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更生者レストラン

作者: 厭な噺家

この物語はフィクションです。

 ここはレストラン。普通のレストランではない。受刑者が働くレストランだ。ここは、受刑者の更生プログラムの一環として経営されている。

 「お待たせしました。こちら、海鮮定食です」

 ウェイトレスがお客様の前に料理を置く。

「おー、うまそう」

「こちらの料理を作ったのは、口論の末にカッとなって相手を刺し殺したあちらのシェフです」

「へえー。人を殺す人にこんなに美味しい料理を作る才能があるんだね」

「包丁さばきには定評がありますからね。それと、遺族の方々は、刑期を終え次第、シェフを殺してやると思っているそうですよ」

「そうなんだ。まあ、更生してくれたら、それでいいよ。それにしても、これ、本当においしいね」

 褒められたシェフ、ウェイトレス、お客様、みんな笑顔である。






 ここはレストラン。普通のレストランではない。受刑者が働くレストランだ。ここは、受刑者の更生プログラムの一環として経営されている。

 「お待たせしました。こちら、おかめそばです」

 ウェイトレスがお客様の前にそばを置く。

 「わあー、いい匂い」

「こちらの料理を作ったのは、女児にわいせつ行為をしたあちらのシェフです」

「そうなんですか? あ、ここのそばって手打ちって聞いたんですけど?」

「はい。手先が器用な人なので、すぐに美味しいそばを手打ちできるようになったんですよ。それと、被害にあった女児はPTSDになってしまい、今でも通院しています」

「そうなんですね。でも、こんなに美味しそうなそばを作れるんだから、もう立派に更生できてますね」

 褒められたシェフ、ウェイトレス、お客様、みんな笑顔である。






 犯罪者が更生するって素晴らしい。更生した犯罪者を受け入れる社会はなんと美しいのか。みんな心が広くて進んでいる。笑顔の絶えない幸せな日々。






 被害者が笑えなくても、不幸でも、(犯罪者と被害にあっていない)みんな幸せ。

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