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異世界便利屋、トゥットファーレ!  作者: 牛酪
三章.雪月花の勇者御一行、異世界体験!
67/110

特別編.一周年だよ、トゥットファーレ!~一周年でもただのぐだぐだ~

昨日でこの小説は一周年を迎えました!という訳で特別編です、どうぞ!

「レイさんレイさん!レイさーん!」

「どうしたライカ、朝っぱらから」


何事もない普通の一日。珍しく早く起きた俺がリビングでコーヒーを飲んでいると、突然慌てた様子のライカがリビングに突入してきた。朝から騒がしいやつだな、お前は…………


「それがですね、レイさん!大変な事実に気がついてしまったんですよ!」

「サフラン切れたか?」

「そうです!何で買っておいてくれないんですか、酷いです!買ってきますっ!」


現在時刻、午前7時。ほとんどの店は空いてないはずだけど、ライカは飛び出していった。…………ダイニングに「サフラン」と書かれた瓶が中身満タンで放置されてるけど、それは気にしない方針で。残っていたコーヒーを呷って…………


「って違いますよ!まだサフランもう一瓶ありますよ、何騙そうとしてるんですかレイさん!」


…………あ、帰ってきた。


ちなみに言うと、サフランでも切らしたのかって聞いただけだからね。騙してないからね、俺。


「で、大変な事実ってなんだよ」

「うぇ?……………あっ、そんな話でしたね!忘れてました!」


こいつは天界でどうやって過ごしていたのだろうか?馬鹿さ加減に一周回って尊敬するレベルだ。


「それがですね、レイさん!なんと、なんとですよ!?」


ライカは興奮した様子で、次の言葉を紡いだ。


「私がレイさんをこの世界に転送してからちょうど一年経ったんですよ!!」


なるほど、俺がこの世界に来てからもう一年…………


…………え?マジ?


「えっ、もうそんなに経ったのか?」

「はい、今日でちょうど一年です!」

「マジかよ…………全然一年経った気がしないんだが」

「色々大変な事がありましたからねぇこの一年」


何も持たずに霊体で異世界転生し、トラック系ネタロマンサーと店を立ち上げ。ルミネと爆弾魔が加わり、七賢者を倒し。パセリの街を創るために奔走し、七賢者ももう一人倒した。そして、幻霊事件とかその他諸々あって今に至る…………


…………いや、濃いな!何気に凄いことやってるんだろうけど、それを取り巻くものがおかしすぎてコントみたいになってるわ!


「レイさんレイさん、なんか私暴言吐かれませんでした?」

「大丈夫、爆弾魔のことライカなんて言ってないから」

「あーっ、やっぱり!しかも逆です、逆!本名ライカです、私っ!」


ライカが俺をぽこぽこと叩くが、ちっとも痛くない。こいつとこうするのも慣れたもんだ。


「しかし、あれか。ってことはお前が左遷されてからもうすぐ一年か」

「左遷じゃないです!派遣ですっ!レイさんさっきから酷くないですか、何なんですか!?むりやりおっぱい触られたって嘘ついて警察に突き出しますよ!?」


その場合偽証罪で多額の賠償金が発生するけど、よろしいので?


「おはよー、早いね二人とも」


二人で騒いでいると、ルミネが起きてきた。


「うわーん、ルーちゃん!レイさんが酷いんです!」

「朝から泣いてるの…………で、どうしたの?」

「レイさんが酷いことを…………そして私はむりやりおっぱいを…………」

「えっ」


ライカさーん!?「…………」じゃなくて、その後!!「触られたって嘘ついて警察に突き出そうとしたんです」が抜けてますよライカさん!?いっちばん大事なところ抜いてどうすんだ、お前!


「…………レイくん?」

「違う!俺は何もしてない、無実だ!!」


ルミネの氷点下の視線が俺へと突き刺さる。あっ…………これ、死んだ…………。


「…………まぁ、どうせ何もしてないんだろうけど」

「え?…………俺を信じてくれるのか?」

「まぁ、付き合いも長くなってきたし。嘘ついてるか位はわかるよ。そういうことするタマじゃないのも知ってるし」

「ルミネ…………!」


流石良識派、冤罪だってことをしっかり分かってくれてる!そうだよな、俺がそういう類のことをするわけ………


…………?なぜか急にタオルが思い浮かんできたのだが…………?まぁ、気のせいか。たまたまだな、たまたま。


「どうせ『おっぱい触られたって嘘ついて警察に突き出そうとしたんです』って後に続くのを意図的に隠したんでしょ、ライカちゃん?」

「ギコッ!」


すげぇ、ドンピシャ。あと、それを言うなら「ギクッ!」な、ライカ。ノコギリかお前は。


「そそそそそそんなことないですしー、豚箱ぶち込んでやろうと思っただけですしー」


そんなことあるですしー。


「はぁ…………ライカちゃん、落ち着いて。いつも抜けた行動してるライカちゃんにも非があるよ」

「ルーちゃんまで!?」

「まぁでも、それはレイくんも悪いから謝りな」


保護者通り越して母になってる…………。まぁでも、言いすぎたのは確かか…………。


「あー、ごめんな、ライカ。俺も悪かった」

「レイさん…………!はい、私も悪かったです!今回の事は竹にながしましょー!」

「水な。流しそうめんじゃねぇんだよ」


ツッコミを入れつつも、自然と顔が綻ぶ。こういうやり取りに安心感を覚えるくらいには、俺もこの世界に慣れてきたんだな…………。


「ふふふ、仲良くが一番だよ二人とも」

「なんかルーちゃんお母さんみたいです」

「え?そ、そう?」

「おっぱい大きいですし!」

「他もっと無いの!?なんでわたし乳キャラで定着してるの!?」

「そこに双丘があるからです!」

「ちょっ、やめっ…………レイくんも見てるからっ!」


とある登山家らしい一言を発し、ライカが胸を揉みしだく。…………目の毒だな、こりゃ…………。視線逸らし…………たいけど逸らせない。悲しい男の性だ。


「その割にはなんか嫌そうじゃなさそうですけど」

「えっ!?」


えっ。


「お前…………まさか、痴――――」

「スーちゃん!!」

「呼ばれて飛び出しましたスーです!さっそくですが魔法発動、題して『おきのどくですが、あなたのきおくはきえてしまいました』!」


国民的RPGじゃねぇかとか、それは魔法なのかとか考えた瞬間。


でろでろでろでろでろでろでろでろでんでろでん。


聞き覚えのある嫌な音が脳に響き、視界がふっと暗転する。数秒も立たない内に、俺の意識は闇に飲まれたのだった…………。


「これで記憶、消えましたよ!」

「あ、ありがとう。呼んどいてなんだけど本当に来てくれるんだね…………」

「はい、勇者たるもの呼ばれたら即参上がキホンです!ましてしーちゃんの友達、助けない理由なんてないです!」

「そ、そっか…………」

「それでは、これで!朝ごはんまでにアジダハーカぶっとばさないと!」

「…………あ、消えた。…………アジダハーカって、高位の龍じゃなかったっけ…………?…………いや、やめとこ。考えてるとおかしくなりそう」































「ねぇ。…………ねぇってば」

「………………」

「起きて。起きなさーい」

「………………」

「えいやっ」

「………………っ!?痛っ、何だ!?」

「痛いですぅ!?」

「あ、起きた」


突然頭に走った衝撃で目を覚ますと、そこにはビチビチとはねる魚…………じゃねぇな何だこれ、オクラ?…………は?オクラ?


無論そんなことする人は一人しかいないわけで。


「リビングで寝てて起きる気配がないから荒療治で行ったわ、ごめんなさいね」


うん、リヴィだね。どう考えても。


「リヴィりんカゲキですぅ…………いたたぁ…………」

「流石オクラマンサー」

「やだ、褒めなくてもいいのに」

「褒めてねぇよ!」


リヴィの感性やセンスは、未だによく分からない…………。


「ところで、なんで二人ともリビングで寝てたの?」

「それは…………あれ?」


そういえば、なんで俺はリビングで寝てたんだっけ?自室で寝てたはずなんだけど…………。…………ダメだ、何も思い出せん。


「ライカ、なんか分かるか?」

「さっぱりです…………あれぇー?なんで私はここで寝てたんでしょう…………?」

「お前もか、俺もだ」


…………原因不明だが、特に身体に不調があるとかではなし。まぁ、いいだろう。


「…………おはよー」

「あ、ルミネ。おはよう」

「ルーちゃん…………?」

「ルミネ…………?」


…………?何故か、違和感が…………?


「ルーちゃん、私達に何があったか知ってます?」

「…………知らないけど」


本人がそういうなら、きっとそうなんだろう。多分この感覚は気のせいだ…………多分。


「…………?まぁ、いいです。それよりも!」

「どうしたの、ライカ?」

「リヴィりんとルーちゃんは今日が何の日かわかりますかっ!?」

「なんでレイには聞かないの?」

「え?……………そういえばそうですね、あれ?」

「そ、それはどうでもいいんじゃない?レイくんが知ってることなんでしょきっと」


なんか、無自覚にハブられた…………。まぁ、俺も今日は何の日かわかるから、問題はないんだけど。俺がこの世界に来てから一年だろ?…………でも、このこと昨日までさっぱり忘れてたんだけど…………なんで急に思い出したんだ?…………うーん、分からん。


「むぅー…………まぁ、いいです!今日はですね、なんと!」

「なんと?」

「レイさんがこの世界に来てから、ちょうど一年の日です!」

「えっ、そうだったの?初耳だ。レイくん、おめでと。…………っていうのもなんか違う?」

「確かに、おめでとって事でもないからな…………まぁ、ありがと」

「いやいや!この世界にレイさんが来なければ出会えなかったんですから、十分おめでたい日ですよ!」


それもそうだな。出会いのきっかけになった日、確かにめでたい。パーティーでもしたいな。


「…………それって、私とレイが出会った日?」

「そうだな。ここにきてすぐにお前と出会ったからな」


するとリヴィは、何故か呆れたような表情をして…………


「それ、昨日よ」

「えっ」

「えっ」

「えっ」


…………という、衝撃発言を。


……………………。


「昨日、パーティーするかと楽しみにしてたのに」

「……………………」

「……………………」

「……………………よし」


もういっそ。


「一日遅れでも構わんわパーティーやってやろうじゃん!バカでしたすみませんコンチクショーっ!!」

「あっちょっ、レイくん!?」


ヤケクソで商店街に走り、肉と野菜と魚を購入。その日はパーティーしました。めでたしめでたし。…………一日ズレてるけどねっ!!

昨日でこの小説は一周年を迎えてしまいました!忘れてました、素で!!という訳で、一日遅れの特別編。そんな感じのぐだぐだが話にも反映されてます。あの四人はこうでなくては。


拙い小説に一年間も付き合ってくださった読者の皆さん、ありがとうございます!ちょっとだけ覗いてみただけの皆さん、是非本編読んでください!!(ダイマ)


次の更新は明日です!三章もクライマックスですよ!

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