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第21話 燐の気持ち 夢乃へ

「〜〜〜〜〜ッッ!!!!!!!!!!」


言葉にならない叫び。


ドアを閉めた後すぐ座り込む。


意図的じゃない 腰が抜けてしまった。


飛鳥が好き!?誰を?私をぉ!?


「あ・・・ありえん・・・ッッ」


顔が赤いのがハッキリわかる。


ゆっくり起き上がって夢乃に電話をかける。


「ハイもしもしー」


「もしもし夢乃!!?」


「んー 燐?」


「そう!!ねぇ!飛鳥に告白されたあ!!!!」


夢乃の返事がない。


「・・・はぁ、そう」


そうって・・・そんだけ!?


「なんかもう頭ぐしゃぐしゃで・・・ッ」


「んー・・・燐はどうしたいの?」


「どうって・・・よくわかんない!飛鳥の事とかあー!なんか頭ぐしゃぐしゃしててイラつく!」


「パニック状態なのはいいけど声のボリューム落として。耳痛いから」


ドライな夢乃も好き・・・うぅ


「そんな状態じゃ話になんないでしょ?明日朝迎えに行くから。行きの道で話そ?」


「ぅ うん・・・ッ」


電話が切れて はーっとため息をつく。


なんとなく落ち着いた。


夢乃の声を聞いたからかも。


それでも胸がドキドキして・・・


これで夜寝れるかな・・・






結局その日はぐっすり眠った。


次の日の朝


寝たらさらに落ち着いた気がした。


けど 飛鳥の顔が頭から離れなくて 心臓はうるさかった。


どうしよう・・・


ピーンポーン♪


夢乃だ!!


慌てて玄関に向かいドアを開ける。


「おはよう」


夢乃がにっこりと笑って言う。


「お・・・おはよ・・・」


「落ち着いた?」


「うん・・・寝たらスッキリしたかも」


「ならよかった」


ガチャンッ


鍵を閉めて夢乃の横に行く。


「で どうするの?燐は」


「どう・・・って・・・わかんない」


「わかんないって?」


「だって飛鳥の事好きかわかんないんだもん・・・」


「あー・・・そっか・・・」


「飛鳥がなんで私の事好きなのかもよくわかんないし・・・」


「それは本人に聞けばいいよ。問題は燐の気持ちよねぇ・・・」


わかんないよ


人を好きになったことなんて・・・


「そうだなぁ・・・じゃあ考えてみな?もしも飛鳥に自分以外の彼女ができたらどうする?」


「ゃ やだ!そんなのいや!絶対や!!」


思わず大きな声で言うと夢乃はくすくすと笑った。


「ならじゅうぶん。」


「へ?」


「燐は飛鳥の事好きなんじゃない?」


「・・・そなの?」


「うん 飛鳥の事考えてみて?」


飛鳥・・・


小学校の頃から一緒で 仲がよくて


第一印象は『可愛い』だったかも。


昔は可愛かったもんなぁ・・・


なのに いつの間にかかわってた。


『男の子』になってしまってた。


背にしても力にしても


昔は私のほうが上だったのに。




飛鳥の顔が浮かんで 胸がぎゅっとしまった気がした。


夢乃が口を開く。


「胸がドキドキしたりした?」


「ぅ・・・ん・・・」


「・・・私は燐じゃないから 本当の事はわからない。」


「・・・・・・」


「だけど 燐の今の様子を見たら 飛鳥の事好きに見えるよ?」


「え?」


「顔真っ赤」


「!!」


手で顔を覆う。


確かに少し熱い。




けど


夢乃にそういわれてもイマイチ実感がわかなかった。


だって 人を好きになったこと あったっけ?


だから どうにもよくわからなかった。




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