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第十五話 「コルノン市崩壊の幕開け」

「総員攻撃開始!!」


 どこから現れたのだろう。地下室には応援部隊の『ゼイダース』の構成員、約二十人ほどがステージを観覧していた役員達を守るようにして、ウィルの前に立ちふさがった。


 そして、次々に<火球(ファイアーボール)>や<雷光弾>などの攻撃魔法を放つ。二十人ものギャング達の攻撃など防げるギャングはいないだろう。例え、『ロニロス』の鎧騎士、パーチェスや『ガルゴス』の殺人鬼、ベレであっても正面からの圧倒的な量には苦戦するはずだ。


 しかし、


「効かんな」


 『ゼイダース』の構成員達が放った攻撃は目の前に突如現れた巨大な土の壁によって阻まれていた。


「<巨人鎧(ゴーレムアーマー)>」


 そして、目の前にあった土の壁が形を変え、土の巨人へと姿を変えていく。


 巨人の手が二十人いた構成員達の元へと迫って来た。焦った彼らは後ろに役員達がいるので逃げることもできず、ただ己が使える攻撃魔法を自分のところに来ないように放ち続ける。


 すると、後ろにいた役員達が最後の手段に出た。


「あの女を盾にしろ!」


 すぐさま役員の指示のもと警備の者がステージにいたクロエを捕まえようとしたが、時既に遅し、


「女を男の盾にするなんて間違ってるわ 男が守るのよ 女を」


 ステージにいたクロエの隣にはサキュバスであるアリアが立っていた。アリアは両腕でクロエを優しく抱きかかえると、背中に生えていた黒い翼を開き、空に舞う。


 まるでタイミングを計ったかのようにして巨人の手がギャングの上空を通過し、ステージへと向かっていく。その異様な光景を見ていたある役員が恐ろしい未来を予想してしまった。


「あの手をステージに近づけるな!! 下にいる『ゾンビ』が出てくるぞ!」


 役員の指示に対して動ける者がいなかった。もう止められないだろうと察した者から順に扉目掛けて走り出す。


 ドカーーンという破裂音とともにステージが崩れ落ち、周りの床が抜けた。


 そして、下から『ゾンビ』達の形容しがたい呻き声が聞こえてくる。


 ウィルは<巨人鎧(ゴーレムアーマー)>を展開したままさらに奥へ進もうとすると、倒れている役員の上をゆっくりと歩いてくる男がいた。頭はスキンヘッドで首に大量のアクセサリーをつけており、両腕でようやく抱えるられるほどのマジックアイテムをズリズリと引きずっている。


「よくも アポなしで 抜けしゃあしゃあと俺の家に入って来やがったな! 許さん! どうせこの市は無くなる。今更思い残すこともないというものよ 最後に手土産じゃあ 死ねえ!!<連続多連弾連射(ガドリング)>!」


 男は持っていたマジックアイテムを抱え上げ、腰で安定させるとそれをウィルの巨人目掛けて発動した。その男のすぐ後ろには壊れたステージの下から『ゾンビ』が上に上がろうと踠いているが、気にも留めないようだ。


 キュイーンという発動音とともにマジックアイテムから火花が散り、中に込められていたのであろう大量の金属の弾が巨人に直撃した。もはやその攻撃に加え、マジックアイテムから生じる爆音までもが兵器となっている。


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダっ!!!


 男の周りに金属の破片が大量に散りながらも数の暴力が巨人に襲いかかる。土でできた巨人がボロボロと直撃した箇所を中心にして崩壊していく。


「ウワアハハハ!!! その人形もそろそろ保たないようだな! 死ねええ」


 マジックアイテムから連射される金属の弾は尚も巨人を貫いていく。


 そして、ついに巨人が崩壊した。


「あとは中のクソ野郎だけじゃあ!!」


 男が中にいたウィルに金属の弾を撃ち込もうとした時、ステージからよじ登る音が聞こえた。


「ああん? 『ゾンビ』だと? お前らは関係ねええ!」


 男は体を回転させ、ステージからよじ登ってくる『ゾンビ』の集団目掛けて、弾を撃ち込む。抵抗せずに直進してくる『ゾンビ』達は次々と吹き飛ばされ、死体となって腐敗した体があたり一帯に飛び散った。


「お前ら! 『ゾンビ』は任せろ その間、侵入者を殺せええ!!」


「「「オッス!!」」」


 役員のギャング達が尚も『ゾンビ』の群れを破壊し続けているボスらしき男の後ろに周り、ウィルを殺しに迫って来た。


 しかし、彼らはウィルに辿り付くことなくその生涯を終えた。


 地下室の天井付近でホバリングしていたアリアがぶら下がっていた豪華なシャンデリアを天井から切り離したのだ。人間の権力を美化する物が武器へと変わった瞬間だった。


 バリンっ!という衝撃音と共にギャング達が地面へと倒れていく。


「使えねえな! 仕方がねえ 最後に花火でも見させろ! <解除>!」


 ボスがニヤニヤと笑いだすと、建物内に警告音が鳴り響く。


『警告!警告!只今より第一フェーズを実行致します。コルノン市地下街ゾンビ化を開始。倉庫を解放。構成員は直ちに避難を開始してください』


「何をしたああ!?」


 ウィルは突然始まった状況を理解できず、直接ギャングのボスに尋ねたが、マジックアイテムの魔力が切れ、既にボスの元には『ゾンビ』が迫っていた。


 そして、ボスが『ゾンビ』に食われる直前に聞き捨てならない言葉を残した。


「『ゼイダース』の倉庫に保管している『ゾンビ』を地下街に放った。まもなくコルノン市は終わりだ! ちなみに外に逃げても無駄だぜ コルノン市の市一帯を治安維持兵が取り囲んでいる! ハハハハ! もうお終いだあああ」


 女の『ゾンビ』に喰われているギャングのボスを見届けたウィルはクロエを抱え上げたアリアを呼び出し、急いで建物からの脱出を試みる。


「ウィル!何が起こっているの?」


 走りながらアリアが質問してきた。先ほどの警告音を聞けば誰だって思うだろう。


「緊急事態だ!このままではこの市があの化け物まみれになってしまう アリアが教えてくれた安全地帯に行くぞ!」



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