第8話 飛鳥の気持ち
カノンとはメアドを交換してわかれた。
元の9人に戻っても飛鳥だけ不機嫌。
「ねー飛鳥?どうかしたの?」
新しい飛鳥の制服 少しかたいシャツをひっぱる。
「別になんでもねぇっつってんじゃん 離せよ」
・・・いつもは離せなんていわないのに 別になんでもないわけないじゃん
「おい飛鳥 なんなんだよさっきから?」
新一がため息まじりに飛鳥に言う。
「だからなんでもないっつってんだろ?」
「なんでもない顔かよそれ。」
そうだそうだ 新一もっと言ってやれ!
夢乃達も呆れたようにため息をつく。
「・・・アイツ ムカつく」
「アイツ?カノンって奴の事か?」
カノンがムカつく?なんでさ
「・・・なんか ムカつく」
飛鳥はそれだけ言って頭をかく。
それから妙に早歩きになって先頭に立つ。
それに走ってついていく。
歩幅が違うから飛鳥が早歩きだとこっちは走らなきゃいけない。
なかなか追いつけなくて 飛鳥の後姿からじゃ何を考えてるのかなんてわからなかった。
顔が見えれば 少しはわかるんだけどなぁ・・・
小学校から一緒だと 朝顔を見ただけで機嫌がいいか悪いかわかってしまう。
あぁ、あの人の事嫌いなんだな とか・・・
「・・・飛鳥!待ってよ!」
「・・・・・・」
飛鳥は返事もしないでスタスタと早歩き。
息が切れてきて後ろを見るとみんなはほっといて後ろの方で喋ってる。
「ッ 飛鳥!!なんなの!?はっきり言えばいいじゃん!!」
「うるせぇな!言いたくねぇから言わないんだろ!?」
そう言ってこっちを向いた飛鳥の顔は真っ赤だった。
「???」
なんで怒るの?
なんで顔赤いの?
せっかく顔が見れたのに 疑問が増えただけだった。
飛鳥のこんな顔 初めて見たんだもん
「けっけど・・・カノンはいい人だよ!?優しかったし・・・それに・・・」
「うるせぇ!聞きたくねぇよ!!」
飛鳥はそういうと家と方向が違うのに曲がり角を曲がって走っていってしまった。
向こうが走ってしまったらこっちは追いつけない。
歩幅も 元々の速さも 体力も 全部飛鳥が上。
「・・・変なの」
飛鳥の後姿はすぐに見えなくなってしまった。