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勇者の魔王育成はなまる日記☆  作者: レフ・エルザ
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魔王は育児放棄されました。

「ついに追い詰めたぞ!魔王、覚悟!!!」


俺は長い旅の末に、ついにこの世界を脅かす魔王と対峙していた。

魔王の青みがかった銀髪は美しく、肌も透けるように白いその姿は冷たくも美しい美男子。

表情は無表情で何もうかがえない。

なぜこのようなことを考えるようなものになってしまったのだろうか。

生まれ方が違えばあるいは・・・

しかし、この世界を滅ぼそうとしたその存在はあってはならないもの。


この世界のために倒さなければならない。

俺はこの世界の希望を背負った勇者なのだから!


長い戦いの末に魔王の心臓を俺の剣が貫いた。

これで世界が救われる。


「魔王、討ち取ったり!この城に住む魔物どもよ。俺はむだな殺生は好まない。この地を離れて、どこかで静かに暮らすが良い」


魔王に突き立てた剣を抜き、周囲にいる魔物たちに向かって叫んだ。

何体かは復讐のために襲いかかってくるかと思ったが、魔物たちは襲ってくる気配がない。

それどころか、柱の陰に皆こそこそと隠れている。

そのうちの一体の人型をした魔物が、メガホン片手に叫んだ。


「勇者よ。我々には抵抗する意思はない。お前の言うとおりにこの地を離れて、遠く、人の開拓の進まない東の辺境の森へと移ろう。しかし、殺生を好まないというお前に一つだけ頼みがある」


「無駄に血を流さずにこの地を離れるというのならば、1つぐらいの願いは聞こう!」


叫んだその人型の魔物は周囲の魔物たちとそれぞれ目を合わせて頷き合った。


「我々は、もう世界を支配だの滅ぼすだのと言うことに飽きた!しかし、魔王様を倒せば、魔王様はまた新たに生まれ変わる。魔王様には従わないと行けないのが我らの本能だ。なので、我々は次世代の魔王様を育てるのを放棄する!なので、お前が育ててくれ!では頼んだぞ!」


そう叫んで、魔物たちは転移魔法を唱えたようですべてその場から姿を消した。

いや、正確には先ほど魔王を倒した後に残された生まれ変わる魔王の卵を残して。


「はぁっ!?」


こうして、魔王は育児放棄をされて、勇者である俺が育てることとなった。

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