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異世界便利屋、トゥットファーレ!  作者: 牛酪
二章.建築業者系アルケミスト、始めました
26/110

24.ようこそパセリパークへ?

「ようこそ!米と脂肪の街へ!」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………?」

「…………ほぇ~……?こ、ここって……?」


えーっと……どう反応すればいいんだろうか、これ………。とりあえず、落ち着いてここに至るまでを思い返してみよう。じゃないと頭がおかしくなる。

前回、ナナさんの依頼で「パセリ・ノー・ウェン」なる地を探すことになった俺達。この時点でもう頭の中は疑問で一杯だが、それはまあいい。そんでもって、


『まずはわたくし達の街へ招待致しますね!パセリ・ノー・ウェン探しの支援もしなければなりませんし!』


って、ナナさんが言ったんだ。これもまあいい。そして、便利屋メンバー+何故かハルバさんがここに連こ……連れてこられた。これは……良くないな、ハルバさん何も関係ないのに連れてこられてるじゃん。本当にすみませんハルバさん……。

あと、米と脂肪って何だとか、それを言うなら夢と希望じゃないのかとか、パセリの街っていう健康に良さそうな街なのに脂肪はどうなんだとか、色々言いたいことはあるけど、それも後回し。それより、まずツッコまねばならないのは…………


「おい、何で此処なんだよ」

「………?ここの地下にパセリの街があるのですが……」

「そうじゃない!何で、()()()()()()()()()()()()()()()()!()?()


そう、現在地、魔王城の前である。路地裏ファイター魔王様とかアイスバーサーカーとかディアブロさんとかが住まうあの魔王城。何故ここの地下にパセリの街があるんだ!?魔王が気付かずここに魔王城を建てたの!?それともパセリ軍団があとから来たの!?ど、どっち!?まさか共存関係!?


「……ねぇ、何でパセリの街の上に魔王城があるのか聞いてもいいかしら?」

「はい、居心地良さそうな地に品の無い城が建っておりましたので、パセリキャノンで吹き飛ばそうかと思いましたが、流石にそれは可哀想なので、地下で妥協させて頂きました♥」


怖い怖い!笑顔が怖い!っていうか意外とナナさん口悪いな!魔王城を品の無い城扱いって!魔族を統べるものじゃねぇのかよ魔王!それでいいのかよ魔王!


「……ふと疑問に思ったのですが、妖精って魔族の一種ですよねぇ?なんで、長である魔王さんの城の悪口言ってるんです?」

「ライカの……頭が冴えてる、だと……!?」

「あ、明日は天変地異!?空からライカチャン!?」

「ルーちゃんもレイさんも酷くないですか!?」

「あぁ、そういえばここ、魔王のヤロウの城でしたね」

「ま、魔王のヤロウ……」


ハルバさんが困惑してる……無理もない、俺もビックリした。なぜ一族の長をヤロウ呼ばわりしているのか……。


「魔王なんて政治を魔将軍様に任せてサボタージュしているクソ野郎じゃないですか、そんなのに敬意を表す必要ないと思います」

「ナナちゃん、言うね……」


魔族での魔王の印象ってそんな感じなのか……実際俺達もゲームしてる所しか見てないし、無理も無いのか……?


「……うるさい……ぺっとのはむすたーのすけべじたぶるまるがおきる……お?」

「あ、フェル」


城の前で騒いでたら、フェルが出てきた。ところで、ハムスターの助ベジタブル丸って何?何その珍生物?


『ピピー、ピピー、ピピー』

「……ほら、うるさいって」

「たま〇っちかよ!ハムスターの助ベジタブル丸!」

「……た〇ごっち……?これはまぞくのあいだでりゅうこうちゅーの、あにまる・べじたぶるってやつ。……どうぶつとやさいで、かわいいの」

「あっそれわたくしもやってます。わたくしのコモドドラゴン子トリカブト美ちゃん、可愛いんですよ」


名前が物騒だな!?っていうかそれ野菜じゃなくて毒草じゃね!?何、ナナさんってそういうキャラなの!?可愛いけど毒吐く系女子だったの!?


「……まぁそれはいいんだけど……なぜ、ここに……?」

「あぁ、お宅の地下のパセリの街に招待する所だったんです」

「……ぱせりのまち……?そ、そんなものあったのここのちか……?」


フェルも知らなかったんかい!気づけよ、そこは!お前の家の地下だろ!


「……まじかよ……けいびしすてむよさんさくげんしてげーむかったからか……ざるじゃんここのけいび……うわ……」


警備システムはしっかりしとけよ……魔王なんだから、暗殺とかあってもおかしくねぇだろ……。


「……まぁ、まおうさまなら『面白いからいいや』とかいいそうだし……べつにいいか」


魔王ー!それでいいのかそれで!面白いから放置すんのか、パセリの街!そんなんだからナナさんにヤロウ呼ばわりされるんじゃないの!?


「……ということですし、行きましょうか♥」

「「「「「は、はい……」」」」」


こえー、マジでナナさんこえー……












「はい、こちらがパセリの街になります!」

「おー……これは……」

「あれだね」

「あれね」

「あれですね」

「……あれだな」

「……あれだよ、ね……」

「「「「「「どこが街だ」」」」」」


そこに広がっていたのは、ただ一面の土であった……えーっと、パセリっぽいのは……一人……一人……一人……うん!いくら数えても一人しかいない!ナナさんも合わせて、二人!どういうことなんでしょうかね一体!?


「……ぱせりふぇありー、ここが……まち?」

「はい!街、()()()です!」

「予定地じゃん!」

「……そりゃあ、きづかない……おおきなまちとかあったら、まりょくはんのうできづくけど、こりゃ、びじゃくすぎてきづけなきわ……」


何故か着いてきたフェルはまあいいとして、予定地かよ!最早どうリアクションしていいのか分からんわ!


「えー……コホン、そして、あちらにいる方がわたくし達の……いえ、わたくしのマスター、ミジンギさまです」


みじん切り?(空耳)


「あ、あのー……み、ミジンギさん?わたし達、便利屋トゥットファーレの一員と……あとその他二人です」

「その他二人……」


あぁ……ハルバさんが困ってる……ハルバさんの影が段々薄くなっていくんだけど、どうしてあげるのが正解なんだろうか……分からん……。


「……キミ達が、便利屋トゥットファーレの人達パセか?」

「パ、パセ?」

「わたし、ミジンギパセ。よろパセ~」

「おー、語尾が特徴的な人ね。初めて見たわ」

「……どーかん。ぱせりをたいげんしたおんな、それがあのひと……ふふふ」

「あぁ……また変な人が……」

「全くだ……お前ら、類は友を呼ぶというが呼びすぎだ……ははははは……」

「ははははは……はぁ……」

「ルーちゃん、ハルバさん、大丈夫ですか!?目が死んだ若菜の目みたいになってますよ!?」


それを言うなら死んだ魚の目、な。若菜に目ねぇだろ。


「まぁ、そう緊張するなパセ!気を楽にするパセよ!」


緊張というよりは語尾が気になって仕方ないです。はい。


「……あ、あの……ミジンギさん、ここが街予定地ってことと、パセリ・ノー・ウェンについて聞きたいんですけど……」

「その事パセか!張り切って説明するパセよ!パッセッセッセ!」

「笑い方……」


特徴的すぎる人だなぁ……


「さて!先ずは私についてパセ!私はまあ、見ての通りパセリの精霊みたいなもんパセ!ナナちゃんより力が強いから、彼女を従えているマスターにあたるパせね」

「はい!マスターは最高のお方です!いい匂いしますし!ぱんつとか!棚から出して嗅ぐのやめらんないんです!最高!」

「ナナちゃん、後でちょっと話があるパセ」

「な、なんでですか!?」


ナナさんもかなり個性的だよなぁ……遂に変態属性も加わってしまったか……何処へ行く気なんだあの人は……。


「えー、常習犯だからぱんつのことは置いとくパセ」

「常習犯なんですね……ナナさん……」

「私達はここをパセリの街と言い張ってるけど、まぁお察しの通りここはただの空き地パセ」

「ですよね」

「だから、私達はここを大きな街にしたいのパセ!夢は大きく、ビッグにパセ!でも、それは私達二人じゃほぼ無理パセ」

「確かに二人じゃ開拓も難しいですよね……」


あれ?この人、語尾以外まとも?まさかの常識人枠!?


「それで、パセリ・ノー・ウェンを探して移りたいのかしら?……あら?でも、さっき()()()大きくしたいって言ってたわよね……?」

「あれ?パセリ・ノー・ウェンについての話、ナナちゃんから聞かなかったパセか?」

「パセリ達の楽園を探してほしいって言われましたよ?」

「……ナナちゃん、間違った知識教えちゃだめパセ」

「……えっ!?わ、わたくし、間違った知識教えてましたか!?」

「うん、私ちゃんと説明したパセよ?」

「多分下着のことで頭が一杯で話聞いてませんでした……」

「何やってるパセ……あと、後ろに隠してるブラ返せパセ」

「バレました……」


ナナさん……本当に何処へ向かおうとしているんだ……。


「えー、コホン。パセリ・ノー・ウェンっていうのは魔法の詰まった結晶みたいなもんパセ」

「魔法の詰まった結晶?」

「そうパセ。その結晶には、魔法の術式が詰まってると言われてるパセ。その魔力を解き放てば、なんと!パセリにとっての楽園が出来上がるらしいパセ!」

「なるほど、魔法陣みたいなものね」

「それを探して欲しいってことですか?」

「パセ。情報もないし、無理難題かと思うけど……キミ達には何か可能性を感じるパセ。何か、色々やらかしながらも、最後は何とかしちゃうような、そんなオーラが……というわけで、どうかこの依頼を受けて欲しいパセ!報酬ははずむパセ!」

「やるわ」

「やります」

「やらせてください」

「やりますぅ!」

「報酬ははずむで食いついたよなお前ら!?それは人として……あぁ、一文無しだからか……」

「……しょせん、よのなか、かね」


か、金目当てじゃないし!?純粋な人助けですし!?


「何か不穏な事をそこのロリっ娘が言ってるパセが、ま、まあいいパセ!じゃあ、よろしく頼むパセ!」

「任せてください!……でも、情報がないんじゃ何も出来ないよな、どうしよう……」

「その点に関しては本当にすまんパセ……」

「…………ふっ」

「どうしたのリヴィちゃん、そんなドヤ顔して」

「情報のアテならあるわよ」

「あーはいはいそうですか……ってマジで!?」

「マジよ」

「マジパセか!?」

「マジよ」

「リヴィりん凄いです!それで、その情報ってのは!?」

「私も知りたいパセ!その情報って!?」

「ふっ……これよ!」


リヴィが取り出したのは見覚えのあるベル。……って、それ、まさか!?


「これをこうして……こう!」


チリンチリーン。


「呼ばれて飛び出てストロンガー!」

「やっぱりそのベルかー!!」

「……困った時のストロンガーさん頼みよ」

「それでパセリ・ノー・ウェンについてだよね」


察しが早い!早すぎる!この人本当に何なの!?


「えぇ、そうよ」

「それじゃあ、パセリ・ノー・ウェンについての情報を話させてもらおうか」

「……ゴクリ、パセ」


律儀にパセ付けるんだ……


「パセリ・ノー・ウェンについての情報だけど……」

「……だけど?」

「そ ん な も の は な い」

「…………パセ?」

「え?」

「は?」

「えぇ?」

「みゅ?」

「……ほぇ?」

「は?」

「……?」

「ど、どういうことなんですかストロンガーさん……!?」


まさか、ストロンガーさんでも知り得ない情報なのか……!?


「あぁ、言い方が悪かったね。言い直すよ。えっと……」


「パセリ・ノー・ウェンなんてこの世に存在しないんだ」


予想外の展開!?え、ど、どうすんのこれ!?

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