表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界便利屋、トゥットファーレ!  作者: 牛酪
二章.建築業者系アルケミスト、始めました
27/110

25.ふりだしにもどす(ストロンガー視点)

遂にタイトルまであの男の名が……!あと、あのキャラが久しぶりの登場です。お楽しみください。

「そ ん な も の は な い」


…………。

どうしよう、これ………。

情報源ストロンガーさんを呼び出して情報を聞いてみたのはいいものの、まさかの爆弾発言。依頼人が探し求めているものは、この世に無いと言う。パセリの時から既に危なかったけど、加熱した斜め上展開は遂に危険な領域へと突入する……!


「そ、そんなぁ………パセ……」


そう言って、崩れ落ちるミジンギさん。そりゃあ、そうなるよな……。自分達が求めてるものの存在が根底から否定されちゃったんだもんなぁ……。


「あの、質問いいですか」

「なんだい?」

「この世にないって、どういうことなんですかストロンガーさん……?」

「いい質問だね、ルミネくん。great!」


テンション高いね!


「じゃあ、説明しよう。パセリ・ノー・ウェンっていうのは、代々受け継がれてきた御伽噺の産物なんだ」

「つまり、空想上のもの、ってことですか……?」

「そういうこと。ミジンギさん、パセリ・ノー・ウェンの話、どこで聞いたか覚えてる?」

「え……ほ、本で読んだパセ。……っていうか、何で私の名前知ってるパセ……?」

「ストロンガーですから」


ストロンガーさんなら何でも許される風潮、何とかした方が良いのでは。遂に初対面の人の名前まで見破るようになってるぞ、この人。もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな。


「ストロンガー……」

「まぁ、それは置いといて、その本ってのはコレ?」


そういうと、ストロンガーさんは鞄から古ぼけた本を取り出す。


「あっ……そうパセ!それパセ!全パセリの愛読書、いや聖書とも言える『パセ問のすゝめ』パセね!」


なんだろう、漂う諭吉臭。


「これにパセリ・ノー・ウェンのことが載ってるパセ!」

「じゃあ、これの最後のページを開きます」

「パセ」

「十回振ります」

「パセ?」

「五回右に回します」

「……パセ?」

「十二回開いて閉じます」

「……何してるパセ?」

「ここで、上上下下左右左右BAと最後のページに書き込み、『ハ〇ソン!!』と叫びます」

「……?全く分からんパセ」


夢のコラボレーションだなその隠しコマンド。いや、一つコマンドか?……っていうか、コマンドってことは何かが起こるのか?何だろう、嫌な予感が……


「この手順を踏むことであら不思議!著者からの隠しメッセージが!」

「パセ!?そんな魔法が込めてあったパセ!?全然知らなかったパセ!!」

「ちょっと見せて欲しいわ。えーっと……『パセリ・ノー・ウェンはフィクションです。実在する他の人物、団体とは一切関係がありません。騙してごめんね、こういうの一回やってみたかったんです。まぁ、誰かこのメッセージの出し方すぐに気づくだろうからこんなホラ話広まらんだろ』」

「な、なんだってー!?パセ!?」

「まさかパセ問のすゝめにそんな記述があったなんて!?わたくしはおろか多分全パセリが知らなかったですよ!?」

「嫌な予感が的中したか……」

「何でこれを隠したんだろうね、本当にね……」

「かっこよかったからじゃないです?」

「そんな理由で隠されてはたまったものでは無いだろう……どうなっているんだ一体……」

「……ぱせりのれきし、あらたないっぽひらいたり?」


何気ない作者の遊び心が、俺達の心を傷つけた。


「……パセ……じゃあどうすれば、理想のパセリの国を創れるパセか、ストロンガーさん……」

「ストロンガーさんならさっき帰ったわよ」

「がーん……パセ……」

「もっかい呼べばいいんでないです?」

「あ、それいいわね。よっと」


チリンチリーンとベルの音が辺りに響き渡る。

……しかしだれもこなかった。


「……来ないわね」

『プーッ、プーッ、プーッ』

「きゃっ!?な、何!?」

『ただいま、大魔神との戦闘中のため、応じることが出来ません。御用の方は、ピーという音の後に御要件を……』

「電話かよっ!?」

「これはストロンガーさんもう来ないですねー」

「我が主が呼びつけたのに来ないとは……八つ裂きコースですかね♥」

「ナナちゃん落ち着いて!?怖い怖い!」


収集つかねぇなこの状況!どうしてくれようか!


「はぁ……ごめんパセ、依頼したはいいものの完全にふりだしに戻るどころか情報皆無になってしまったパセ……」

「謝る必要ないですよミジンギさん」

「そうです!悪いのはあの本の著者です!」

「安心して。依頼は、最後までやり通すわ」

「それがわたし達トゥットファーレのモットーだもんね!」

「パセ……うるっときたパセ、みんなありがとパセ……」

「うーん、とは言っても、情報が無いのはキツイよね……」

「だよなぁ……どうしたものか……」


いい案が無いか、考えを巡らせてみる。…………ダメだ!さっぱり!一体どうすればいいんだろうなコレ……?


「……みんな、わたしのことわすれてないかい?」

「え……?」

「フェル?」

(私は完全に忘れられてるな、今回もセリフ一つしかないし……ははは……はぁ……)

「……まおーじょーなら、ほんとかあるし、まおーさまとかいるし、あるかもよ?……なにか」

「あっそうか!魔王!」

「魔王ならいけるかもしれないわね、魔王だし。上にいるし」

「困った時のストロンガーさん!それが無理なら魔王様!ですね!」

「魔王二の次なんだ……」

「そんじゃま、行ってみますか!」

「「「おー!」」」

「えっおいちょっと待て」


善は急げだ、さっさと行こう!情報を貰いに、いざ魔王城へ!


「……置いていかれた……」

「行かなくていいのですか?」

「いや……どうせ私なんて脅しに屈して自分の土地を良いようにされ挙句の果て忘れられ置いていかれる哀れな女なんだどうでもいいんだ……ははは……」

「何やら深いキズがあるようで……そういう時は休んだ方がいいですよ、近くにいい温泉があるんです、一緒にどうです?」

「ナナ……あぁ……私の事を分かってくれるのはお前だけだ……あれ……何だろう涙が出てきた……ぐすっ」

(この人今まで一体どんな辛い経験をしてきたのかしら……)















所変わって、魔王城、玉座の間。玉座に佇むは、勿論魔王……

……だったら、威厳あったんだけどね……


「あれ?おねぇちゃんたちにおにぃちゃんだ!ひさしぶり!」

「し、シフォンちゃん!?」

「……まさか、魔王の正体はシフォンちゃんだったんですか……!?なんて衝撃の事実!?」

「んなわけないから。遊びに来てるだけです」

「あ、ディアブロ」

「私もおひさだね。その節は妹が迷惑かけてごめんね」

「気にしてないから大丈夫よ」


いやぁ扉開けたら玉座にシフォンちゃんが座ってたからビックリした……でも、一般幼女が遊びに来る魔王城ってどうなんだ……?


「……あざとようじょ、いまもどった」

「あっフェルおねぇ!どこ行ってたの?おそいよー!」

「……ふふふ……おねぇ、いいひびき……うふふ……」

「最近あの二人仲良くてね~。フェルは姉扱いされるのが嬉しいみたいでよくうちに連れてくるんだよ」

「……幼女コンビ……」


絵面的にはどちらも幼女にしか……いやこれ以上言ったら鉄拳制裁(フェルコン・パンチ)されるな、止めとこう。うん。


「ところで魔王いる?俺達魔王に用があって来たんだけど……」

「ここです!」

「え?」

「シフォンちゃん?」

「わたしが魔王だよっ!」

「「「「…………え」」」」

「あーそうだった……あのー……今日ね、シフォンちゃんのお願いで、一日魔王やらせてあげてるの。あのうるうる攻撃には耐えられなくて……」


一日署長的なノリで魔王やらせてんの!?魔王ってそんなノリで大丈夫なものなの!?色々大丈夫かそれ!?


「え……じゃあ、魔王さんは今、どこに?」

「えっと……喫茶店で接客してもらってます」

「えっ!?」

「魔王がエルマーナで接客!?何ですかその面白案件!?」

「確かにカオスなことになってそうだよなぁ……」

















~ 一方その頃、喫茶店エルマーナ前 ~


「今日も癒しボイスのために足を運んでしまった……この店の娘たち本当に可愛いよなぁ……待っててね癒しボイス!」

「いらっしゃい」

「イケボォ!?」

「席、あっちです」

「え、あ、あの、えっと……貴方は?」

「シフォン代理、魔王です」

「代理が魔王!?」

「やつは今頃魔王です」

「魔王がシフォンちゃん!?」

「とりあえず、お席へどうぞ~」

「あ、はい……」

「……魔王さん大丈夫かな……?」

「大丈夫大丈夫、イケボ目当ての女性客増えそうだし」

「シフォン帰ってきたらイケボ目当てはどうするの!?」

「それは困るわねぇそうだ魔王様をずっと雇えばみんなイケボ楽しめるし私もイケボ聞けて幸せふふふ~」

「お ね え ち ゃ ん ?」

「あっすみませんごめんなさい」
















~ 魔王城 玉座の間 ~


「魔王がいないんじゃ情報は聞けないか……」

「情報?みんな何の情報聞きに来たの?」

「それはかくかくしかじかで~……」

「なるほど……パセリの街造り……また凄いことやってるねぇ……」

「……おねーちゃんは、なんかいいあん、ある?」

「え?うーん…………ごめん、あんまり思いつかないかな」

「……ひさしぶりのでばんなんだから、もうちょい、がんばれよ……」

「メタいね口悪いね失礼だね!?」

「ディアブロさんでもダメかぁ……」

「はい!わたし、いい考えあるよっ!」

「シフォンちゃん?」


シフォンちゃんには悪いけど、これは真面目な話し合いなんだよな…………でも、思わぬ視点からってこともあるし、一応聞いてみるか。


「シフォンちゃん、そのいい考えって?」

「ルミネおねーちゃんってアルケミストなんだよね?シフォン知ってるよ、アルケミストって物とか創り出せるすごーい職業なんだよね!そんなアルケミストのおねーちゃんなら、魔法で街だって作れちゃうよ!」

「……え?」

「………………」

「………………」

「………………そ」

「「「それだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

「え?……え!?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ