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第34話 名無しの手紙 ラブレター?

「・・・燐」


「あ、飛鳥!どうしたの?」


下駄箱で待ってた燐は俺に気づくとぱあぁっと明るい顔をした。


それがどうも可愛くて口が持ち上がってしまう。


「や、別に?ゴメン 暇だったろ?寒かったか?」


「ううん 大丈夫!あー最近寒いよね」


そっと燐の頬に触れるとひんやりと冷たかった。


「冷たッ ゴメンな・・・早く終わらせるつもりだったんだけど・・・」


「ううん 大丈夫だよ?ね、帰ろ?」


「ん・・・そーだな ちょっと待って」


靴を履こうと上履きを脱ぐ。


パサッ


「・・・あ?」


靴から小さな紙が落ちた。


よく女子がおりがみみたいにしておってる手紙の形。


「なんだこりゃ?誰かと間違えたのか?」


が 裏返してみると確かに『島村君へ』と書いてある。


うちにクラスに俺と同じ『島村』はいない。


ってなると・・・なんだ?


「不幸の手紙かぁ?」


ため息まじりに言うと燐が手紙を奪う。


「?燐 どうかしたか?」


燐は返事をせず手紙を開く。


小さな紙に小さな女の子の文字が書かれていた。


『突然のお手紙すいません

 私は貴方と同じクラスの者です。

 入学式の時から貴方と見ていました。

 貴方のことが好きです。

 きっとふられるけどふられるのが怖いので名前はかけません。

 私のことを見つけて 返事をしてくれたらうれしいです』


「・・・はぁ?」


俺のことが好きィ?


同じクラスの女子で?


誰だこりゃ


「誰だかわかるか?」


「わっわかるわけないじゃん・・・」


燐はかなり動揺してるみたいで声が震えてた。


「燐?どうした?」


「・・・・・・・・・」


「燐?」


「だ・・・って 誰だろ・・・私・・・だって・・・」


「落ち着けよ 俺が燐以外の奴好きになるわけないじゃん。ましてそんな名前も名乗れねぇような奴・・・」


「・・・本当に?」


不安そうに 俺を覗きこむ。


「本当だよ?」


そんな燐に顔を近づけると燐は俺の肩をつかんで拒んだ。


「へ?燐?」


「げっ下駄箱なんて誰が来るかわかんないでしょ!」


「あ・・・あぁ 悪い」


まぁ なぁ・・・


そりゃ 誰からか気になるのが本音だけど・・・


今のところうちのクラスで『可愛い』とか思うのは燐ぐらいだし・・・


誰でもいい気はする。


だけど 返事もせずに放置もなぁ・・・


まぁ、これがからかってるとかなら別だけど


本気なら・・・悪いよなぁ・・・


なんて言ったら 燐が不安になるからやーめた


まだ不安そうな顔をしてる燐の手を握る。


「ホラ燐 帰ろ?」


「え・・・」


「燐 好きだよ」


顔は見ずに 燐の前を歩いて言う。


顔なんて見ながら言ったら 赤面でカッコ悪いから。


言った後でやっぱり血が顔に集まってく感じがする。


つかんだ燐の手に力が入るのを感じた。





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