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怪談ピアノの掃除当番  作者: 愛原ひかな
Ⅲ 噂の大怪盗
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クロハの秘密


「ほ、本来だったら奏宮高校にあったもので……」


「その学校の名前くらいは知っている……もともと、そこの学生だったし」


「ひょっとして、クロハちゃんは私の先輩だったの……?」


「高校での面識はないけど、恐らく……そうなる……」


 クロハが人間だったという供述。だとしたら、何故モンスターになってしまったのか経緯は知っておきたいかも。


「クロハさんはどうしてモンスターに」

「わからない……」


「わからない、とは?」


「こーちゃん、彼女を詮索するのはそのくらいにしといたら?」


「……わかりました」


 いまは、取り戻さないといけないものがある。

 胸元が少しざわめくけど、丸めた手をあてると徐々に気持ちが落ち着いていく気がした。


「ところで、これは噂であってる?」


「それは手土産です。ひとまず保管してやってください」


 いつの間にかアリスの手に渡っていた黒いトランペットを見つめたが、しばらく必要なさそうであることはわかりきっている。


 必要になれば、展示場所から持ち出す。


 それよりも、遥かに重要度の高いことをしなければならないから。


「……花音が誘拐されちゃったので、学校に向かいます」

「なるほど……それで慌ててピアノに触れたわけかい?」


「はい、アリスの仰る通りです……」


 やはり、気が落ち込む。

 怪盗ネプチューンのことなんて、思い出したくないのである。


「ところで、夏実の姿を見かけませんけど」


「こーちゃん、そのことなんだけど」


「うん……?」


「部屋に籠もると言っていたのは把握しているよね? それで、しばらくしてから様子見に行ったら、誰もいなくてね……空船のなかを探し回っても、魔女の姿は見つからなかった」


「えっ?」


 夏実が失踪した?

 兄を探す単独行動に出たという検討が要因につくけど……なにか嫌な予感がする。



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