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パニック関連

破滅から復興しようとしてる所に襲いかかってくるから撃退して守るしかない

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/25

「第二外殻まで接近してきました」

 報告を受けて、防衛司令官は頭を抱えたくなった。

 想定より侵攻が早い。

 圧倒的な数で押し寄せるのだから、それも当然なのかもしれないが。



「攻撃は?」

「既に開始されてます。

 ですが、排除するには至ってません」

「分かった」

 さすがに通常兵器だけでは対処が難しいだろう。

「広域散布兵器の使用を許可。

 暴徒を撃退しろ」

 冷酷な指示を、決然と下す。

 それに従い、防衛についてる各部隊は行動を開始していく。



 防衛をする復興都市。

 世界を巻き込んで全てを崩壊させた大戦後に復活した場所。

 そこには多くの者達が押し寄せてくる。

 金を、食い物を求める多くが。



 さすがにそれらに分け与えられるほど復興都市も裕福ではない。

 文明を失い、原始時代並の生活に戻った者達に比べれば豊かであってもだ。



 だから復興都市は、糧を得る方法を伝えていった。

 畑を耕し、物を造り、それらを流通させる方法を。

 それらが軌道にのるまでは、ある程度の食料も提供するつもりでいた。



 しかし、押し寄せてくる者達はそれを求めてはいなかった。

 彼らはただただ食料や金を求めた。

 自らの手で作り出そうとはしなかった。

 復興都市から吸い出そうとしていた。



 さすがにそんな事をすれば、復興都市が壊滅する。

 都市の住人が生み出せるものは、要望をまかなえるほど豊富では無い。

 それもあって、ものの作り方を伝えているのだ。



 しかし、それが理解されることもない。

「お前らはそんなに持ってるだろうが!」

 押し寄せる者達はそういって求めた。

 自分たちが豊かになれるほどの多くを。



 話し合いにもならない話は平行線をたどり。

 やがて押し寄せた者達は暴徒となって復興都市に襲いかかった。

 そこにある全てを奪い尽くすために。

 やむなく復興都市も防衛を開始した。



 無数に押し寄せる暴徒達。

 その数は膨大だ。

 どれだけいるのか分からない程に。

 それらから身を守るために、復興都市は防壁を築き上げた。

 武器を用意していった。

 迫る暴徒を片っ端から倒していった。



 最初の時はそれほどでもなかった。

 数十人くらいで襲いかかってきていた。

 だが、それがいつからの数百人になり数千人になり。

 今ではどこから集まったのか、何十万何百万という数にまでなっている。

 復興都市の迎撃態勢を漏れ聞き、暴徒も寄り集まって数で対抗しようとしてきてるのだろう。



 それらを倒すために、復興都市も様々な手段を用意していった。

 効果的に広範囲に効果をあらわす攻撃手段を。

 今、それが使われていく。



 第二外殻と呼ばれる巨大な外壁。

 復興都市の外側に設けられた、第二の城壁。

 そこに殺到した暴徒に、広域攻撃可能な兵器が使われていく。



 防毒マスクをつけた防衛部隊が、大きな散布機を用いる。

 除草剤散布機をさらに大きくしたようなものだ。

 それを暴徒に向けて、噴霧していく。

 毒ガスがあたりに蔓延していく。

 城壁近くにいた者達から、次々に倒れていった。



 無惨な光景が展開される。

 誰もが苦しみもがきながら死んでいく。

 見ている防衛部隊にもつらいものがあった。

 だが、ここで留めなければ、第二外殻が突破される。

 そうなれば、外殻の内側に作られた田畑などが破壊される。

 復興都市の食料がまかなえなくなる。



 やがて戦闘が終わる。

 迫ってきた暴徒の大半が死滅した。

 だが、それよりもはるかに多くの暴徒が退散した。

 倒れていく仲間をみて、これはかなわないと察したのだろう。

 とりあえず今回の戦闘はこれで終わった。



 だが、これで全てが終わったわけではない。

 積み重なる死体を片付けねばならない。

 でないと疫病が発生する可能性がある。

 早めに片付けねばならない。



 噴射した毒ガスは、一日もしないで分解されるので問題は無い。

 それが終わるまで、迂闊に死体処理ができないのが残念だが。



 そして、第二外殻をさらに上回る第三外殻。

 これの補修もしなくてはならない。

 今回、暴徒が第二外殻に迫ったのは、第三外殻が突破されたからだ。

 その修理も考えなくてはならない。



 何より、逃げだした暴徒である。

 何十万とも何百万ともいわれる暴徒。

 その大半が逃げだした。

 ならば、また襲撃を仕掛けてくる。

 これまでがそうであったように。

 今後もやってくるだろう。



「本当に……」

 防衛に携わった者達がため息を吐く。

 彼らだけではない。

 復興都市にいる者達の多くがやるせなさを感じる。

「なんで自分で作ろうとしないんだよ」

 働いて糧を得る。

 そんな当たり前の事をなぜしないのか?

 なぜ襲って奪おうとするのか?

 それが分からない。



 復興都市にやってくる者達の中には、それを受け入れる者もいる。

 それらが第二外殻や第三外殻の内側にある農場などで働いてる。

 工房などで道具を作ってる。

 商人として復興都市のあちこちに物資を売り歩いて、人々に物を届けている。

 そういった者達がいたからこそ、第二・第三外殻が作られていった。

 今は第四外殻が着手され、第五外殻も計画されている。



 それにより、復興都市はさらに豊かになった。

 働いて糧を得るという作業に従事する者達によって。

 それを拒否して暴徒になる理由が誰にも分からなかった。



「また来るんだろうな」

 引き下がった暴徒達の事を考えた誰かがため息を吐く。

 生き残りは、外殻の中に進入した。

 倉庫にあった蓄えも奪われただろう。

 それらで暫くは食いつなぎ、そしてまた襲ってくる。

「イヤになるな」

 誰もがうんざりしていた。



 だが、暫くはまだこれが続く。

 その事を復興都市の者達は覚悟していた。

 数多い暴徒を殲滅するのは手間がかかる。

 状況がととのうまでは、ひたすら防戦に徹するしかない。



 計画されてる反攻作戦。

 それが動き出すまでは、復興都市をより豊かにするしかない。

 豊かにして、力をつけるしかない。

 それまでは、襲われても守り続けるしかない。



 やがては終わる事。

 誰もがそう思ってる。

 だからまだ耐えられる。

 しかし、それでも気持ちが摩耗していく。

「早く終わらせたいよ」

「まったくだ」

 こうしたぼやきが、心の疲れのあらわれだ。



 それでも復興都市は今日も生産を続けていく。

 将来のために。

 何はなくとも、自分の生活の為に。

 自然と人間による災害を退けながら。

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