第1話 異世界召喚そして魔王幹部
自分異世界もの書いてみたくて書いてみました。
魔王もいいけど魔王幹部の方が私は好きです。
俺の名前は黒沢悠真。今年で高校1年目だ。今日もいつも通り、朝の挨拶が終わったらすぐに寝る。これが俺のルーティンだ。一応、授業中は起きてるぞ。成績に関わるからな。……と、誰に向かって解説してるのかわからないけど、とりあえず寝た。
「はー、よく寝た」目が覚めると、いつもの机と椅子――そして、辺り一面に広がる草原。……いや、ここどこだよ?
「やあ、こんにちは。いや、君たちの時間だと“おはよう”か。まぁ、そんなことはどうでもいいか」どこからともなく声が響いた。「私は神だ。突然言われても分からないと思うけど……まぁ、それもどうでもいいや」
「なぜこんなところに私たちはいるの? 早く学校に帰して!」クラスの委員長が訴えるように声を上げた。
「まぁ、そう言うな。ちゃんと帰してやるよ」その声は、まるで甘い囁きのように聞こえた。
「本当? じゃあ早く――」「ただし、この世界の“魔王”を討伐したらな」
「「はあああ!?」」クラス全員が、多分同じ考えになっていたと思う。――高校生が、魔王討伐なんてできるかよ。
「まぁ、いけるだろ。神からのささやかなプレゼントもあるんだし」そう言うと、俺の目の前に文字が浮かび上がった。多分、他の奴らの前にも出てるはずだ。
スキル:嘘
……何それ。それ以外、何の説明もない。説明なしってどういうことだよ。
辺りを見渡すと、みんな自分のスキルを使い始めていた。俺も試そうとしたが……使い方が分からない。結局、俺だけがスキルを使えなかった。
そんな中、クラスの陽キャがニヤつきながら近づいてきた。
「お前、スキル使えないのかよ?」「ダサすぎんだろ。女子でも使えてるぞ?」
数人で笑いながら煽ってきた。ぶん殴ってやりたかったが、相手はスキルを持ってる。無視した。
その時、神がミッションのようなものを提示してきた。内容は――近くの森を抜けた先の渓谷にいるモンスターの討伐。いわゆる“チュートリアル”ってやつだ。
クラスの代表たちが指揮をとり、みんなで渓谷へと向かう。俺は運動神経が悪く、皆より遅れていた。自然と足手まとい扱いだった。
渓谷に到着すると、大きな谷があり、そこに一つの橋がかかっていた。今にも崩れそうなその橋を、みんなは何事もなく渡っていく。
俺は最後尾だったので、慎重に歩いていた。すると、さっき俺を煽ってきた陽キャたちが橋の向こう側で待ち構えていた。
「おせーな、お前」「ま、ここでお別れだからいいけど」
そう言って、奴らは橋のロープを切った。
足元が崩れ、俺は谷底へと落ちていく。その瞬間――俺は強く願った。
俺が魔王幹部になって、こいつらを倒す。
――そして、目が覚めた。ベッドの上だった。
どういうことだ? 俺は確か、谷に落ちて死んだはずじゃ――
ふと見ると、スキルの表示が変わっていることに気づいた。
スキル:嘘――嘘を信じれば、それは真実になる。
……つまり、俺はスキルの力で、「魔王幹部になる」という嘘を信じ、現実にしたってことか。
「お目覚めですか、ザイン様。朝の会議の時間ですよ」そう言って入ってきたのは、見たこともない美少女。おそらく、俺の部下らしい。
俺は心の中で決めた。クラスメイトたちは、魔王を倒さなければ学校に戻れない。だったら――俺が魔王幹部として、全員を倒す。そして、この世界から逃げられないようにしてやる。
これは、魔王幹部になった俺の物語だ。
次回投稿はいつか分かりませんがほのぼの投稿していきます。