第8話
ツキヨ
「加速!」
ツキヨは動いた。己の能力『加速』を使い、手にしている愛用の槍を前に構え、自分の姉に向かって突っ込む。
加速を入れた速い攻撃だ。EFでも避けれるか分からない。
あさひ
「よっ。」
しかし、あさひはそれを難無くかわす。
だが、これでツキヨは終わらない。
ツキヨ
「っ!」
急いで右足を地面に着け、勢いを落とす。
落ちた瞬間、また加速し突っ込む。だが今度は、
ツキヨ
「はぁぁああああああああ!!!」
加速による連続の突きを繰り出す。対するあさひは、腰のトンファーを手にし、
あさひ
「はぁぁああああああああ!!!」
己の能力『速』を使い、連続の打撃で防いでいく。
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ナナセ
「うわぁ~、すご~い!」
追い掛けながら、二人の対決を遠くから眺めているナナセが、目を輝かせて感激していた。
ナナセ
「お兄ちゃんは行かなくていいの?」
リュウセイ
「死ぬ。」
妹の問いに、隣で走っている兄のリュウセイが即答でそう答えた。
リュウセイ
「俺はあいつ等やお前のような戦闘向きの進人類じゃないんだぞ?」
ナナセ
「分かってるよ、お兄ちゃんが『知恵型』なのは。」
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進人類には、おおまかに3つの種類に分かれている。
腕力、脚力、視力、聴力など身体の進化が特徴の身体型。
発明、考察、など考える事に得意な知恵型。
人間の潜在する力、『神気』を使う神気型。
中には、稀にこの中の2つを使う者や、ごく稀に3つ全てが揃った者も居るとか。
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リュウト
「改めて思うよ。進人類は凄いって。」
ガイ
「だろ?もっと褒めろ!!」
ヤマト
「何で君に?」
北斗兄妹とは別で追いかけてる3人がそんな会話をしている中、
シズク
「ひぃ・・・ひぃ・・・ま、待って下さ~い。(涙目」
後ろでは、着いていくだけでも精一杯なシズクが、息を切らせて走っていた。
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あれから5分。あさひとの戦闘でツキヨは大分体力が減ってしまったが、その5分で2人の増援が来た。
1人はクナイを持ち、春なのにマフラーを着けており、もう一人は、身の丈よりも大きいハンマーを軽々と持ち上げ、ニット帽を被った、
サンゾウ
「・・・・・3年B組、鳥取サンゾウ、参る。」
ライ
「1年C組、雷シュンスケ!おねーさんに一撃当てて、一日休日いただきます!!」