黒竜の谷
バステが話をきりだした。
「しかし、一つ回収したとしても残り二つが破壊されたらゴーガが自身の力で封印を解く可能性がある。残りが一つでも同じだ」
バステは話を続ける。
「『神珠』は三つでバランスを保っている。つまり、一つ壊れるとバランスが崩れる、すると封印が圧倒的に弱くなるのだ。それは防ぎたい」
バステの言葉にカルニア達三人は覚悟を決めた。
「では次に回収してもらいたいのはガンナ森林にある『神珠』だ。そこに行ってもら…」
ドガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァアン!!
激しい揺れと共に耳を割くような轟音が聞こえてきた。
「これは…ヒルグ火山が噴火したのか!?まずい!このままでは『神珠』が壊れてしまうかもしれん!カルニア!!至急ヒルグ火山に向かってくれ!危険なのは分かっている!それなりの礼はする!」
カルニアは驚いた今までバステが礼をするなど言った事が無かったからだ。つまり、これほどの緊急事態だということだ。カルニア達はすぐにバステの家を飛び出した。
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三人は行き詰っていた。ヒルグ火山へ行く為の洞窟の入り口が火山の地響きのせいなのか土砂崩れで盛大に塞がっていた。
「くっ…魔力式ダイナマイトはないのに…今更帰れないし…」
カルニアが頭を抱えていた。すると、リザールは
「おい、ここって黒竜の谷の近くじゃないか?そこを通ればヒルグ火山に行けるぜ」
「そうか!確かにそうだ、行ける!、ありがとうリザール!」
カルニアは喜び、三人は黒竜の谷に向かって歩きだした。
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黒竜の谷は400年以上前、黒竜という竜種が暮らしていた谷だ。しばらく谷を進んでいるとリザールが言った。
「さてと…いい加減出て来いよ…」
すると上から青い髪の黒いマスクをつけた暗殺者らしき男が降りてきた。その男はこちらを向いて言った。
「気づいていたのか…」
男は赤い目で威圧してきた。