04・喚起
04
屋上へ向うと、エリゼ先輩が日傘片手に立っていた。
「よっす」
先輩は、手を挙げると彼女は返事を返す。
「来た来た、どうする?行っちゃったよ、アノ子」
アノ子?そうエリゼ先輩が言ったので私は先輩を見る。
「ほらな、アタリ」
「ちょっとどう言う事ですか?!」
私が言うと、エリゼ先輩が言う。
「芙佐、やっぱ教えてないんだ」
「勝負だって言ったからな」
「やっだ、大人げない」
からからと、エリゼ先輩は笑う。
「ダンサーの子だったろ?」
先輩が言うと、エリゼ先輩は頷く。
「そ」
「ちょっと待ってください、話しが見えないです。二人して嘘着いてるんじゃないですか?」
私が言うと、二人は顔を見合わせた。
「そう言ってもな」
「…ねえ、芙佐、連れてけばいいじゃん。マグメイルに」
彼女の提案に、先輩は頭を掻く。
————エリゼはなんと言った?
先輩が、攻略ってどう言う事だろう。思いがけない言葉に、言葉を喪ってしまった。先輩が攻略組だったって?私は、嘘だろうと、彼を見る。
「嘘ですよ、だって先輩、ループ開始からいたじゃないですか」
そうだ、彼も私と同じく、ループ初日からいる。
「ま、細かい事は後でな」
彼は、そう言うと、屋上の端へと歩いて行く。
異界への入り口、マグメイルへと落ちる場所。
ここを抜ければ、暴力と妖精の世界に続く。
「呼べばいいんだろ?エリザ、コールのスクロールって在る?」
「在る。でも、二人に会ってないけど」
彼女らは、フレを呼び出すアイテムの名前を出す。
「俺が会ってる。レベルも俺より低いから喚起で行ける。良かったな、あいつらがヘボで」
エリゼ先輩は、古い巻き紙を先輩に投げる。
彼はソレを受け取ると、開いた。
「来れ」
使えるの?嘘でしょうと私が呆然とする間にも、先輩の一言で、用紙が燃え上がる。次の瞬間、屋上に陣が引かれ――二人の男女が落ちて来た。
「?!!」
男は、得物を手に構え、女も防御を試みる。
しかし――二人は呼び出された場が、自分らの学び舎だったと気がついて武器を下ろした。
「さーて、話してくれるかな?」
先輩はそう言って笑った。




