僕の生きるこの世界で

第一部 災厄の復活

謎の少年

　あの後、城に戻った二人はアステラ王国の国王に討伐報告をした。

アステラ王国は３００年以上の歴史を持つ国である。

「陛下只今ゴブリン討伐から戻って参りました」

それを聞いた国王は頷きながら言った。

「うむ、ご苦労だった」

リザールは失礼過ぎるほどに

「それよりよぉ～国王サン、報酬は弾むんだろうなぁ～？」

「リ、リザール！！無礼だぞ！！も、申し訳ございません！！」

カルニアは焦りながら謝った。

「まぁよい。無論、ここに１００as(アース)ある好きに使いなさい」

　asとはこの世界の通貨だ。１asが日本円の１００円位だ。カルニアはその金額に驚きを隠せないで言った。

「せ、１００asそんなにですか！？あ、ありがとうございます…！」

カルニアは驚きながらも受け取った。

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　報告を終えた二人は城から出た。すると大急ぎで城の兵士が走ってきた。

「た、大変です！！」

リザールが強めな口調で兵士に聞く。

「おいっ！どうした！？」

二人に気付いた兵士が答える。

「あ！カルニア様…！リザール様…！それが…スバラ洞窟の深部付近で人が倒れていたんです」

スバラ洞窟とはさっきまでゴブリン討伐にいた洞窟だ。カルニアが慌てて兵士に聞く。

「治療はしたのか！？」

「それが傷は一つもないんです…でも一応バステさんのところで見てもらってます…」

兵士がカルニアの質問に答えた。そこに騒ぎを聞きつけた国王が出てきた。

「一体何の騒ぎだ？」

カルニア達は国王に状況を説明した。

「うむ、なるほど…その者の特徴は？」

兵士が答える。

「はい、金髪のローブを着た少年です。歳は大体１６歳くらいかと…」

それを聞いた国王は黙り込んだ。

「………………………………」

カルニアには国王の顔が引きつっているように見えた。