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第52話 白雪姫3

「じゃあ・・・春日部とカノンは放課後残って打ち合わせするか!」


先生が立ち上がって急に仕切り始める。


あーあ・・・とめに入ってよね・・・


飛鳥は心底不機嫌な顔をしている。


けど 飛鳥が悪いよ!!


劇なんだから・・・演技なんだからさ・・・






放課後になると飛鳥はさっさと教室から出ていってしまった。


何さ あれ!!


私は悪くないもんね!!







結局先生と委員 カノンとの4人で大体の流れや衣装等の打ち合わせをして帰る。


「燐ー 俺送ってくよ♪」


カノンがにこにこしながら言う。


「結構 アンタと帰ったって不審者に会ってるのと変わんないしー」


にっこりと愛想笑いを浮かべるとカノンはため息をついた。




下駄箱に行くと見慣れた人影。


「・・・なんで いんのさ 帰ったんじゃないの?」


思い切り動揺しながら言うと飛鳥は目線をそらす。


「・・・お前 ホント白雪姫・・やめろよ」


「はぁ?」


「夢乃がさ、かわってもいいって言ってた。かわれよ」


「やだよ なんでいまさら?第一なんで飛鳥が言うわけ?関係ないじゃん」


「関係あるだろ!」


「・・・なんなのさ」


態度でかくて 『別れる』あんて軽々しく口に出して


今度はなんなわけ?


私にどうしろと?


「・・・頼むから やめてくれよ」


「意味わかんない 理由は?」


「・・・・・・・お前が他の男といるとこ見たくない」




わがまま



すぐにその言葉が浮かんだ。



「・・飛鳥 わがままだよね」


「え?」


「なんなの?あーだこーだ・・・うるさい 彼氏だったら彼女の全部を縛っていいんだ?私は他の男の子といちゃいけないんだ?おかしくない?それって」


飛鳥のことは好きだ。


だけど だから他の男の子とは喋らないとか


そういうのはおかしいと思う。


「演技だよ?劇だよ?それでもだめなの?私がカノンとつきあうとでも思うわけ?そんなことあるわけないじゃん!」


「わ・・・わかってるけど!!」


「わかってるならなんなわけ?」


「とにかく!夢乃と変われ!!」


「やだ!!飛鳥のわがままをなんで聞かなきゃいけないの!?私は飛鳥とよりカノンとしたいよ!!」


飛鳥としたって こういう風にあーだこーだ言われるんなら にこにこ笑ってるカノンのほうがいい。


カノンのことは嫌い 正直こわい。


だけど あーだこーだ言われるよりはずっとマシ。


にこにこ愛想笑い浮かべてる人のほうが ずっとずっといい。


私は飛鳥の横はさっさと通り過ぎて、1人で帰った。





寒い



冷えた手はとても冷たくて 震えてきた。


後ろを見ても飛鳥はいない。


この寒さの中 1人で静かな下駄箱で待っててくれた


やさしい


だけど いちいち口出しするのはおかしいよ





はーっと冷えた手に息を吹きかけた。




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