19.依頼、お待ちしてます!
昨日投稿出来なくて本当にごめんなさい……今回で、一章完結です。次回から二章が始まる予定なので、お楽しみに。
「以上が今回あった七賢者事件の概要です、先輩」
「なるほど……地上でそんなことが……」
七賢者討伐から一夜明けて、俺とライカはセスタさんに今回の事件の報告をしていた。
あ、ちなみにリヴィとルミネはギルドに七賢者討伐の報告をしてる。……またうさぎの中に仕舞って持って行ったんだけど、絶対に怒られるよな、アレ……
一方俺達は、これ程強い敵はイレギュラーですよ!一体バックに何の組織があるのか天使ですし調査しないと!とライカが言うのでセスタさんに事件報告中。天界パワーで調べてもらうんだそうな。
でも、一言だけ言わせてもらっていい?何で天界と通信可能ってこと言わなかったんだよライカ。それがありゃ色々楽だっただろうに……
……よくよく考えたら、チート能力が無くても凄いもんバックに付けてんな、俺。実は恵まれて……ないね、うん。仲間が相殺してるね。
「七賢者か……そのような組織は聞いたことがないわね……ある程度大きな組織なら魔力とかから検知出来ると思うんだけど……」
「先輩でもよくわからないんですかー……厳しいですねぇ……」
「何か、『私達は憎しみを集めている』みたいなこと言ってましたよ」
「憎しみですか……十中八九悪の集団っぽいですね」
「じゃあ問題は規模ですね……どうなんでしょうか……」
「うーん……分かりました、こちらでも調べてみることにします」
「本当ですか!?流石先輩!大好きです!」
「褒めても天界限定ウルトラスペシャルグレートハイパーミラクルアンビリバボーコスモスパフェは出ないわよ」
「ちぇー」
何それ超気になる。なんだその凄さオーラ全面に醸し出してるパフェは。コスモスって。宇宙規模じゃねぇか。
「知ってますよ、どーせ私なんて天界限定オールドスタイルクラシッククラッシュオールドカオスパフェしか食べられない下級天使なんですよ」
「卑屈にならないの」
今度はカオスかよ!何で皆そんな長いんだよ名前!正にカオスだわ!
「全く。今度、奢ってあげるわよ。帰って来れたらね」
「本当ですかぁ!?私、あれ食べたいです!スイーツスイートスメルスロットルスタンド……」
「えーっと、調査してくれるんですよね!?ありがとうございます!!それで、こっちも何かする事ありますか!?」
「あぁ、その話でしたね。話が逸れてしまってすみません」
良かった、話の軌道が修正された!そしてなんだその長ったらしい名前!天界のセンスどうなってんの!?
「えーっと、貴方達には現地調査を行ってもらいたいのですが」
「現地調査ですか?」
「そうです。天界から見てるだけでは分からないことも有るので……七賢者についての調査、可能なら討伐をと考えています」
あのクラスの敵とまたやり合うの…?しかも、あと6回?果たして、大丈夫なんだろうか……不安しかない……
「あと、ライカ」
「何ですか?」
「貴女にこれ、あげるわ」
セスタさんがそう言うと、ライカの手元が光に包まれる。どこか懐かしいような、優しい光……それが止むと、ライカの手には……
「わぁっ、カメラです!」
「それ、天界最新モデルの撮影から魔力の検知、モンスター情報に天界情報へのアクセスまで出来る優れものなのよ。きっと、七賢者の情報を集めるのに役に立つと思うわ」
「ありがとうございます!大切に使いますね!」
「それじゃあ、私は業務があるからこの辺で。レイさん、頑張ってくださいね。ライカ、暴れちゃ駄目よ」
「暴れませんよ!?」
いいや、お前はいつだって思考と行動が理解できない方向に暴れてる。じゃなきゃ尽く爆発する左遷使になんか成り下がらねぇだろ。
とか何とか言っている間に、セスタさんとの通信が切れる。セスタさん……貴女は常識人ポジを貫き通してくださいね、お願いしますから。真剣に。
「わーいわーい!カメラ貰っちゃいましたー!」
「楽しそうだな」
「とりあえず……よし!装着!どうですか!?可愛いですか!?」
ライカは早速、貰ったカメラを首から下げる。その姿はなんと言うか……なんと言うか……その、紐が……カメラの紐が何かを強調してると言うか……
いや待て。相手は左遷使。そうだ、左遷使だ。そんなの気にする必要ない。だって左遷使だもの。れいを。
「あー、そうだねー、かわいいねー」
「果てしなく棒読みっ!?」
「いやー、かわいいとおもうよー、うん」
「この私を可愛いと思わないんですか!?超絶美少女天使ライカちゃんのぱーふぇくとぼでぃに欲情しないんですか!?」
「自分でそういうこと言うのかよ気持ち悪いわっ!」
「えーっ、ほら、健康的な肉体美ですよほらほら!これでも私のこと可愛いと思わないと!?」
「ちょっ近い近い!離れろ!」
あ、アレが!何だか柔らかい感触が!悔しいが腐っても姿だけは美少女、そういう事に耐性のない俺には刺激が強すぎる!とにかく、振り払って……
「ただいまー、レイくんとライカちゃん、先輩天使さんとの話は終わっ……た……!?」
「ただいま……あら、お取り込み中?」
あっ、終わった。
「…………やあ」
とりあえず、陽気に挨拶をしてみよう。それでなんとか……
「……昼間から何してるの?」
「変態ね」
……ならないね!!
「いや、違う!これはだな――」
「レイさんが私の魅力を分かってくれないから、分からせようとしたんです!身体で!!」
アウトォォォォォ!!その言い方はアウトォォォォォ!!それ、くんずほぐれつでアレしてアレみたいなことを連想させるよ!!超の付く誤解だよ!!どうしてくれるんだよお前ェェェェェ!!
「へぇー……そうなんだー……」
「最低ね」
「誤解だって!!俺は何もしてないよ!!こいつがどうだこの格好可愛いだろって近づいて来ただけで……」
「……私にあんなことしたのに、ほかの女の子にもそういうこと、するんだ……」ボソッ
「え?今何て言った?小さすぎて聞こえなかったんだが……」
「教えてあげない」
ルミネさん相当怒ってらっしゃる……俺、そんなに怒られるようなことしたかな……したのか……
「ライカ、昇天使ね」
「うにゅ?何が昇天なんですか?」
「それは勿論、ぜ――」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ言うなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「言った方が展開的に面白いじゃない」
「お前は何を求めてるんだよ!!俺を社会的に殺す気か!?」
「そうかもしれない」
「認めんな!!」
「はぁ……それはそうと、話はちゃんと付けてきたからね」
「……ありがとう。何か揉めたりしなかったか?」
「全然」
「すごく揉めた」
「「…………」」
ルミネとリヴィがお互いを見る。方や、何平然と嘘をつこうとしてるの?という顔。方や、何で言っちゃうの?って顔。
……まぁ、揉めないわけないよね。知ってた。
「……で、何があった」
「……うさちゃんからボスコポルコを取り出したらね、異臭が凄かったの。腐ってたわ」
「うわぁ」
腐った魔獣……その匂いは、想像を絶するものであるに違いないだろう。同行しなくてよかった……
「おかげで賞金を剥奪されそうになるし……大変だったよ」
「それは大変でし……って賞金!?お金貰えたんですか!?」
「ええ。……これを、見るがいいわ!!」
そう言って、リヴィはいつの間にか手にしていた袋の中身をぶちまける。そこから出てきたお金は……お金は……!!
「えっちょっ、ファッ!?」
「あ、あわわわわわわわわわ……こ、これって……」
「そう、百万フロルよ!!」
マジかー!!
「ちなみにフロルってのは、この世界の通貨単位!一フロルは大体一円に相当するんだ。私は日本から来たから、前に十万円相当の金品って表現したよ。そこの少年は日本人ぽかったからね」
「!?」
「す、ストロンガーさん!?」
「時空を歪めてやってきた、説明担当ストロンガーさんだ!それじゃあ、また逢う日まで!」
「……消えた……」
「……何故、二回目の説明を……?」
「読者が多分忘れてるからだよ」
「また来た!?」
「それじゃあ」
「……また消えた……」
マジで何もない所からストロンガーさんが出てきたぞ、本当に何なんだあの人……もしかして俺達は、足を踏み入れては行けない領域に突入してしまったのかもしれない……
「おっと、大事なことを忘れてた」
「また来た!?」
「喫茶店の看板娘さんが、君たちに来て欲しいって言ってたよ」
「それって……」
「ドルチェ……!」
「まぁ、そういうことだ。ここから歩くのは面倒だろう?私が送ってあげるよ!」
「あ、ありがとうございま……す?」
そう言うとストロンガーさんは、俺達の腕を掴み引きずり込もうとしている。これって……まさか……
「あの、ストロンガーさん。これって、もしかして……」
「そのもしかしてだ!異空間でショートカット輸送するよ!ちょっとガリガリするけど頑張って!!」
「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」
「おそうじおそうじ〜、ふんふんふーん……あら?空中にゴミが……え?空中?」
「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ど、どうしたのお姉ちゃん!?……あっ!」
「あいつつつ……派手にやりすぎだろ……」
「ストロンガーさんって何者なの……?」
「知らない」
「怖いです」
無事、……いや、有事到着。本当に何か脇腹の辺りがガリガリしたんだけど……脇腹、ちゃんとあるよね?……大丈夫だった、よかった。
「皆さん!来てくれたんですね!」
「……あぁ、何とか来たぞ。死にかけたけど」
「び、ビックリしました……一体どうして空中から……?」
「聞かない方がいいですよ、ロッシェさん」
「……目、死んでますよレイさん……」
怖い。ストロンガーさん怖い。ただ、それだけです。
「あの……皆さんをお呼びしたのは、感謝を伝えたかったからなんです」
「感謝?」
「そう。特にレイさん……あの日、助け出してくれてありがとうございました。皆さんが助けてくれなかったら、今頃、どうなっていたか……」
「助けたのは当然よ。皆、仲間じゃない」
「そうだよ。ドルチェちゃんを助けられて、本当によかった」
「一件落着!万事解決ですね!」
「あ、あの……あと一つだけ伝えたいことが……」
「何かしら?」
「その……レイさんなんですけど……」
「え、俺?」
「あの……あの時手を引っ張ってくれてありがとうございました!あの時、とってもかっこよかったでふ!か、噛んじゃった……そ、その……かっこよかったです!!そ、それじゃあ私奥の掃除してきますね!!」
「ちょっドルチェちゃんどこ行くんですかー!?」
「……尊い……うちの妹、尊いです……初々しくて……幸せ……ふふふふふ……」
「ロ、ロッシェさん鼻血出てますよ!?」
「……へー、レイくん、よかったねー。かっこよかったってー。よかった、ねー。」
「そしてお前はどうしたルミネ……顔怖いぞ……」
「……ふんだ」
「一体俺が何を……」
「ふふ、楽しい。楽しいわね。これでこそ……私達らしいわね!」
リヴィが笑顔になる。今の状況ははっきり言って滅茶苦茶だし、カオスだけど、それでも、俺達が頑張って取り戻したものだから。何ものにも代えがたい、俺達の便利屋が繋いでくれた日常だから。依頼から始まった大切な仲間たちとの日々だから。……だから、こう言おう。
……トゥットファーレでは、沢山の依頼をお待ちしています!!
「これが、今回の件の報告書です、大神官様」
「……マハネールがやられたか……」
「……ええ、しかし憎しみのエネルギーはある程度保存出来た模様です」
「そうか……」
「あの面々……便利屋の連中はどうします?」
「……放っておけ、今回はただのまぐれに過ぎないだろうからな。それに、他の七賢者も相当な実力者だ、負けるはずがない。そうだろう?」
「……はい。七賢者が一人、このテトラはその責務を全うすることを誓っておりますので」
「……良い。それで良い」
「それに、計画の方も順調です。奴らなど、敵ではありません」
「そうだな……。こちらには、切り札がいる。なぁ、そうだろう?」
「――――――っ―――」
「おっと、縛られているから話せなかったな。お前は、この計画のキーとなる人物だ。存分にその力を利用してやろう。フフ、フフフフ……フハハハハハハハハハハ!!」
(誰か……助けて……誰……か……)




