第20話 燐への気持ち 自覚
顔を赤くして喋る燐が凄く可愛く見えて
離れたくなんかない
むしろ
お前が離れていくかもしれないっていう気持ちのほうがある
この感情の名前を 俺は知ってる
燐を抱きしめる。
理科室で感じた 燐の体温。
肌の感触 筋肉のほとんどないやわらかい体
『ドクンッ』
今 大きくなったのは 俺の胸か?それとも・・・・・・?
どっちでもいい
新一 お前に感謝・・・しようかな わからない
結果による
燐を離す。
燐は不思議そうに俺を見る。
愛しい
「俺の事嫌いに・・・」
こんな事言いたいんじゃないけど
けど 不安だ
言って お前がもしも離れていったら?
俺が離れていくのが不安だといったけど
それは・・・
「好きだ」
言った後 視界がゆがんだ気がした。
緊張のためか?
血が集まっていく。
胸がドクンドクンとやかましく暴れる。
燐は口を少し開けたまま俺を見た。
「お前の事好きなんて ありえないと思った」
「・・・・・」
「幼馴染だし・・・ってそれだけの理由なんだけど 好きなわけないって思った」
だけど
「・・・ッ 可愛く見えてしょうがない」
お前の事が どうしても
「我ながら気色悪い・・・けど どうにもお前を見ると・・・抱きしめたくなる」
あぁ 気色悪い
俺は変態か?もしや
だけどそれは真実で
「なんていうか・・・今でも少し抵抗はある・・・けど」
「お前の事好きなのは確か・・・なんだよ」
燐の顔も赤い。
あぁ 抱きしめたくなる
もっと もっと近くへ行きたくなる
燐の心の近く
燐の口が動く。
「ご・・・めん」
ごめん?
一瞬 視界がまたゆがんだ。
「か 考えさせて・・・ください」
「・・・も もちろん!!それは!そうだよな!驚くよな!・・・あはっ あはははっ」
何を動揺しまくってんだ俺は
あぁ ふられたかと思った
だってごめんとか言うんだぞ?おい
アアアア ビックリした!!
その後俺は燐を家まで送った。
その間燐はずっと顔を赤くしたままうつむいてて 俺の顔を見ようとしなかった。
「じ じゃあ・・・送ってくれて アリガト」
燐がやっぱりしたを向いて言う。
「・・・あぁ 明日学校で。」
「う うん じ・・・じゃあ・・・」
「燐」
「な 何!?」
・・・警戒してほしくないんだけどなぁ
「もしもお前が俺をふったとしても俺は離れていかないよ。絶対。お前の事が好きな俺でもそばにおいてくれるんなら 俺は離れては行かない」
離れていける わけがない
「だから 正直な気持ち聞かせて欲しい」
カッコつけてるんじゃない
本当にそう思ってる。
「し 正直・・・混乱してる」
「・・・・・・」
「全然気づかなかったから そんなこと」
そりゃな 俺だってさっきやっと完璧に自覚したんだから。
「飛鳥の事・・・・・・・・・正直 意識してる」
燐はかあっともっと顔を赤くする。
「急に ドキドキしたりするし・・・・・・・」
「けど これが恋愛感情なのかどうか 今の私にはわからない・・・から」
「・・・うん」
「だから 時間をください」
やっと燐が俺の目を見た。
俺はにっこり笑って燐の頭を撫でた。
「待つよ?俺は離れていかないんだから。」
「・・・うん」
燐はようやく笑って 家へはいっていった。
パタンッ
ドアが閉まる。
俺はため息をついて家へ向かった。
なんとなく スッキリした。
ホラ なんか 空なんて見上げてる。
なんで今まで 気づかなかったんだろう
こんなにも アイツの事が愛しいことに