転生仔竜は属性がわからない
なんかキラキラしたお立ち台に乗せられた。
他の兄弟が乗ると光るのにわれが乗ると光らない、どういうわけだ?
きれいな石でできた神殿?での生活が始まった。
ちっちゃい方の兄弟は空きあらば巨大ネズミを食べさせようとする。
丸のままなんてノーサンキューだよ。
ギャウギャウ言われながらきれいな石でできたお立ち台の上に乗せられている。
それよりもわれは抱っこしてもらいたい。
そして黒い親竜、その巨大魚……われは食べられないんだが……
われの家族は黄色の親竜と黒い親竜と赤色と翡翠色の兄弟竜らしい。
うちは色々な色のきれいな石でできた神殿っぽい建物一応前世の人に似た生きもんが竜らしきものにかしずくヘタウマの崩れかけた壁画があったり、頭が下に落ちた人らしき彫刻があったりするので一応ヒト族らしきものが制作したんだろうなぁと思った。
相変わらずよくわかってないがなんとなくきゅーなんたらが名前かなって思うが、ハズレのときもありよくやっぱりわからない。
キューハだかきゅーばだかよく言われてるんだが。
相変わらず、モモみかんだのブドウプルーンだの果物生活だが……いっそ肉は生は嫌だが、魚なら……前世で生を解体してなんか茶色のタレをつけて食べてた気がするんだが……ギブミー、タンパク質〜
黒親竜がドーンと置いた巨大魚に爪をたててみた……爪のほうが割れた。
われの家族たち大騒ぎ……翡翠竜がなんか言ってたがよくわからない。
ついでに黒親竜が一撃で巨大魚を真っ二つにしたのを見てしまった。
ついでにブレスを吹いて焼いてくれれば食べられる気がするんだが……
今日も緑色のお立ち台に乗せられたらほんの少し光った気がする……気のせいか?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
キューヌの属性を調べようと魔石の台に乗せてみたが見事に光らないな。
「キューヌちゃん栄養不足かしら?」
愛しき妻ビーヌエリアが心配そうに末っ子を抱き上げた。
偏食の末っ子キューヌがキューキューキューと可愛く鳴いた。
その向こうで可愛いキュアスとキュラが楽しそうに魔石の床で転がりまわって遊んでる、可愛いが可愛いでコロコロコロと可愛いの飽和状態だ。
嵐属性が強いキュラは翡翠の鱗で同じ色の魔石を光らせ、炎属性のキュアスは赤色の鱗で赤の魔石を光らせた。
だが……キューヌはここにある魔石すべてに乗せてみたが光らない。
イヤ、緑の属性がわずかに反応したようだが、それでは属性ブレスも魔法も使えないだろう。
魔獣が駄目なら魔魚はどうかと下の水溜りに取りにいったら、ちっちゃい生きもんたちが僕に手を合わせてた。
二本足のちっちゃい生きもんたちが三十年前くらいに御用聞きに来てたことを思い出した。
最悪、ちっちゃい生きもんに変わったタンパク質を調達させるかと思いながら魔鱒をざっくり水溜りからたたき取った。
魔鱒をドーンとキューヌの前に置くと興味があるのか爪先でつついた。
そしてキューと絶望したように泣いた。
うん? 食べにくいのか?
必死に爪をたてようとしてるがまったくたたない魔鱒がピチピチしてるのでとばされそうだ。
仕方ない切ってやるかと2つに切ると怯えられた。
「キューヌちゃん、お魚もだめなのね」
ビーヌエリアは憂い顔もうるわしいと思いながらキュラとキュアスが美味しいのにと言いながら魔鱒を食べてるのを眺めた。
うん、この末っ子、なんとか偏食治させないと不味い。
でもキュラ、そのググレスクは絶対にまだ無理だからやめてやって。
緑属性を極めさせるか……あるいはちっちゃい生きもんになんか珍しいものを持ってこさせるか……ビーヌエリア……いや長老たちに相談だな。
だけど、最近はちっちゃい生きもんもこないんだよな……