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異世界便利屋、トゥットファーレ!  作者: 牛酪
二章.建築業者系アルケミスト、始めました
32/110

29.SAN値直葬、新鮮な呪いを街の貴方に

新しい街への到着。それは、希望溢れるものであったり、新たな一歩だったり……

……しないのが、便利屋御一行の珍道中です、はい。


「これは酷いね……」

「あぁ、魔術的なことに詳しくない俺でもこれがヤバいのは分かる」


俺達が辿り着いた街、ネイブの街。そこには紫色の雲が空を覆い隠し、瘴気が蔓延するとっても素敵な景色が。

……どう考えても呪われてるかなんかだよね、これ。


「で、アレ呪いで合ってるの?」

「多分。邪悪な魔力を感じるわ。詳しいことはよく分からないけど」

「こういうのライカちゃんが詳しいんじゃない?天使だし悪は断てるでしょ」

「それもそうか。おーい、ライカー。起きろー」


ぺちぺちぺちぺち。

……もう少し強く叩かないと駄目か?

べしべしべしべし。

……へんじがない。ただのだめてんしのようだ。


「駄目だコイツ完全に気絶してる」

「乗り物酔いで気絶って相当だね……」

「とりあえず、ライカが頼れない以上情報収集からかしら?」

「だな。洞窟のことも詳しく調べなきゃだし」


という訳で、ライカを背負って……お、重い……。天使って割と重量あるんだな、俺が非力なだけかもしれないけど。

……背中に当たる何かの感触は、考えないようにしよう。


「じゃあ、ネイブの街突入よ」

「「おー」」




























「ふふふ……着々と引っかかってくれてるねぇ……。お手並み拝見と行こうかしら?便利屋さん」



























「お、第一町人発見ね」

「色々まずいから止めろ」

「えーっと、何のことかさっぱりなんだけど……それより、声掛けてみない?」

「それもそうね。そこの方、ちょっといいかしら?」


リヴィが、町人の方へと向かっていく。


「なんだいなんだい難題!?難題出してくれるのかい?ヘイヘイヘーイ!」

「…………は?」


……今、何て?


「それはコングラッチュレーションにエキサイティングでパラライザー!シビれる憧れちゃう~ッ!!」

「……あの、その……えっ?」


リヴィが困惑してる!?レアシーン!!って違うそうじゃないそうじゃない!相手の話してることがおかしい!会話が噛み合ってないってレベルじゃないぞこれ!?


「そんでスーパー!グレート!難題が何台でなんだだだだだだだだだだだだ」

「あっ……すみませんありがとうございました」


そう言って、帰ってくるリヴィ。会話することを諦めたようだ。当然だ。俺だってそうする。


「あ、あの……り、リヴィちゃん……災難だったね……」

「私を遥かに超える理解不能の境地に居たわあの人……正気度が削れるわよあんなの……」


自分が理解不能ってこと、自覚してたんだね。直す気無さそうだけど。


「……ま、まぁあの人がちょっと変わってただけかもしれないだろ。他の人にも声掛けてみよう。すみませーん、そこの人ー」

「課金……ガチャ……貴方もガチャがお好きで?レアキャラ当てたら殺すけどうへへへへ~」

「すみませんありがとうございましたさようならお元気で!」


会話を諦めて即帰還!廃人とは関わり合いを持つとろくなことがないからね!


「……………………次、わたしが声掛けてみる」

「お、おう、頑張れ」

「死なないでね」


声を掛けに行くだけで命の心配をされる街とは、一体……。


「あのー、すみませーん……少しお話いいですか?」

「くぁwせdrftgyふじこlp」

「どうしよう二人とも最早言語かどうか怪しいよこれ!?」

(逃げろ)

(逃げて)

「$#@&#♡¥#&#&$*”=¥-+”;'([/!」

「あっすみません用事を思い出しましたごめんなさい失礼します!!」


その言葉を最後に、街人の所からダッシュで帰ってきたルミネ。その顔には、勿論色濃い疲労が……。


「どうなってるのこの街……!?こんなの絶対おかしいって……!!」

「同感……ヤバいわよこの街……」

「今のでSAN値がごっそり持っていかれた気がする……」


情報収集しようとしても、街人が狂気の渦中。学校ではこんな時どうすればいいのか教わらなかった、やっぱり学校っていう社会制度はクソ……


「……みゅ……ふゅ……ふぇ?ここは……どこですぅ……?」

「「「「起きてくれてありがとうライカ(ちゃん)!!」」」」

「ぴゃぁっ!?な、何がどうなってるんです!?」


救世主降臨!やっとライカが目を覚ましてくれた!これで勝つる!!


「レイさん……ここまで私をおぶってきてくれたんですね、ありがとうございます。よいしょっと……着地!それで、みんなどうしたんです?」

「実はかくかくしかじかで……」

「さくさくふかふか?」

「もぐもぐてかてか」

「なるほど……つまり、この瘴気が何なのか調べればいいんですね?」

「そういう事だ」

「それならお安い御用ですよ!ちょっと待ってて下さいね!」


今、初めてライカが天使に見えた。……本当に、いつもこうだったらなぁ……!


「うーん……この感じ……ピンと来ました!」

「分かったのライカちゃん!?」

「はい!恐らく、狂化の呪いですね。思考回路から言語、人格まで何から何までおかしくなってしまう呪いです。しかもこれかなり高ランクの呪いですよ、街全体に効果及ぼしてるのに全然呪いが薄まってないですもん」


なるほど、狂化……。通りで、話が通じないわけだ。いや、呪いって確認できてある意味良かった……この街の住人がみんな素であんな感じだったらどうしようかと……。


「だから街の人の様子がおかしかったのかぁ」

「……ちょっと安心した反面、厄介ねその呪い」

「情報収集出来ないもんなぁ……」

「ふゆ?みなさん何を言っているのです?」

「「「…………え?」」」


ライカ……?


「みんなが狂化してて話聞けなくても、文章とかはきちんとそのまま残ってますよ?観光協会行ってガイドブック貰ってきたら一発解決です」


……………………。

…………………………!?


「ららライカどうしたお前熱でもあるのか!?大変だ早く薬を!!」

「だから酔って気絶しちゃったんだね!気が付かなくて本当にごめん!薬局探してくる!!」

「私のこと馬鹿にしてるんですか!?」

「私はライカのこと、やれば出来るば……天使って信じてたわ」

「今爆弾って言いかけませんでした!?みんな酷くないですかっ!?」


いや、だってライカが妙案を出すなんて……。信じられん、明日は槍でも降るのか?


「明日の天気は晴れだよ」


あ、ストロンガーさんどうも。最早驚かなくなりました。親切に教えてくれてありがとうございます。あ、消えた。


「えっと……それじゃあ、観光協会行こうか」

「それがいいわね」

「そうするか」

「あれっちょっと待って私の言い分は無視なんです!?おーい、おーい!ちょっとー!」

「くぁwせdrftgyふじこlp」

「あなたじゃないですー!?」


……なんと言うか、締まらないなぁ。




























「ライカは ガイドブックを てにいれた!!」

「ぱっぱっぱっぱっぱ~」

「そして ライカたちは どうくつのまえに ついたのであった」

「何やってるの二人とも」

「いやぁつい」

「こういうことやってみたくなって……ルミネはならないの?」

「ならない」


Dで始まる国民的RPGごっこは置いておくとして、とりあえずアノ洞窟の前に到着。

……そういえば、ダンジョン探索って初めてだよな。ようやくまともなファンタジーイベントが挟まってきたのか、遅っ。


「それじゃあ、洞窟に出発です!みなさん、後ろに着いてきてくださいね!」

「あっお前はここで待機な」

「何故っ!?」

「爆発するからに決まってるだろが」


洞窟の中で爆発なんかされたら、良くて落石の下敷き、悪くて生き埋めだ。こいつを連れていっても攻撃手段が爆発位しかない以上、ハイリスクノーリターンでしかないので当然だね。


「今回はレイの言う通りね。ライカ、ここで待っててね。さあ、みんな着いてきて!」

「お前も待機だよ」

「……理由は?」

「とらっかから降りろ、話はそれからだ」


狭い洞窟の中なんかでとらっかなんか乗り回したらそれも崩壊を招く。もっと小回りの効くもの武器として使えよ……。


「とらっか以外に何か攻撃手段ないのか?」

「えーっと、マグロ、バズーカ、ライカチャン……」

「よし、置いていこう」

「誠に遺憾だわ」

「我慢してくれ」


……さて。この二人は勿論同行却下だが、その……。


「じゃあわたし達二人で探索だね」

「ルミネ。絶対に全力は出すなよ?洞窟が崩壊するから。これフリじゃないから、ガチだから」

「う……うん、分かった、気を付けるね」


この人も若干不安なんだよなぁ……。まぁ、一人で行くとボコボコにされるのが目に見えてるから連れていくんだけど。


「それじゃあ、行ってくるぞ」

「マジックアイテム持って帰ってくるね~」

「行ってらっしゃいですー。お土産お願いしますー」

「饅頭買ってきてね」

「洞窟に饅頭屋なんかあるか!!」


……こうして、俺達二人は洞窟に潜っていく。……ちゃんと帰ってこれるかなぁ……?































「さぁて……その洞窟から無事に帰ってこれるかな?

――()()()の手腕は嫌らしいからね、ふふふ」

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