ハッピーエンド。
ーーーーー気がついた時には、傍に貴方が居りました。
覚えておいでですか?
貴方は右も左も分からぬ私に優しく声をかけ、笑顔で接して下さいました。
それから、私と貴方の素敵な生活が始まったのでございます。
私が辛い時も、悲しい時も。
いつでも貴方は私の味方でいて下さいましたね。それが私にとってどれだけ嬉しいことだったか、この気持ちは言葉ではお伝えしきれないものでございます。
私と貴方は、一緒に過ごすごとに、必要不可欠な、家族のような関係になっていきました。
貴方のことを一番知っているのは私だと、自信を持って言うことができるほどです。
時には喧嘩もしましたね。私が怒ってしまうこともありました。もう貴方の顔を見たくないと思うことも。
しかし数日後に泣きながら抱きしめてくれる貴方を、やはり私は愛しいと思ってしまうのです。
沢山泣いて、沢山笑って。その記憶全てに貴方が居りました。
私の人生は、貴方無しでは語ることが出来ません。
本当に、本当に素敵な記憶でございます。
貴方が私にとって何よりも大切な存在なのは、もうお分かりでしょう?
私は貴方と過ごした時間が一番の宝物なのです。
ですから、そんなに悲しい顔をなさらないで下さい。
いつかこの日が来てしまうと、貴方も分かっていたはずです。
貴方と私は、一緒にいながら、違うスピードで生きてきたのですから。
気づいた時には私は年老いて、貴方は素敵な大人になっていました。
もう貴方と遊べないこと、喧嘩ができないことは、とても悲しいことです。
しかしなによりも私が一番心残りなのは、貴方を置いていってしまうことでございます。
私がいなくなっても、どうか貴方はそのままで、元気で優しい貴方でいてください。
それが私の最後のお願いでございます。
貴方には泣き顔よりも、明るい笑顔が似合ってますよ。私が言うのですから、間違いありません。
そろそろ時間のようです。
貴方のおかげで、私は無事に人生を終えることができそうです。
貴方の傍で最期を迎えられること、幸せに思います。
最後に。
生まれ変わったら、今度は貴方と同じ人間になって、必ず会いに行きます。
ですので、そのままの貴方で待っていて下さいね。
それでは、その時まで。