第53話 白雪姫4
家に帰って着替えて 私はすぐに夢乃の家に行った。
「夢乃ぉぉぉぉ〜〜〜〜」
「・・・私に泣きつかれても困る」
そういいながらも自分の部屋に私を入れる夢乃は大好き・・・
「だってさ!ひどいと思わない!?」
一通り説明すると夢乃はあきれたようにため息をつく。
「まったく バカップルほど冷めるのが早いってのはホントだね」
「バカップルじゃないもん!!」
「まぁいいけど・・・それはアンタが間違ってるでしょ・・・」
「なんで!?私悪くないもん!!」
「普通彼氏以外の子を選ぶ?あれは私もあれ?って思ったよ・・・」
う゛・・・
「だって!カノンのが王子様じゃない!?」
「そりゃそうかもしんないけど 飛鳥でもいーじゃん別に。」
「うぅ・・・」
「私が飛鳥でもさすがに怒るね」
「いじわる〜やさしくな〜い」
「同情するだけが友達じゃないでしょ?」
夢乃はにっこりと微笑む。
それでも・・・同情の一言は欲しいんですよ奥さん・・・
「ホラ メールでもして謝っちゃいなよ。ごめんなさいって。それでホラ 仲直り!」
夢乃が私の携帯をつかんで私に握らせる。
そりゃあ・・・
私が一言ごめんなさいって謝っちゃえば
きっと飛鳥は笑って許してくれる。
いっつもそうだったもん。
でっでもさ!!
「でも!別れるとか言うのはどうかと思わない!?」
「そりゃあ・・・まぁ・・・」
「ホラね!!」
「でも 燐がしたことのがショック度は高いね」
「・・・・・・」
「ホラ!!見栄張ってないで!謝りな!!」
「・・・ハァイ」
「んじゃ帰れ ホレ!!」
夢乃はそう言って私を追い出す。
「う・・・バイバァイ・・・」
「ハイ バイバイ!」
「・・・・・・・」
とぼとぼと家へと向かう。
謝っちゃおうかな・・・やっぱし・・・
けど あんな偉そうなこと言っといて今日のうちに謝っちゃう?
それは・・・なんか悔しいっていうか・・・・・・
けどこのままケンカもいやだし・・・
「もぉ 飛鳥のバカ!!!」
「誰がバカだ ちび!!」
「!!!」
後ろからの声にふりむくと飛鳥。
「なななな・・・なんっなんっ なんで・・・いんの!?」
動揺丸出しの声。
「文房具屋行ってたんだよ 悪ィか」
「わ・・・悪くはないけど・・・」
「・・・んじゃ」
「ちょっ待って!!」
やっぱ謝ろ!!
なんかやっぱ飛鳥怒ってるっぽいし!!
慌てて飛鳥の腕をつかむと飛鳥は私を見下ろす。
「・・・何」
「あ・・・あのね!!今日・・・」
「さっさと言えよ なんなわけ?」
そんな 冷たい目で見ることないじゃん・・・
せっかく謝ろうとしてんのに!!
「別に!!なんでもない!!」
フンッとそっぽを向いて走り出す。
しばらく走って後ろを見たけど飛鳥はいなかった。
「・・・フン 追いかけてくれたっていいじゃんか」
ボソッとつぶやいて家に入った。