどうした。いずれ力にのまれちまうようでも、生きててくれれば
うれしいヤツがいるんじゃないのか」
そして―茶番が幕を開ける。
「フッ、初めからお前たちの言い分は無効である。どうもこうもない、
俺の言ってる事全てが正しいという事だ。貴様と連れである生徒会長殿は
嘘八百の証言をしている。―事実だ」
付きつけるのは歪みきった断罪と言う名の欲望の剣、それは集められた
妄執でふくれ上がりかけ―
「どうして…?」
純粋さを取り戻したその声が毒の如き周囲へ波紋を投げる
「「それで、茶番は終わりか(え)?」」
「カハハハハハハハハハハハ!これはユカイ、余りにもユカイじゃあ!」
何を望むのか。この場にあった最悪の権化は動き出す。
次回act10:裁判「権力・疑問・答え」
注:次回予告は予告であり、自身の未熟など執筆の都合で、文内容が
変わる可能性があります。同意の上、次回作をお待ち下さい




