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竜の御用聞きを目指す村娘は頑張る。

 じいちゃんたち〜竜さんたちの御用聞きは男限定ってやめちゃうべ〜


 首都ランリンディンから来たらしい考古学者さんがムコガネ〜とねえさんたちに囲まれちゃってるべ〜と思いながら竜さんたちのスイートホームのある大神殿遺跡方面に足を向けたべ〜


 なんか考古学者さんがついてきたんだべ〜奇人変人学者だべ〜

 ねえさん御一行引き連れてついてこないでほしいべ〜


 ついでに使いっぱしり(御用聞き)にならないけど一番すごいおネエさんのキュリアさんも何故かついてきたべ〜。


 「この湖も伝説の地ですよね」

 ウルヴィア湖の岸辺にある大昔の船着き場の台座を調べながら考古学者さんが恍惚の笑みを浮かべた。


 本当に村のねえさんたちがなんでこんな奇人変人をムコガネにしたいんかわかんないべ〜


 まだちっちゃいダナちゃんもギラギラと見てたべ〜


 「この巨大魚は……伝説によると竜王が爪先に引っ掛けたとか……」

 奇人変人がはねる魔鱒(エドリン)をうっとりと両腕を広げて見上げたべ〜


 あれ、一般人なら食われるレベルだから、まあ、うちの村の連中ならねえさんたちでも取れるレベルの雑魚だけんど。


 私が捕まえてあげる〜

 うちが〜

 あたいよ、あたい〜


 ねえさんたちが奇人変人にアピールしてるべ。

 まあ、美味しいごはんの素が取れるアピールは良い嫁になれるアピールポイントでいいべ〜


 ねえさんたちが隠しから武器(エモノ)を取り出して魔鱒(エドリン)を捕獲に走ったべ〜


 欲しがった奇人変人はなんか引いてるべ〜。

 いっぱい取れたら姿燻製にして竜さんに貢ぐべ〜。


 わた……わしはやらなくてもいっぱい取れそうだべ〜じいちゃんたちみたいな立派な竜さんたちの使いっぱしり(御用聞き)になるために山登り山下りはかかさないべ〜


 ま、まあ魔鱒(エドリン)はちょっと自信がないからねえさんたちにおまかせだべ〜。


 「はあ、なんで皆さんこんなに圧が強いんですかね」

 「みんな奇人……学者センセが好きなんだべ〜よりどりみどり何だべ〜」

 わた……わしはいらないけどと思いながら竜さんたちがなにか残してないか砂地の痕跡をしゃがんで見たべ〜。


 奇人変人がなんか汗をかいてるべ、熱があるなら帰るべ〜。


 うん、あきらかに珍しい食べ物を求めれるべ〜。

 ティエンタスの奇跡の牛鍋か……ウエリンスの宝珠の丸焼きか……それともインキシアの千年花のマリネか……じいちゃんたちならなんかつてがあるかも……べ〜


 わた……わしには用意できな……頑張るべ〜。


 「ランディアさん、すごい足跡ですね〜竜さんの足跡ですか?」

 なんかイライラしてるみたいです〜と奇人変人がつぶやいた。


 なんで奇人変人にわかる……べ〜。

 わた……わしだってじいちゃんたちの様子を盗み見てなんねんもかかったのにべ〜。


 動揺して竜さんに貢ぐ予定の月虹菊のきんつばを背負い籠からおとしちまったべ〜ひろうべ〜

 

 ああ〜湖に落ちそうだべ〜。

 

 「大丈夫?」

 「ありがとうだべ〜」

 キュリアさんに支えてもらったから湖に落ちないで済んだべ〜。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 ランディアちゃんったらまだ竜さんの使いっぱ〜になる気なのね。


 本当に情熱だけはすごいわ〜。


 老害どもが使いっぱ〜は男だけ、それも若い男〜と言い張ってあの子を認めないから使いっぱ〜が居なくなっちゃうんじゃない、まあ、あの子は知識はすごいけど……他に問題もあるけどね……。


 若い男なんか出稼ぎとか言ってどっか行っちゃったわ。


 幼なじみのミドリットもオウルリドもみんな街に行ってしまったわ。


 里帰りしたときなんて街の女は繊細で雪細工みたいだ怖い〜って青ざめてたから帰って来るかもね。


 でも、血をつなぐためにはあのへなちょこ学者センセみたいのが必要なのよね……私の好みじゃないけど、多少筋肉がある方がいいわ〜。


 「キュリアさんは行かないんべ?」

 ランディアちゃんがきれいな黒い目を向けた。

 「あの子達がいなくなったらもっと大きいの取ってきてあげるわ」

 だからそれを竜さんにあげたらどう? とランディアちゃんに微笑むと、とても嬉しそうに笑った。


 まあ、へなちょこ学者センセのお相手は私でもランディアちゃんでもなくてもいいと思うのよね。


 あんだけ女たちが貢いでるんだし……


 本当ならみんなランディアちゃんより強いクセにぶりっ子して……ダナちゃんだって、ランディアちゃんより強いのよ。


 だってランディアちゃん、うちの村の女の中で最弱ですもの。


 山登り山下り、たしか1日に一回しかできないはずよ。

 私なら二十往復はできるしダナちゃんだって三往復はできるわ……


 だからランディアちゃんがいくら使いっぱ〜になりたがっても老害どもが認めるわけないのよね。


 老害どもは私に本来の性別に戻って使いっぱ〜になれってうるさいけど、ランディアちゃんは私を女性として認めてくれてていい子なのよね。


 老害ども、本当に私を諦めたのかしらね?

 まあ、最近うるさくないから諦めたかもしれないわ。


 ランディアちゃんがいつか使いっぱ〜になれるように少しだけ手伝おうかしら?


 まあ、あの子よりダナちゃんが使いっぱ〜になる方が早そうだけどね、ダナちゃんは都会に行きたいって言ってたし……竜さんたちは……そのうちに様子をランディアちゃんと見に行ってみようかしらね。


 

 とにかくなんとかして、竜さんのスイートホームまで踏破するべ〜。

 三泊くらいすればなんとか行けるべ〜。


 奇人変人には負けないべ。

 帰ったら古文書(秘伝の書)読み漁って筋トレするべ〜。

読んいただきありがとうございます。

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