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異世界便利屋、トゥットファーレ!  作者: 牛酪
二章.建築業者系アルケミスト、始めました
22/110

21.言われてみればそうですね

「……この土地は私が所有しているのだが、勝手にこんなものを建てたことに関して何か言い訳はあるか?」


……どうしよう。本当にどうしよう。

既に交戦体制な謎の女性ハルバさん、その人に敵対の理由を聞いてみたら、こうなりました。

そうだよね。ここ雑草がボーボーって訳でもなく整備されてたもんね。いるよね、管理人というか所有者。当然だよね。

……いやこれマジでどうすんの!?犯罪者だよ!?犯罪者だよ俺達!!刑法252条にバッチリ引っかかってるよ!!この世界にも刑法252条あるか分からないけど!!


「どどどどどどどうしようレイくんこれガチのマジでやばいやつだよわたし達捕まっちゃうよ」

「おおおおおお落ち着けきっと何とかなる多分おそらく」

「……ここにこれがあることへの言い訳かしら?」

「あぁ、そうだ。何か正当な理由があるならばその時は対応を変えるつもりだが、もし無かったら…………」

「……なかったら……?」

「ここから出ていくか、豚箱行きか、串刺しか選べ」

「「ひぃぃぃぃ!?」」


この人もマジだ!トーンがマジだ!!どうしよう、でも境遇を話したところで突拍子もないから理解してもらえそうもないし、一体どうしたら……


「言い訳というか、理由ならあるわよ」

「……なに?」

「そーですよ、理由ならありますよー!」

「……ほう、言ってみろ」


リヴィとライカ!?もしかして、救いの手を……救いの手を…………差し伸べてくれるといいんだけど、とてつもなく不安な二人だしな……頼むから余計なことはしないでくれよ……


「これは木よ。ただの木。よって、ここにあってもなんら問題なし。住んでいても、なんら問題なし。これでL.E.D.ね」

「そうですよ!もし仮に問題があったとしてもこの私の溢れ出る天使パワーと魅力で万事解決なんです!問題なんてありません!」

「二人とも何言ってるの!?」

「なに地雷を真っ向から踏み抜いてるんだよお前らァァァァァァ!!」


ツッコミ所が多すぎてもはや何を指摘していいのか分からん!!でも一つだけ言わせてくれ、リヴィさんそれを言うならQ.E.D.だからね!!それ照明終了だからね!光ってどうするって感じだからね!!


「あれ?A.E.D.だったかしら?」


それは人命救助!もはや全然違うだろ!?


「………………ふん」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「ライカちゃん!?」

「なんて惨い……」


案の定、ライカさんのお腹に槍が突き刺さりました。しょうが無いよね、ウザかったもん。串刺しだよね、分かる。その気持ち分かるよ、ハルバさん。あと他人事じゃないよねリヴィ?お前も串刺しにされて然るべきだと思うよ俺は。当事者だったら絶対キレるもんマジで。


……で、これで事情を話して和解ってことは完全に無理になったから、出ていくか豚箱か串刺しかの三択になったな。一人はもう串刺しだけど。……この中だったら、アレを取るしかないね。


「さぁ……出ていくか豚箱か串刺し、どれがいいか選んでもらおうか」

「「出ていきますすみませんでしたー!!」」


俺とルミネで、リヴィとライカを担いで逃げる!勿論、出ていくを選びました!!




……そんなことがあって、今現在夜の十時。お金も無い、家も無い中寒空の下に放り出されている。

……本当にこれからどうするんだよ……異世界転生ってこんなに辛いものだったのかよ……こんなの絶対おかしいよ……


「証明は完璧だったはずなのになぜ追い出されたのかしら……」

「全くです!なんでこんなに可愛い天使を追い出すのでしょうか!理解に苦しみます!」


うん、そうだね。照明は完璧だったね。あとライカ、お前はそのまま苦しんでろ。前に可愛さに免じて云々言って俺に殴られたの忘れたのか?


「今の私は水も滴るいい女だというのに!物理的に!」

「上手い、サブロウ一枚よライカ」

「やりました!」


うん、そうだね。血が滴ってるね。街の人がギョッとするからやめようね。あとリヴィ、今日のお前はなんか何もかもが間違ってる。三郎一枚ってなんだ、座布団だろ。三郎くんはスライスにでもされたのか?


「これからどうしようレイくん……あっやばいなんか涙出てきた……あはは……」

「……ハンカチ使う?」

「ありがとう……」


大丈夫、俺も泣きたい。これまでこの世界に来てから起きたことを思い返してみると泣きたいことばっかりだったな。


まずネタロマンサーさんがトラックでモンスターを轢き潰して、GGC(剛腕のゴーレムクリエイターの略)がゴーレムを投げ飛ばして、地雷(物理)天使が俺達を巻き込んで爆発して……

そんでもって酢豚をアイスを取り戻すという野望が入り交じった中爆弾娘(物理)を大量にぶつけて倒して、挙句の果てパセリを爆発で倒して建物も壊して有り金無くなって、家すらも追い出されて……


……これが異世界生活であっていい事だろうか?いや、あってはいけない。なんだこれ……なんだよこれ……字に起こしてみると想像以上に酷いぞこれ……

……これから異世界に旅立つ主人公の皆!期待しちゃダメだぞ!俺みたいなことがないとも限らないからね!先輩異世界転生者からのアドバイスだ!

……なんかもう思考がおかしくなってきた、俺もう駄目かもしれない……はぁ……


「これからどうするか……とりあえず、野宿とベジタリアン化は決定ね」

「……野草って野菜なのか?」

「……たぶん」

「自信なさげに言うな!」

「そうだ!先輩から物を恵んでもらえば……ん?丁度よく先輩からメールです!えーっと……『むりです』」

「だろうね」


最近この二人のろくでなし感が増してきているのは気のせいだろうか?


「はぁ……マジでどうすんだよ……?」

「やっぱり野宿するしかないのかなぁ……ここ街中だけど……」

「……こんな所で何をしてる貴様等」

「!?」

「は、ハルバさん!?」


これからのこと談義を行ってたら突然後ろから俺達を追い出した……いや俺達が迷惑かけた張本人ご登場!?ま、まさか追い出すだけでは気が済まず殺しに……そうなるのが当然かやっぱり……


「ど、どうしたんですかこんな所で?」

「買い出しだ。ところで、貴様等は何故こんな所にいる?もうこんな時間だ、宿に帰るといいだろうに」

「ありません」

「え?」

「宿に泊まるお金がありません」

「…………今、幾らくらい持ってるんだ?」


そう言われて、家計担当のルミネが財布を出し、ひっくり返す。

ちゃりん。


「この1フロルが私達の全財産です……」

「…………急に追い出したからか、配慮が出来てなくてすまなかった。じゃあ、あそこにお金を取りに……」

「無いです」

「え」

「便利屋本店にも1フロルも無いです。つまり一文無し、いや1文しか無しですぅ」

「器物損壊で財産丸ごともってかれたわ」

「…………」

「「「「…………」」」」

「…………分かった。今日だけはあの便利屋とやらに泊まらせてやる。明日からは出ていくんだぞ」

「「「「ありがとうございます」」」」


ハルバさん、神かよ。
















そして、翌朝。


「おはようございます~……昨日はぐっすりでした、えへへ」

「相変わらずだね、ライカちゃん……」

「それほどでも!」


褒めてない褒めてない。気づけ、ライカ。

バカは放っておいて、今現在リビング。便利屋の面々は全員集合し、出発の準備をしている。今日だけって言ってたんだ、仕方ない。むしろ一晩泊めてもらえただけでもラッキーだった。


「……全員、目が覚めたか?」

「あ、ハルバさん」

「ハルバ。おはよう」

「……昨日は泊めてやったが、何度も言うようにここはお前達の土地ではない。だから、出て行ってもらう」


あ、呼び方が若干マイルドになってる。俺達の境遇、そんなに酷かったのか……いや、酷いか。うん。


「この街は商業も盛んだ、日給の出る日雇いバイトも見つかるだろう。当分、それで食い繋いでいくといい」


的確なアドバイス…?優しい……この人マジ優しい……そうですよねやっぱりいきなり自分の土地に変な木が生えてたらキレますよね。ごめんなさい。本当にごめんなさい。


「ちょっといいかしら?」

「……何だ?」

「ここにある自分の物は持っていってもいいのかしら」

「お前の物か?好きにするといい。要らないと言うのなら貰うぞ」

「ありがとう、じゃあ持ってくるわね」

「私も取ってくるです!いってきまーす!!」

「じゃあわたしも取りに行ってきます」


そう言って、皆は自分の部屋に引っ込む。……自分の物か。こっちの世界に来てからバタバタしてたから俺の私物なんて物は服ぐらいしか無いけど、皆は元々ここに住んでたんだから私物位はあるわな。じゃあ、それを取ってくるまで待って……


「持ってきたわ」

「!?」

「……!?お、お前……何だその物騒なものは!?」


お前いちいち騒動起こさないと気が済まないのかよ!?リヴィが持ってきたものは……その……


「?何って……不発弾と不発の魚雷よ。ネクロマンスで使うの」


そう、ミサイルと魚雷である。お前そんな物持ってたの!?っていうか、よく気付かなかったな俺!?何!?この便利屋ミサイル保有してたの!?ビックリだよ!!


「私も取ってきましたー!」

「「「「「ライカちゃんだよー」」」」」


あ、うんこれはもう駄目だ。一瞬で分かる。


「…………それは」

「量産型ライカチャンC.Cです!私の可愛いクローンです!」

「要するに爆弾です」

「!?!?」


お前、まだそれ持ってたのね……埋めてきなさい、早く。いや駄目だ埋めると増える!どうすんだよそれ!処分出来ないじゃん!

あとハルバさんの目がどんどん死んでいくのが怖いんですけど!?これ以上ヤバいの出てこないよね!?


「わたしも取ってきたよ」

「……ルミネ、お前のはまともな私物だよな?」

「え?………………これだけど…………」

「………………わお」

「……なんか、ごめんなさい」


取り出したのは、とても刺々しいメリケンサック。これは……アウトだね。うん。軽犯罪法に引っかかるやつだね。

そして、ハルバさんの目から完全にハイライトが消えました。これは……駄目だね……


「…………お前達はテロリスト集団か何かなのか?」


………………。

危険思考の壊れた武器を使いこなす人、超腕力でねじ伏せる人、爆発物……

あ、言われてみるとそうだわ。テロリスト集団だわ、俺達。

次回から「テロリスト集団、トゥットファーレ!」が始まってもおかしくないくらいテロリスト集団だわ。


「あの、サラッと今私物扱いされた気がするんですけど」

「気のせい気のせい」

「それじゃ、出ていくわね。またね、ハルバ」

「待て!その危険物はどうするつもりなんだお前達!?」

「んー、捨てる?かさばりますし」

「…………………………分かった」

「「「?」」」

「お前達、しばらくここに泊まっていけ……だから……だから、頼むからその物騒なものを外に持ち出さないでくれ……」

「え!?いいんですか!?やったー!!やりましたよリヴィりん!」

「ふっ……私達の祈りが天に通じた、というわけね!」

「そうです!」

「……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……困らせてごめんなさい……」


……………………。

やったね!家を取り返せた!めでたしめでたし!

……………………いや、これどう考えても法的に駄目でしょ……脅しじゃん…………。

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