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第22話 変わらない教室 だけど変わって見える

昨日と変わっていない校舎


昨日と変わっていない    教室


なのに 入りたくない


ゲタ箱を見て 飛鳥がもう教室にいる事がわかってた。


「・・・何してんの 早く入ろうよ」


後ろから夢乃の手が伸びて ドアを開ける。


「!」


入るしかないじゃん


はぁ・・・とため息をついて教室に入る。


教室を見回すと飛鳥と目があう。


飛鳥は克哉たちと話してたらしく窓の隅にたまってた。


目があった瞬間 心臓が暴れ出した。


「・・・・っ」


早歩きに席にたどり着き荷物を置く。


そしてすぐ廊下へ出た。


「・・・はぁっ」


息が苦しい


おかしいな




ガラッ


教室のドアが後ろで開く。


見ると不機嫌そうな顔をした飛鳥。


「・・・・・・」


「!!」


慌てて逃げ出そうと右足を前に出すと右腕をつかまれる。


「な・・・っ!?」


「逃げんなよ」


「・・・ッッ」


「返事は?」


「・・・・」


ジッとこっちを見てるのがわかる。


だけど 私はそっちを見ることができない。


見られてる と思うだけで心臓の奥がジン・・・と熱くなる。




溶けてしまいそう




「・・・別に ふられても平気じゃないけどしょうがないと思ってる」


「そんなこと・・・!」


慌てて反論しようとした口に力を入れる。


そんなこと・・・言わないでよ


「・・・待つって言ったけど そういう態度ばっかだったら待てないんだけど?」


ため息まじりの声。


「し しょうがないじゃん!」


「は?」


「わかんないんだもん!飛鳥の事 好きかもしれないけど人好きになったことなんてないからわかんないし!」


まだ朝早くはないから人が少ない。


しかも 廊下に限っては人がいない。


だから少々大きな声で喋ったって平気。


「夢乃に相談したらそれは好きだと思うみたいな事言われたけど実感ないし・・・ッ」


飛鳥の事は大事なんだもん


「いい加減な返事なんてできないんだもん・・・」


言ってるうちに涙が溢れる。


飛鳥の不機嫌そうだけど 違う


今まで見たことない表情


それを視界に入れるたび 胸がつぶれそうになる。


「・・・ゴメン ごめんな?」


飛鳥の手が私の頭に触れる。


「・・・ッッ」


下を向いて目を手でこする。


「燐の気持ちよく考えずにキツイこと言ってゴメン」


「・・・ぅん・・・」


「あ〜〜〜泣くなよ 俺が泣かしたみたいじゃん いや実際そうか あ〜もう;;」


「・・・ッ」


「俺はお前の事が好きだから。それはハッキリわかってる だからよく考えていいよ?」


「・・・ん アリガト」




飛鳥が優しいのは知ってた


だけど 私は


この優しい人に辛い思いをさせてるのかもしれない



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