盲目の魚
水槽の底に沈む
僕を眺めてた
俯瞰
ガラス越しに映る世界は
ひどく歪んで見えて
法がなかった
君がくれた光の粒が
ゆっくりと舞い降りる
肺を満たした酸素が
少しずつ僕を蝕んでいく
ああ呼吸ができない
もう何回も
また同じ夢を見る
君の言葉が棘のように
心臓に突き刺さるたび
傷口はただ君の名前を呼んで
塞がらないままでいる
寄生され規制する
何かを出す為に
盲目の魚 君の姿が見えない
ただ揺らぐ水面だけが
僕の居場所を教えてくれる
いっそこのまま君の声を聴かずに
淡水をずっと泳いで
それで濁った水の中へ
永久に溶けてしまえたなら
この頭の悪さは誰にも知られずにいられる