少年達は動きだす
「つ、つまりその意味は…ゴーガを復活させようとする者がいれば、たやすく『神珠』を盗まれるということですか…?」
「そうだ、しかも盗んだ『神珠』を全て割ってしまえばその瞬間ゴーガは復活する…」
バステは悲しそうに、そして申し訳なさそうにうつむいていた。
「そうなってしまえばいくら我らや王国軍をもってしても敵わないだろう…それこそ創造神アステラでもいない限りな…」
その名前に皆驚いた。なぜならカルニア達が住んでいる王国と同じ名前だからだ。
「創造神アステラは破壊神ゴーガの弟、と言っても双子なのだが。400年前の聖戦はゴーガが引き起こし死闘の末、竜種の黒竜族は全滅、人間も多くの犠牲を出した後アステラと双子の父親の全能神レセルスによって地上と天界の狭間に封印された。それを崇めた人間達は100年かけて今のアステラ王国を作ったのだ」
リザールはその話を聞いてうつむいていた。それをよそにカルニアは真剣な表情で聞いた。
「ではどうすればよいのですか?」
「あぁ『神珠』は一つでも残れば封印は解けないのだ」
「つまりは『神珠』を一つでも回収すればよいのですね」
カルニアとバステは二人で話を進めていく。
「では、頼んでもいいか?」
「え?あ、はい」
カルニアは少し困惑したが了承した。
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カルニア達はスバラ洞窟にいた。大量のゴブリンやスライムを薙ぎ倒し深部まで進んで行った。
「そういえばなんでナナシはこんな奥にいたんだ?こんなにモンスターが多いのによ~?」
リザールはナナシに聞く。
「それも覚えてないです。覚えてるのは兄がいた事くらいです…」
ナナシは答えた。しばらくして石碑がある部屋のような場所の入り口についた。が、入り口が瓦礫で塞がっていた。