第10話 1人ぼっちの家
「まったく 飛鳥なんだったんだろ?」
家に帰って自分の部屋に入る。
自分の部屋・・・っていっても全部自分の部屋みたいなものなんだけどね。
私は1人暮らしをしてる。
母親と父親は海外に暮らしてるんだ。
父親が仕事で海外に単身赴任したと思ったら母親はすぐに私よりも父親を選び海外へ行ってしまった。
結果私はこのマンションの広い部屋で1人ぼっちになってしまった。
毎月通帳に生活費が入ってくる。
それは高校1年生の女の子が暮らすにはじゅうぶんな金額。
とはいえ 女子高生っていったら・・・流行がどうとかでお金使っちゃうイメージがある。
そうならないようにはしておかなくては。
ベッドに寝転んで白く広い天井を眺める。
飛鳥 どうしたんだろうなぁ・・・
何か言いたげな顔してたし 怒ってた。
私 何か悪いことしたっけ?
カノンの事・・・とか 聞きたくないだとか
意味わかんないよ・・・
明日気まずい・・・かも
飛鳥とは 仲良くしてたいのになぁ・・・・・・・・・・
「あ〜!!飛鳥のバーカ!!」
チャララー♪
携帯からの着信音。
「うん・・・?」
誰だろ?
グループの9人には全員同じ曲を設定してるから誰から来るのかわからない。
わけようって何度か思ったけど・・・誰にはなんの曲があうのかわからない。
結局9人共青春物の曲を設定してる。
携帯を見ると夢乃からだった。
「夢乃ぉ・・・?」
なんだろ?
話したい事なら一緒に帰ったんだから話せたはずなのになぁ・・・
体はもう寝る準備を始めていたみたいで なんだか見にくい。
メールを開いた。