大合同入社式
手野グループはあまりにも巨大だと言われる。
実際、1つの親会社、7つの系列別中間持株会社、さらには多数の子会社、孫会社、さらにその先の会社など。
一つの国にも例えられるこのグループは、日本のみならず世界の経済をも左右するほどの大きさがある。
それゆえに、1年のうち4月1日は大騒動となる。
手野グループの入社式が行われるこの日は、グループ総出で入社式の準備に当たる。
なにせ10万人単位での入社式を行うため、大合同入社式という名称で特別本部を作って行うぐらいだ。
親会社である手野産業に特別本部は設置される。
これは、手野グループの入社は原則として手野産業が窓口となっているためである。
就職活動なども、ここが一括して行うことになっているため、その流れで入社式もここで行うことになっている。
全国で一つの会場で入社式を行うには、その人数はあまりにも多い。
そこで日本を9つの地方に別け、それぞれのところで1カ所づつ会場を設けて、そこに集まるようにしている。
ちなみに分ける基準は手野産業の事業であるコールセンターの事業所の区分けだ。
大合同入社式の式次第は、おおよそほかの企業と変わらない。
ただ、その規模が違うというだけの話だ。