05・精査
05
エリゼの話しは毒にも薬にもならなかった。
7人の男女内での殺し、しかも学内でだ。何も手を打たなくても、ループ再開時に被害者は息を吹き返すだろう。それに、腐肉を殺したのが誰かなんて、俺には興味がわかなかった。だが、アレの事だ、何らかの楽しさを感じたからこそ話したのだろう。
俺は森久保とどうでもいい事を話しながら、部室へと戻っていたのだが、ある程度話した所で、彼女が急に言った。
「じゃあ、こうしましょう」
「なにさ」
「私が全員にインタビューして、犯人割り出します。正解したら、先輩、私の言う事聞いてくださいね」
…そう言えば、そんな話しもしたか。俺は断ろうかとも思ったが、コイツが正解するとも思えなかった。
「あってたらね」
そう返事を返した。実際、深く俺は考えてなかった。
「どした、森久保、もどんねーのか?」
「だから、先輩、ワタシ、インタビューしてきます」
あ、行くんだ。俺は以外に思った。
「…おう、頑張れ」
何処に、そんなやる気が在るのだろうか。現実なんてつまらないのに。
俺は、ふとこの状態が、推理小説にも似てやしないかと思った。密室の学校、容疑者は七人。警察も科学的な捜査も入れない。頼りになるのは論理のみ。…やめたそんな事を考えるのは俺の性格ではない。それにアイツ、何を持って犯人が正しいと証明済んだろ。ばっかだよなーと思いつつ、俺は、麦茶を片手に部室へと戻ろうとして…思い出した。
「見ておくか、現場」
理科室で殺されたと言っていたか。
犯人は〇〇です!と、アイツがドヤ顔をする前に、みておいて損は無い。
俺はそのまま現場に向った。
現場に入ると、血の臭いで吐き気がした。
「おーおー、死んでる」
実際殺されたのだからその通りなのだが、こうして久しく見ていない死体を見ると妙な気分になる。
どうやら、ガイシャは首をやられたらしい。ざっくり切られて出血多量、見た感じ、得物は刃物。死因は刀傷で間違い無さげ。
「ふうん…」
当たりを見渡す。
最初は密室だったそうだ。と言っても、誰かが開けて(おそらくヤリにきたやつが)第一発見なんだろう。誰でも入れる状況だ。けれど、死人が出てから――――それから人が入った気配はなさそうだった。もっとも、当てにならないが。しかし、外部から隔離されたこの学校という空間だと言う前提を考えると、犯人はまだ学内にいるだろう。
「…しっかし、馬鹿なことを」
生き返るのに殺すなんて何を考えてるのだろうか。
また逃げると言っても、マグメイルへの入り口は屋上にしかない。其処には、エリザが居座ってるのだ。アイツの眼を盗んで、異界へ逃亡する事は困難だろう。よって、犯人はまだ学内に残留してると考えても間違っては無いだろう。
「森久保は犯人を割り出すってたけど」
俺は、ガイシャを見る。
「…聞けば一発なんだがな」
あと、犯人も目星着きそうだし。