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異世界便利屋、トゥットファーレ!  作者: 牛酪
四章.名・B・探偵、ライカちゃん!
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83.手繰り寄せるは勝利フラグ

「『爆発魔法(エスプロジオン)』!」

「くっ…………フラグを回収しようがしまいが爆発しかけてくるの本当にウザい!ボクだって、流石にキレるぞ!『妖月弾』ッ!!」

「へいへーいそんなの当たりませんよ~っ!」

「おい馬鹿、そんな事やってると…………」

「やってると何だってんですか、レイさん!私はこの通り華麗に避け…………ぷぎゃあ!?」

【ボンッ!!】

お約束が起こる(爆発する)だろ」

「あーもう!当てても外しても爆発されて、どーすりゃいいの!」


セレナとの戦いの最中、ライカがパワーアップした力を存分に見せつける。…………何しようが爆発って嫌らしさが、何ともライカらしい。有り体に言ってしまえば、ウザい。


『レイちん、うちらもやってやろーじゃん!?』

「オッケー、みー…………み…………えーと」

『みーちゃんって呼びにくいならなんでもいいよ!みーことか!』

「じゃあそれで!みーこ、行くぞ!」

『らじゃー☆』


セレナを挑発し、前線で攻撃を引きつけるライカに加勢するべく飛び立つ!


『丹田に力を込めて!はい、せーの!』

「ビームっ!!」

『ギャルパワー☆』

「痛っ!?…………くっそ、ふざけた技なのにこんなに威力高いなんて、反則でしょ!?」

『ギャルパワー☆』

「それしか言えないのかキミはー!?」


縦横無尽に空を飛び回り、あちこちからビームを放つ。赤とピンクの光線が飛び交いハートが乱れ飛ぶ場はカオスとしか言いようがないが、威力は十分!セレナに着実にダメージを与えて言ってる…………!


「私もやらせてもらうわ。とらっかちゃん、召喚!突っ込むわよ!」

『はいです!飛べないトラックはただの鉄箱ですーっ!!』

「今必殺の『高速回転鉄箱蹂躙轢撃(スパイラルとらっか)』っ!!」

『どっかーん!』


なにやら厨二魂(オトメゴコロ)が炸裂したらしいよく分からない必殺技名と共に、とらっかが回転しながら空へ舞う!原理は謎だが、ナイス!俺達がビームを撃ってる反対からの一撃だ、こいつは痛いぞ!


「がはっ、背中…………っ!?なんでトラックが空飛んで来るのさ、反則でしょ!」

『自分ゴーストですし、そりゃ飛びますよ』

「あー、もう埒が明かない!こうなったらそっちのセンパイとヴェルカーくんと邪魔者を消し飛ばす!『紅月斬』っ!!」

「こ、こっちに飛んできます!?ルミネさん、どどど、どうすれば…………」

「大丈夫、わたしに任せてください」

「頼んだぞルミネ!」


妨害は間に合わず、月から放たれた紅い斬撃が轟音を響かせながら猛烈な勢いでルミネ達の元に飛んでいく。でも、これくらいなら!


「オッケー!すー、はー…………フェ…………じゃなくて、『氷結拳』っ!」


わざわざ言い直した!?


それはともかくとして、飛んできた斬撃を拳で迎え撃つ!辺りに猛烈な火花が飛び散った末の、決着は…………


「せいやぁぁ!」

「嘘っ、弾いた!?え、素手で!?」

「武闘派アルケミスト舐めんなー!」


ルミネに軍配が上がる!


「流石フェルコンパンチね、ルミネ!」

「その名前はダサいから封印した!ごめんフェルちゃん!」


フェルが聞いたら間違いなくアンサーは『ころす』だろうな…………。


「エスプロジオン!エスプロジオン!エスプロジオン!」

【ドォン!バコォン!!ボゴォン!!!】

「だーもう、ウザい!さっきから爆発ばっかり打ち込んでくれちゃって、陰キャ臭い!正々堂々近接戦闘とか出来ないの!?」

「よし、その挑発乗りました!ステッキで突いてやりますよ!」

「へっ、その杖程度なら耐えてみせ…………」

【ドゴォン!!】

「いたっ!?…………あぁそっか、『ステッキで突く』っていうフラグを立てて回収したから爆発したのか!なんて迷惑!」

「へいへいセレナびびってるわね」

「なんでお前が煽ってるんだよ」


煽リヴィに煽られた事で、自分の中で何かが爆発したのか、泣きながら怒り始めた。


「なんで、なんでさ!百歩譲ってそこの天使がパワーアップしたのは理解してるよ!どーして他のキミ達まで強くなってんのさ!」


先程とは明らかにキレの違う攻撃を繰り出す俺達に、戸惑い混乱し泣くセレナ。それは、そうだろう。何せ、パワーアップしたのはライカだけ。他の人の実力は、紛うことなきいつもの実力。それなのに、なんでこんなに急に実力が上がったのか?


「ふっ…………そんなの決まってるだろ」

「ふふ、決まってますよね!私以外もパワーアップした理由!」

「決まってるわ」

「決まってるね」

『なーんかかっこいーっ!』


その理由は、単純明快。


「じゃあ…………じゃあ、何だって言うのさ?」

「教えてやろう、俺達は……………………」


次に続く言葉は、決まっている。


俺達が急に強くなった理由、それは…………!


「「勝てそうだからリラックスして力出せるようになったんだ(だよ)!!」」

「仲間がイキってると自分もイキれるから強くなるのよ」

「………………………は?」


俺達が小心者だから、ですね…………!


だってさ、勝てる見込みがない追い詰められた状況だと焦って実力とか発揮出来ないだろ?逆に言えば、手を抜いたり遊んだりする余裕があれば緊張せず普段通りの実力を出せるって事で…………。…………つまり、本番で失敗するけど練習は上手くいく音楽家みたいなもので。ライカがパワーアップして勝利イベントモードに入ったから、強くなった(本来の力を出せた)って事だ。…………自分で言ってて、なんだかなぁと思う…………。


あと、リヴィの答えがなんか想定と違うんだが?お前それ、虎の威を借る狐って言うんだぞ。イキリヴィ。


「…………つまり、そこの天使がパワーアップして勝てそうだから心に余裕が出来て強くなったってこと?」

「そーいう事ですね。私達は身の安全が確保されたり勝利フラグが立つと強いんですよ」

『それどうなん?言ってて悲しくならない…………?うちは聞いてるだけで悲しくなるんだけど』


みーこの言葉が突き刺さるが、気にしない方針で。


「何それ…………何だよ、それ!そんなの適当過ぎるでしょ…………何なのキミ達…………!?」

「適当上等、適当で結構!今まで適当で戦場凌いできたし、依頼も解決してきました!堅苦しくなってちゃ、便利屋も、探偵も!務まらないんです!」

「うるさい…………うるさいうるさい!こうなりゃこっちも適当だ、消し飛んじゃえ!!」

『ちょっ、まずいよみんな!あれ、超強力な魔法が飛んでくる前兆だし!』


背後の月からエネルギーを吸収し、巨大なエネルギー弾を頭上に生成するセレナ。あれが当たったら、ひとたまりもないぞ…………!


「…………そっちが片をつけにくるなら、こっちも最後の一撃いきましょうか」


そう言って、ライカが一歩前に出る。


「セレナ、貴女の企みは見事でした。私も最初は騙されかけていました。でも…………探偵に暴かれた以上!貴女の計画は完全に失敗なんです!!」


そして、地面を蹴り、跳躍!


「さぁ、今回の事件の貴女のふざけた企み。それは…………」


セレナを眼前に捉え、ステッキを構え。


「この瞬間!!」


そのまま急降下し…………!


「終わりですっ!!!」


ステッキで身体を貫くと同時、セレナは大爆発をした!!

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