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第二十七話 「バウンティハンター」

 ドルーノン市。デヴォルカス連邦共和国の外れに位置する小さな都市である。この都市は他の都市と比べて異質な存在感を放っていることで有名だ。今から四百年ほど前に起きた大地震により地割れが発生し、大地に深さ一キロ、横十三キロにも及ぶ巨大な裂け目ができた。そして現在、その裂け目にドルーノン市という名前の市が誕生し『人間』が生活をしている。


 ドルーノン市の住民は裂け目の岩肌を器用に掘って住居としている。裂け目の上から覗くとまるで巨大なアリ塚のように至るところに洞窟のような穴があいており住民が行き来をしている。洞窟の中には無数の坑道が張りめぐされていて複数の洞窟間でも移動が可能だ。また、裂け目間を移動するために随所に吊り橋が設置されている。裂け目の深さは一キロにも及ぶため、何階層分の居住区がドルーノン市に存在するのか数えた者はいないらしい。ただ、地上に近い部分には一般市民が生活しており、他の市と変わらず普通に生活しているのだが下層に降りるごとに治安は悪化していく。下層では地上からの光もあまり届かないので昼間であっても薄暗い。そんな常時闇に接している下層の居住区には人目を凌ぎたい犯罪者にとっては格好の住処となっていたのだ。


 そんなドルーノン市の裂け目の岩肌に掘られた長い階段を下層に向かって降りている大きめのフードを目が隠れるまで覆った男がいた。足首までマントに包まれていて男を特徴付ける要素は見当たらない。


 男が目指しているのは最下層に位置するある洞窟。


 目的地まで到着し、洞窟前に控えていた二人の大柄なガードマンに話を通すと中へと入る。


 中では大音量で曲が流れており、至るところでダンスをしている者やカウンターらしきところでお酒を飲んでいる者、床に転がっている者、テーブル席のテーブルの上に立って絶叫している者の姿がある。男はカウンター席に座り、一杯のお酒を注文すると同時に店員へ耳打ちをした。


「闇夜で静寂を求める者 本を買いに来た」


 すると、店員は奥の部屋に消え、しばらくすると注文されたお酒を持って来た。


「ブックカバーでございます。」


 男はお酒を飲み干すと、心の中で十を数えてから店員がさきほど消えたカウンター裏へと入った。


 カウンター裏でお酒や食事の用意をしているスタッフを避けながら男はさらに奥に設置されていた食器が置かれた棚の前で止まり、魔法を唱える。


「<開場>」


 すると、食器棚がゆっくりとスライドし扉が出現する。


 扉を開けると長い通路があり、その左右にもまた複数の扉が存在したが男はそれらには見向きもせずに通路を歩き続ける。通路を歩き終わるとそこにはドーム状の広間が広がっていた。ドームの天井からは人間の頭蓋骨が幾つも垂れ下がっていて壁には飾りとして複数の武器やマジックアイテムが備え付けられている。中央には大理石でできた横に長い長方形のテーブルがあり、その後ろに座っている者がいた。その者の周りには鎧を来た近衛兵が配置されており厳重に守られたこのドーム状の部屋でも油断なく監視をしている。『その者』はある業界では名の知れた男だった。首には数々の宝石が鏤められたネックレスを着けていて、頭には王冠を耳にはピアスを、そして厚化粧をしているので男か女か一瞬判断に困る中性的な顔立ちをしていた。腕の隅々まで掘られたタトゥーがまた威圧感を醸し出している。


「478 また来たのね」


「04 久しぶりだな。 毎度挨拶するのもネタが尽きたから早速本題に入らして頂こう」


「あらま せっかちだこと」


「依頼がしたい。レジスタンスの件についてだ。」


「フーーン なるほどね。続けて」


「この国において新参者は邪魔なだけなのでな。殺しの依頼だ」


「まあ依頼者の動機について聞く権限はないからね 危険度によって内容も変わるわよ」


「そこまで危険ではない 元治安維持兵で今レジスタンスを率いてるウィル・クェーサーという男を殺してくれ。」


「元治安維持兵ねえ それだけ聞けば危険度は低いから提示する額もそんなに高額にはならないけれど.... クェーサーねえ  何か隠してるでしょ?」


 04が薄ら笑いを浮かべながら478に尋ねる。


「さすがに知ってるか。 04に腹芸はするものでもないな ウィル・クェーサーはジャック・クェーサーの息子だ」


「あらま やっぱり じゃあ危険度上昇っと」


「待て待てジャックは国外任務中だ。知ってるだろう 金額を上げるな」


「ご明察! じゃあわかったわよ。金額については後で相談するとして、先にバウンティハンターの方を選んで 上玉は高いわよ」


「....そうだな まあ安すぎてもさすがにレジスタンスに返り討ちにされるだろうよ。この55を頼む」


「55ね 何かと自分の番号に拘り過ぎる変態ね いいんじゃない 結構適任かもね。いつもサングラスとスカーフを巻いてるのが私は気にくわないけど腕は確かよん」


「お前が言うか」


 

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