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第18 保健室で

保健室のベッドに横になる。


教室で 飛鳥・・・どう思うだろ


でも 飛鳥が悪いんだよ!あんな一方的に怒るから!それに・・・


『少し・・・』


何さ それ。


離れていかないって 言ったくせに


ねぇ 飛鳥・・・。


男女の友情って 本当はないの?


今になって思う。


本当は・・・・・・


結局は男と女なの?


ねぇ 飛鳥・・・・






飛鳥と離れるのが こんなに苦しいって言ったら 困っちゃう?


ねぇ・・・


ずっと ずっと一緒にいたい・・・離れてほしくない・・・


それは 私のわがまま・・・なの?





寂しいって 思ったら わがままかなぁ?












そんなことを考えてるといつの間にか眠りについてた。






「・・・んっ」


不意に誰かの手が頭に触れたのを感じた。


「・・・・・・・誰?」


先生?


目を開けるとそこにはにっこりと微笑むカノン。


「カ・・・ノン・・・?」


「ゴメン 目が覚めちゃった?」


「ん・・・大丈夫 少し起きてた」


「そっか 教室戻れる?みんな心配してたよ?」


・・・みんな


みんなって誰?夢乃達?


飛鳥は?


「・・・・・」


「何かあった?」


カノンが私の顔を覗き込む。


カノンに 言っていいこと?


わかんない


「・・・別に・・・なんでも・・・ない」


「なんにもないようには見えないけど?」


「ッ!」


「や、言いたくないならいいんだけどさ!」


私のモロ『図星です』と言ってる顔にカノンは慌てて首をふる。


「・・・男と 女が・・・ずっと友達なんて無理なの?」


「へ?」


「ずっと 飛鳥ってそばにいるって思ってた・・・ずっと友達で きっとずっと隣にいてくれるって思ってたの・・・」


言い出したらとまらなかった。


「けど そんなの無理だってわかってきて・・・飛鳥に『距離おこう』って・・・言われて・・・ッッ」


もう カノンの顔見れない


「そしたらすごい苦しくて 泣きたくなって・・・やっと気づいた 飛鳥に彼女とかできたらどうなるの?飛鳥は私達よりその子選ぶに決まってるもん・・・ッッ!」


また涙が溢れ出す。


とまらない この口が


動いて 本音ばかり吐いて


「そしたら離れてく・・・そんなのやなの!!そう思ったら寂しくなって・・・」



お願い





強がらせてよ もう少し・・・






「なんで・・・・っ」


なんで今さら 気づいたんだろう




カノンが私を抱きしめる。


カノンの背中につかまる。


「〜〜〜〜〜っっ」


カノンの制服を 涙で濡らす。


急にカノンが私から離れる。


「・・・燐」


「な・・・に・・・?」


ボロボロと流れる涙で視界がゆがんで・・・顔が見えないよ?


「好き・・・なんだ」


「へ?」


「俺 燐の事・・・好き・・・なんだ」




ホラ また


「本当は 幼稚園の頃も好きだった・・・けど もうないって思ってた・・・んだけど やっぱり好きだ 今の燐も 昔の燐よりずっと!」


「や・・・ッ」


「俺は燐の事好きなんだ!!」


「やめて!!!!」



カノンを突き飛ばして保健室を出た。




なんで?



カノン


なんでそんなこと言うの?


ねぇ


カノンと私も友達じゃダメ・・・なんだ


ねぇ


言わないでよ そんなこと


「・・・ッッ」




コンクリートでできた灰色の床を涙が濃い色に染めた。

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