act1:決別「別れと決意を胸に」
まずこのページを閲覧して頂ありがとうございます。
プロローグなのでそれほど内容はありませんが…(苦笑
それではどうか楽しいひと時を
差し込む朝日と小鳥のさえずりに思わず空を見―俺自身をくるんでいた
毛布を押し退け周りを見回す。あったのは、何の変わりようもない、
いつも通りの青空と幼い日から慣れ親しんだ秘密基地である町の外れ。
しばしの後、俺は呟く。少し、ほんの少しの後悔を込めて、だ。
「朝か…」
俺は背をあずけていた場所からゆったりと立ち上がる。俺は自分がいつも
住んでいた町の誰も知れないだろうこの場所で一晩だけ、夜を明かした。
一応だが家族にもいえない場所で夜を明かすよう断りを入れたのでさわぎは
ないだろう。しかし、今回も…あいつはこなかった。少しの寂しさが心を
通りすぎる気がしたが、今日でこれも最後だ。
*
青年のいでたちはこの世界でも奴隷同然、と思われる服装だった。
雪のような輝きを持つ白銀の中に前髪だけ血のように鮮やかな赤を含む髪。
まだ幼さを残す夜そのものを目の形にしたような藍色の目は悠然と辺りを見回す。
そでのない網状の茶色い服に、上半身と同じ茶色の裾さえ破けたまま
整っていないズボン。青年が住んでいる町でさえ相当貧相と見られる容姿。
人とは一線を画す美しい顔を持ちながら非常にみすぼらしい姿は、
これから行く場所を考えれば悪い意味で青年が目立つのは確定的だった。
立ち上がった青年は予め置いたのだろう横にあるかばんの中身を確認する。
「用具入れ、編入証明と勉強関連書類、朝ご飯と自前の携帯型食料…
中身は後のお楽しみで、中央都市までの地図に方向確認器、それと…」
最後に手にあったのは、翼のような針の模様をつけた小さなお守りだった。
それを力強く握りしめ、青年は振り返る。自分が一晩明かした秘密基地を。
木々で隠すように囲まれたそこはどうやらほこらだったらしく石造りの
腰かけ場所がいくつかと、彼が一晩毛布にくるみ背を預けていた三日月型に
折れ曲がった囲い。その囲いの中央で石造の龍が大事そうに自分の体大の
宝玉を抱えている。鋭利な刃のような翼が2対にそれとは垂直な形で肩から
生やした翼を1対もつ龍。その龍が飾られている場所のななめ前に置かれた
石碑にはその名前が今は失われた英知で示されていた。いわゆる
古代語だろう、その石碑の内容をある人物から教えられた青年は呟く。
「紫鏡の守刃龍・エイキドゥ―…か」
それを教えてくれた「少女」をかつて「少年」だった青年は待っていた。
…結局、今日この時までここに来なかったのだが。
またかならずここにくるから―ぜったいまたここであそぼうね
やくそくだよ
幼い頃の、何気ない約束。生まれ故郷の田舎と言っていい町で忌子とされた
青年のこれまで生きてきた少ない心の支え。
「俺は今日、ここを出ていかないといけねぇ」
まるで目の前に彼女がいるかのように青年は語る。
「けどな、また何時か会えると思うからよ」
そう言い残し、青年は今度こそ歩き出した。彼が立ち去ったその場所で
2人の男女が遊び回る幻影を日の光が映した気がした。
*
帝都カドラバ
魔法も剣もあるこの世界で特徴的な兵器を使用し瞬く間に世界を武力のみで
制圧したこの国の象徴―
―空を飛ぶ鋼の翼龍:ワイバーン―
比喩ではない。選ばれし者が駆ることができるという特殊兵器。そして
それらを駆り将来戦場に出る若い戦士、龍躁者―ドラグーンを育成する
機龍軍高―ティスフィーブルの特別待遇組。その狭い門を叩く者が帝国南東の
村落と言えそうな街から中央都市―ヴァルガナウフ)におとずれる。
その少年の名はエルゼス・クォーレ。
フォルデロッサで数少ない人々に祝福された異端児だった。
いかがだったでしょうか?よければ感想や
「こうするといいよ」等のアドバイスをして貰えたら
作者は狂喜乱舞します(←
特に後者は切実に欲しいので是非。
この話以降はヒロインの視点や他の誰かの視点と
様々に視点が変わる話が出てきます。
特に次の話は視点が様々な人たちに変わるので
よろしくお願いします




