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02・勝負

02



エリゼ先輩が語ったのは次のような話しだった。

ループする学校ではなく、攻略を目指してマグメイルに向った攻略組の中堅パーティ、その一人が学内で殺されたらしい。今も死体は、殺された場所である、理科室に放置されたままだそうだ。エリゼ先輩は、其処まで言ってから、こうも加えた。

「五月蝿い生徒会長の牝狐や、電影部の狸より先に、犯人を捕まえてみたら?」

それに、先輩は、どうでもいいわと答えて、エリゼ先輩のデコを手の甲で叩いたっけ。

で、今、私たちは部室に戻っている途中だった。

私は、麦茶を抱えた先輩に、提案してみた。

「先輩、賭けをしませんか」

「何で?」

「誰がボスを倒したかです」

「それの何がいい?」

「電影部のインタビューに取られちゃったんですよ」

「だから?」

「だからってなんですか。すごい事です、久しぶりのダンジョン制覇ですよ――――それで事件なら特ダネです。校内新聞にしましょうよ」

「それで?どうとでもいいだろ。俺は関心ないね。マグメイルの謎を解いたのなら別として」

そう、彼は語る。本心なんだろな、淀みないから。

「でも、気になりません?」

「君は変なのに関心を持つね…人が死んだ訳でも、俺らに関わる事でもないのに」

先輩が、むかんしんなだけですよ。口にして、思い出す。

彼と、エリゼ先輩の口づけの瞬間。忘れもしない、昨日の夕暮れの屋上。

「賭けないんですか?」

言えば、彼は気だるそうに答えた。

「賭けるって何をさ?それに何で勝負する?チェスは御免だよ…弱いもの、森久保」

「それとこれ、別です。言ったじゃないですか、誰がボスを殺したかって」私の言葉に、ああそうだったと、彼は返事。本当に興味が無いみたい。だから「そですね…相手にしてもらいたい事なんてどうでしょう?」なんて私は言った。

「してもらいたいこと?」

きょとんと、芙佐先輩は私を見て。それから、さもおかしいと笑った。

「俺が、お前にしてもらいたい事?なんだよそれ、やらせてくれっていってもいいのか?」

露骨な言葉に顔が赤くなるのが分かる。

「…ちょっ、先輩」

「ま、冗談。別にお前にしてもらいたいことなんて無いしな」

カラリと、セクハラしておいてコレだ。

ため息をついて、私は言う。

「でも、興味ないですか?」

「無いね、死体も…一日経てば復活する。態々問う問題でもない。死人が答えてくれるんだ」

そう、先輩は身もふたもない事を言った。

「そうですかね…」

私は納得しかねない物が残った。

学内に殺人者がいるのだ、それを野放しにしておくのはどうなんだろう?

「じゃあ、こうしましょう」

「なにさ」

「私が全員にインタビューして、犯人割り出します。正解したら、先輩、私の言う事聞いてくださいね」

「あってたらね」

先輩は、そう言った。

彼は途中まで歩いて、私が着いてこない事に気がついたらしい。

「どした、森久保、もどんねーのか?」

「だから、先輩、ワタシ、インタビューしてきます」

「…おう、頑張れ」

彼は、そう言って、手を振った。

だから私は、容疑者全てに話しを聞く事を心に決めると、背を向けて走り出した。



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