第二話「嘘で作られた記憶と、三人の欠けた才能」
魔王幹部になった黒沢悠真いやもうその名ではない魔王幹部ザイン果たしてザインは今どんな状況なのかそして自分のスキル嘘とは何なのか少しづつ真実へと近づいていく
「とりあえず今の状況を整理しよう。まず俺は、魔王幹部“ザイン”。記憶はないけど、自分の現状くらいは把握できるはずだ。
…どうやって情報を聞けばいい?部下と初対面で会話できるのか?いや、もういいや。やけだ。厨二病風でいくしかない。
――――――
「今日の予定はどんな感じだ、我が部下よ?」…いや、分かんねーよ。厨二病風って何だよ。
「はい。本日の予定は魔王幹部会議がございます。他はいつも通りでございます。あと…」「あ、なんだ?」「今朝、喋り方が変だと感じたのですが…気のせいですか?」
やばい。もう見抜かれた。こうなったら――俺のしゃべり方は元から厨二病風だったと強弁するしかない。
「失礼な質問をしてしまい申し訳ございませんでした。…いつも通りの喋り方でございました。」ふぅ、危なかった。まぁ今は魔王幹部会議への参加が優先だ。さっそく着替えて部屋を出た。
――――――
部屋を出ると、城の中と思われる広い廊下が視界に入る。小さくはない。むしろ俺からしたら充分大きい場所だ。
どうやら俺は人間だが、魔王軍では「種族不明」とされているらしい。こっちには人間がいないから…おそらく、嘘スキルで“種族不明”に自分を信じ込ませたのか、それともこの世界の人間感覚では、俺は人間ではない扱いなのか。
どちらでもいい。今は軍構成の情報を手に入れるしかない。嘘からまるで霧の奥から浮かび上がってくるように記憶が出てきた。
記憶は断片的だ。魔王軍の構成や組織の大枠はぼんやりわかるが、俺以前の幹部だった人物の記憶はない。たぶん俺のスキル《フェイク》は、他人には嘘を信じさせられるけど、自分には経験がなければ効かないタイプだ。つまり、自分自身の嘘を信じ切るには、裏付け――具体的な体験が必要なんだろう。
今、記憶は一部分だけ戻った――少なくとも、「俺は魔王軍の中で最弱であり、もし魔王討伐が起きるなら最初に倒すべき幹部」だという情報は確かに入った。雑魚兵は最も弱い部類。だが、幹部には中ボス的な“部下”が3人いる。さっき起こしに来たのが、その一人だった。
一人目:セラ=ヴァンディーネ
•起こしに来たメイドで側近。掃除や食事など家事全般を担当。
•強さは中ボス序盤レベル。忠誠心は高い。
•あの完璧な笑顔の裏に何があるんだろうな……ちょっと怖い
二人目:ノア=シェイド
•無口で人前では弱気に見えるが、戦闘能力はトップクラスの魔法使いタイプ。
•ただし、「怠け者」でほとんど動かないらしい。
•喋らない。でもその目が一瞬光ると、空気が凍る
三人目:ミュゼ=トリル
•最年少で接近戦向け。若さゆえ実戦経験は乏しく、まだ育成中。
•元気だけはある。いや、元気しかない……のか?
全員女性。いや、差別とかじゃなくて……。俺が入る前のこの軍って、トンでもねえんじゃね?色々と主観的な意見が多いけど。
ま、時間もない。今はこの状況を考えても仕方ない。もうすぐ魔王幹部会議が始まる。まだ準備は万全じゃないが――ここからだ。魔王幹部としての本当の勝負は、ここからだ。そして……問題は、俺がこの“最弱の軍”をどう変えていくか、だよな。
投稿遅れてすいませんでした。リアルの方が忙しいもんで。
今回は上手くできていないかもしれないですが何卒よろしくお願いします。
そういえば今回は文字数が安定してないな〜