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第16話 飛鳥の怒り

飛鳥がかばってくれたおかげでどこも痛くない。


飛鳥 顔が見れないけど大丈夫かなぁ?


本が落ちてくる時 抱きしめて守ってくれた。


私を自分の方に引き寄せた時 ぐいって・・・


わ 何私赤くなってんの!!?


だって 飛鳥すごい力強くて・・・なんかドキッとしたんだもん・・・


なんかまだドキドキしてる。


飛鳥の胸の中は凄くあったかくて 安心できた。


男の子 なんだよね


なんか今さら納得。


私とか 夢乃とか・・・明美とか・・・。


それから新一や克哉


みんな同じだと思ってたのに


小学校の頃も あんまり背だって変わらなかったのに


中学生になって いきなり抜かれて


いつの間にか全部抜かされてた。


なんか・・・今さら 気づいた気がするなぁ




本を全部片付けて私達は教室へ戻った。


教室へ戻ると新一達がニヤニヤしてた。


「???」


なんで笑ってるのかわからないまま席に着く。


「あぁ、2人共ありがとう。」


先生がにっこりと笑う。


授業中なのに さっきの飛鳥の事が頭から離れない。


ずっと胸がドキドキしてる。


飛鳥の事 ずっと変なのって思ってたけど・・・


今度は 私が変な人になっちゃったみたい・・・




キーンコーンカーンコーン♪


チャイムが鳴って休み時間。


わっとみんながうるさくなる。


話した事もない女子や男子が私の両腕をつかんでひっぱってきた。


「え!?ちょっ なんなの!?」


先生のいない黒板の前に立たされる。


隣には飛鳥。


「え?え?え?何?」


飛鳥はため息をついていた。


不意に飛鳥の顔を見るとすっごい不機嫌。


いままでにないくらい 怒ってる・・・


「理科室で2人で何してたのー?」


「ずいぶん帰ってくるの遅かったじゃん!」


「2人共授業中ボーッとしてたし!!」


喋った事もない 顔も 名前もわからない人達が笑いながら言う。


新一や華穂達もくすくすと笑ってる。


な・・・・っっ!?


顔が真っ赤になるのがわかる。


「燐ちゃん顔赤いよー!」


「!!」


急に腹が立ってきた。


なんでこの人達にこんな事言われなきゃいけないの!!?


「2人共つきあってるのー?」


飛鳥と私が!?そんなわけないじゃん!!!


全然知らない人が・・・変な事勝手に言わないでよ!!!


かといって 怒鳴るわけにもいかない。


隣のクラスの子達まで集まってきてる。


否定も肯定もできず 顔が赤いのもおさまらなくて






急に泣きたくなった。


「燐!」


夢乃達の声が聞こえた。


ドンッッッ!!!!!


1番前の 誰かの席を飛鳥が蹴る。


『ガチャンッ ガンッ』


派手な音をたてて机と椅子が倒れ 中身がなだれる。


「あー!俺の机!!何すんだよ!!」


「ふざけんなよテメェ等!!!」


飛鳥のひどく怒った大きな声。


ずいぶん 久しぶりに聞いた。


ううん 以前聞いた時よりずっと迫力があって・・・


「ある事ないことギャーギャー言ってんじゃねぇよ!!バカ犬みてぇに吠えてんじゃねぇ!!ふざけんな!!!!」


「ぁ 飛鳥 落ち着いて・・・」


「燐も何か言えよ!!」


「でっでも・・・」


「・・・次言ってみろよ 女だろうと容赦しねぇぞ」


飛鳥はみんなを睨みつけると私の手をひいて教室を出た。


廊下にたまってた人達はさっと道をあける。


「ぁ 飛鳥!なんなの!?ねぇ!」


なんで そんなに怒ってるの?


人気のない階段の踊り場。


「お前も否定しろよな!!黙ってんじゃねぇよ!」


「だっだって・・・なんて言えばいいのかわかんなかったんだもん!!」


「顔赤くして泣きそうな顔しながって!!あれじゃからかわれて当然じゃねぇか!!」


「そっそりゃ・・・そうだけど・・・」


そんな風に怒られたら 何にもいえないよ・・・


「ッ 少しの間俺に近づくな」


そう言って飛鳥は階段をかけ上がってった。


「・・・・・何さ」


なんでそんなこと言うの?


近づくな なんて


離れていかないでよ


お願いだから どこかに行かないでよ


おいてかないで


「・・・・っっ」


泣きそうになるのを堪える。


なんで こんなに心臓が痛いの?


死んでしまいそう


痛い・・・苦しい


運動もしてないのに 息が切れる。


立ってられなくなってしゃがみこむ。


「・・・ッッ 飛鳥」


私の事 嫌いになったの?


もう 私と関わりたくないの?


離れていっちゃうの・・・?


いなくなっちゃうの?ねぇ・・・




「春日部さん?」


担任の先生が下から上がってきた。


「どうした?気分でも悪いのか?」


「・・・・・・先生 保健室・・・行っていいですか?」


「え?う うん・・・大丈夫か?ついていこうか?」


「・・・1人で行けます」


立ち上がって階段を下りる。


教室には 戻りたくなかった。



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