第3話
『三式・飛龍(白)』、通称『白龍』。マスター・ヒメラギが開発した、航空都市戦艦。
ガーディアンの空母艦であり、一つの移動都市でもある。
2階~5階:ガーディアン指令室、艦長室など
1階:GTS、GTS寮
B1階:居住区、市街地区
B2階:機動装甲カタパルトデッキ、格納庫
B3階:倉庫、動力炉
=リュウト視点=
あの後(ホムラ先輩とカブト先輩の喧嘩)も何とか鎮静させ就寝時間となり、僕とガイの部屋(二人部屋)に戻って寝る事にした。・・・・・んだけど、
ガイ
「ぐぁああ~~・・・ぐぉおお~~・・・」
隣のベッドからガイのイビキが聞こえる。入学して一か月、未だにこのイビキで中々眠れずにいる。
リュウト
「もう一カ月か・・・早いなぁ・・・」
ふと僕は思いだす。あのとてつもない大騒動な入学式を・・・・・。
=一か月前=
晴天。そんな天候の中、GTSの校門の前でリュウトは進んで行く生徒達の中、ただ一人佇んでいた。
リュウト
「ついに入れた・・・GTS・・・」
リュウトは心の奥で感動していた。
リュウト
「苦労したなぁ、『オールダー』の僕がここに入れるように色んな事を学んだのは。」
オールダー(旧人類)。EOEで進化したエヴォルダー(進人類)とは違い、EOEを触れても進化しない凡人。
EFやアーマーで戦うエヴォルダー、『アーマードファイター(通称:AF)』がいるガーディアンと言っても、何も全員エヴォルダーという訳ではない。司令官、オペレーターといった者ならエヴォルダーでなくても構わないのだから。
現在、地球上でのエヴォルダーとオールダーの割合は、7:3となっている。
リュウト
「ここから始まるんだ。僕の正義の味方への道が・・・」
そう呟き、リュウトが校門の奥へ進もうとした瞬間、
???
「あ~、ちょっとそこの人~。」
=リュウト視点=
奥へ行こうと思った瞬間、誰かに声を掛けられる。なんだろう?と思いながら振り向くと、
青い長髪に、約150㎝くらいの小柄な少女(後にナナセという子)がいた。
その時僕はビックリした。
何にだって?青い髪の色の事じゃない。身長の事でもない。
じゃあ何かって?
・・・・・その子は制服じゃなく、スクール水着を着ていたから。
リュウト
「なにそれーーーーー!?」
思わず大声を上げる僕。何で!?何で制服じゃなくスクール水着を着てるの!?まだプール開きの季節でもないよ!?
ナナセ
「え、なに!?私の後ろに何かいるの!?」
リュウト
「いや君だよ!?スクール水着を着ているそこの君!!」
何で自分の姿に自覚が無いの!?いや自覚があって尚、その格好で来たら余計に危ないけど!!
ナナセ
「あ!違うんだよこれは!」
リュウト
「違う?何が?」
ナナセ
「これは小学6年生の時からのもので―――」
リュウト
「待って!!色々ツッコミ所満載で訳分かんない!!」
これ以上この子といるのは危険だ。ここは逃げるしかない!
ナナセ
「とにかく私の話を―――って、あ!逃げないで待って!」
リュウト
「うわ来たこないでぇぇえええええええええええ!!!」
この時の僕は、GTSで波乱の学園生活が始まる事は知らずに、ただ迫りくるスクール水着の少女という名の悪魔から逃げ回っていた。