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異世界便利屋、トゥットファーレ!  作者: 牛酪
五章.花の国、氷華と冥府の七日間
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95.対テトラ作戦会議

「改めて対策会議を開こうと思うんだ」


『氷華』の七賢者、テトラを追い返した後にやってきたボビンに促され、俺達は再び長老の部屋へ。そこでボビンがしたのは、そんな提案だった。


「また会議ですか?今回は被害もなく追い返せましたし、この調子でジャマしていけば相手も根負けすると思うんですけど…………」

「…………実は、そうもいかないんだよね」


ライカの零した疑問に、ボビンは一枚の写真をもって返した。皆で脇から覗き込んでみると…………


「ちょっ、これって!?」

「…………見事に氷漬けね」


俺達も訪れた事のある花の国の一区画。その写真は、そこが氷に包まれた様子を如実に写し出していた。


「中々したたかだよ、あいつは。長老の私でも見回るまで気付けない程の隠密性をもってここ一帯を氷漬けにしたようだ」

「じゃあ、追い返せて一応の勝利ってあたし達の認識は間違いで…………」

「…………実質、大敗北を喫していたと言っても過言ではないだろうね」


真っ向から対峙したけど、テトラは氷魔法を街の方に放つ素振りは毛ほども見せなかった。部下にやらせていたのかもしれないが、だとしても完全に水面下で計画を進められた…………やっぱり、只者じゃないみたいだ…………。


「…………ボビンさん、街の人達は大丈夫だったの?」

「その点については心配いらないよクッキーくん。今回被害にあった場所から住人達は全て避難を終え、安全も確認済みだ。彼らも突然の事で驚いていたが…………脱出が不可能な程急かつ強力な氷魔法ではなかったみたいだ」


それを聞いて、全員がほっと胸を撫で下ろす。


「でもやっぱり、街の人達がいつ被害を受けるか分からないし、どうにかしないとダメですよね…………」


ルミネが漏らす。確かにその通りだ、今後もこういった攻撃が仕掛けられるとなると、住人達の今の仮初の安全もなくなってしまうかもしれない。そうなると、花の国は壊滅なんて事も…………いや、暗い想像は止めよう。


「うむ、それでだ…………明日は、君達に分かれて街中を張ってもらいたいと思う」

「張り込みかしら?」

「そういう事だね。攻撃の正体、最低でもどういう風に飛んでくるのかくらいは掴みたい。住人達は突然の事もあって詳しくは分からないみたいだったからね」


今日は真っ向からの迎撃だったけど、それが通用しないのなら別の対抗策を探す…………そのために明日一日を割くと言う事か。相手の手口が掴めれば、解決の糸口も見つかるかもな。


「という訳で、明日は二人以上でペアを組んで動いて貰いたいんだ。一人で何かあったら困るからね」

「そ、そうなの。じゃあ、玲…………その、あた」

「フリルくーん、完成したかーい!?」

「はい長老!お待たせしましたでち!」


六花が俺に向かって何かを言おうとしたその時、ボビンの呼びかけでフリルが登場。ワープ魔法とか言うやつだろうか、急に目の前に現れたもんだからびっくりした。


「皆さんのプロフィールなどを確認させていただき、僭越ながらこちらでペアを組ませていただきましたでち!遠近攻撃、サポート、その…………常識性でバランスが取れるような分け方になってるでちよ」


なるほど。向こうでペア分けしてくれた訳ね。問題あるコンビ(リヴィとライカ)の結成阻止ってめちゃくちゃめんどくさいから助かったな…………。


「…………フリル、分け方ってどんな感じなの」

「えっと…………リヴィさんとハナさん、ルミネさんとライカさん、レイさんとクッキーさんって感じになってまちね」

「そ、そうなの…………」

「見事に二人とも外されたね…………」


…………?何から外されたのさ、ルミネ?


「あたしちょっとそれ反対なんだけど」

「え、何か不満な事でもありましたでちか!?」

「それは…………そ、その…………」


六花が何故かそこで言い淀む。


「あらら…………はなちゃん、その~…………ごにょごにょ」

「…………本当?それ本当ねきいろ?」

「うむ。ルミたんにも情報横流ししてあげよう」

「えっ、本当!?嬉しい!」

「…………話の流れで分かってしまうとは、さてはルミたんむっつりだな~?このこの~」

「うっ、そ、それは…………」


どうしよう。全くやり取りの意図が分からない。噂に聞くガールズトークってやつなのか、これ…………?


「レイさん、三人は何の話をしているのでしょうか」


どうやら同じ感想を抱いていた人はいたようで、少し安心した。とりあえず良かった。


「きっとエロトークよ」


どうやら酷い感想を抱いていた人もいたようで、少し戦慄した。とりあえず良くなかった。


「ち、違うよリヴィちゃん!?」

「そ、そうよリヴィ!何言ってんのよ、まったく!」

「…………当たらずとも遠からず、なんだよなぁ~」


クッキーが小声で何かを言うが、よく聞こえなかった。何て言ったんだ、本当に…………?


「えっと…………ハナさん、大丈夫でち?」

「…………うん、大丈夫。ごめん、フリル」

「なら良かったでち!明日はよろしくお願いするでち!」


…………とりあえず丸く収まったみたいで良かった。


「たくさん迷惑かけるからよろしく頼むわ」

「迷惑かける前提なのかよ、お前!」


そこは『迷惑かけるかもだけど』とかだろ!お前本当に六花に迷惑かけるなよ?後が怖いから。


「あ、私も迷惑かけるかもです…………ごめんですルーちゃん」

「うん、もう慣れた」

「なら安心してやらかせま…………あっいえ何でもないですごめんなさい」

「そう、良かった」


調子に乗ったライカをルミネの物理的に燃える拳が抑制。…………この前から思ってたけどそれ熱くないの?


「じゃ、あたし達も挨拶だね。よろしくお願い、しずくん」

「こちらこそ。…………ところで、その手は?」

「えーなんでもないよー?気にしないで~」


…………物凄く手をワキワキさせたクッキーはそう語る。…………裏がありそうで何か怖いんだけど…………。


「それでは、勝負は明日!今日はゆっくり休んで、寝てくれたまえ!」


こうして、花の国での二日目も過ぎていったのであった。

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